今後、私の執筆しているもう一つの作品が進まない時に書かせていただこうと思います!
学園都市キヴォトス、その行政区に位置するD.U.地区。
その中心部の大通りにて、頭部全体を覆うヘルメットを被った不良────通称、ヘルメット団と戦闘を繰り広げる人影があった。
「よし! 建物付近まで到着!」
自身の愛銃であるサブマシンガンを片手にそう告げる少女──早瀬ユウカは後続の味方を手招きする。
ただ、その進撃は突如訪れる地面の揺れに中断を余儀なくされる。
「...この音は?」
ユウカは目線を左右に動かしながら記憶を辿るが、自身の脳が告げるのは敵は確かに殲滅したという判断だった。
静かに地面に伏す数十名の不良達も相まって、その異音は全員の耳にしっかりと伝わった。
「...気を付けて、ユウカ。8時の方向に重戦車がいる。」
ユウカの肩に手を置き言葉を重ねる一人の大人、その名も先生。
その瞳はキュラキュラと地面を伝う戦車の履帯を捉えていた。
その先生を横目に、ユウカは即座に思考する。
大人とはいえ、ヘイローのない生身の人間を戦車のいる前線に出してはいけないと。
「せ、先生!? なんで前に来ているんですかっ、危ないですから下がっ...」
だが、先生の身を案じて放たれたれる言葉は、先生の横顔が放つ力強い気迫、そして覚悟に勢いを失う。
「...装甲を持つ相手には私が有効だ、任せて欲しい。」
「なっ...!?」
──装甲を持つ相手?
───私が有効?
確かに聞いた言葉はの意味は理解できる。
ただ、その真意が全くもって不明だった。
ユウカは、その届かない解に時間を費やす。
だが直後。
───────大人のカードを取り出す───────
先生の左手が動く。
人差し指と中指の間に挟まれるそれは、クレジットカードの様な風貌をしていた。
元々、黄金の光沢を持っていた様だったそれは、次の一言で更に輝きを増すこととなる。
「...口径120ミリ、翼安定徹甲弾の生成及び装填を開始」
淡々と紡がれる言葉は直後、周りの空気を砕くようにして生成される砲弾と共に揺るがす。
敵戦車は止まること無く、照準すらせず前進を続ける。
その行動は、乗務員達の"自身の装甲を貫けないだろう"という余裕から来たものだった。
「──フゥっ...」
肩を僅かにを揺らし、吐き出した息と同時に右腕を敵戦車、及び車体上部に向けた。
その先端である右手は指鉄砲の構えを取り、残った左手は右腕のブレを抑える為、上腕に添えられた。
先生は息を呑む。
それと同時に、最初は離れていた敵戦車が少しずつ肉薄する。
「......発射」
焦りと覚悟が滲む、たった一言。
それを言い終えた直後、指先で生成を終えた砲弾、その後方が爆ぜた。
乾いた空気は侵徹体に引き裂かれ、装弾筒は加速と同時に切り離される。
「...ッ」
対して先生は、強い衝撃に呑まれない為に片膝を地面に置き、弾着をただ見守っていた。
刹那。
敵戦車、その車体に走る火花に遅れて気付く頃には──数十メートル跳ね上がる砲塔と共に、激しく爆ぜていた。
「...弾薬庫を誘爆、敵戦車の撃破を確認」
体に滲む言葉が、勝手に口をついて出た。
直後、先生は何かを気付いたかのように生徒たちを見やる。
その顔に浮かんだのは、まるで何も無かったと思わせるような微笑みだった。
ふと、先生のインカムに連絡が入る。
『...先生、今の現象について聞きたいことは山程ありますが────よろしくて?』
『あは、は...もしかして私のタイプ──「はぐらかさないで下さい」──分かったって...』
その後、大の大人である先生は、通信先であり高校生の七神リンにこってり絞られ、今後能力の行使を封印すると決めたそうだった。
プロローグなのにも関わらず。
ハスミ、スズミ、チナツを登場させれませんでした、申し訳ございません...
面白かった話。
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1話目
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2話目