絶望少女と愛す先生   作:びとうしんいち

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第壱話 むしのいどころ その三

 アンダーグラウンド邸の敷地内の外れに、人気の無い礼拝堂がある。

 ほとんど来訪者がいないにしてはそれなりに荘厳な佇まいで、建築家の謎の拘りを感じる。アンダーグラウンド邸はそれなりに歴史のありそうな、有り体に言うと古めかしい外観をしているが、この礼拝堂は本館にさらに輪をかけて年季を感じる。とてもこれを一人で管理しているとは思えない立派な建物だ。信心深さの欠片も無さそうな深層家の住人たちのことを思うと、その敷地内にここまで立派な礼拝堂があるのは何とも不思議だ。

 その礼拝堂の前に訪れた絶望です、刺杉あいすの二人はすうの言葉を思い出す。

 

「すうちゃんはナースさんだけど、医療や科学分野では説明できないことがこの世界には存在すると思うの。例えば、すうちゃんとか!」

 細かなことは省略するが、甘神すうも普通の人間とは少し異なる特殊な体質の持ち主であった。

「そういう分野は私の専門ではないけど、こういうのに適任の人は知ってるよ」

 そう言われすうに紹介されたのは二人も知る人物だった。

 

「あの人のこと未だによく分からないとこがあるんですよねー」

「ちょっとシャイなところがあるけど、面白くていい子だよ」

 現在。そんなわけで二人は診療室のある本館から移動し、その人物のいるアンダーグラウンド邸敷地内の礼拝堂に来ていた。日はまだ昇りかけているところだ。あいすが古めかしい扉のノブに手をかける。扉には南京錠や鎖などの類は無く、鍵も掛けられていないようだった。すんなり扉は開く。

「ごめんくださーい」

 ですはあいすの背中越しに礼拝堂の中を覗き、おずおずと声を発する。扉の向こうは洋画の結婚式や葬式の場面でよく見るようなイメージ通りの礼拝堂の内装といった様相だった。あいすとしては、洋画というよりもホラーゲームのステージとしてよく出てくるロケーションであるため、来るたびに少しだけ気分が高揚する場所だ。長椅子が奥の演説台まで左右並行にずらりと並び、演説台の向こう、奥の壁にはシンボルが飾られている。天井は高く、二階までの吹き抜けになっているということが分かる。中はアンティークな天井照明が満遍なく取り付けられているが、いずれも点灯されておらず、外から入ってきた陽の光だけが中を照らしていた。人気の無さに反し、しっかりと手入れはされているらしく床や長椅子に埃が被っているというようなことはなかった。二人は椅子の間を歩いていく。足音がよく響く。礼拝堂内は閑静としており、人影は一切無かった。この礼拝堂の奥にはここの修道者が住むための居住スペースがある。目的の人物はそこにいるはずだ。

 

 あいすは演説台の傍らにある質素な扉をノックした。

 ………。

 しばらくの沈黙の後、そろそろ辛抱できずですが何か言い掛けた時、扉の奥から物音がした。二人がじっと扉を見つめていると、蛙があしらわれた古風なドアスコープカバーが小さな金属音を立てて開いた。……。そしてまた数秒の沈黙の後、カバーがピシャリと閉じられた。

「大丈夫なの?」

「...多分」

 ですの怪訝そうな言葉に、あいすは苦笑しつつ答えた。また一拍を置いて中からガチャガチャと音がして、その後ゆっくりと、ドアノブが動いた。おずおずと慎重に、扉は開かれた。

「こ、こんにちは。ようこそ礼拝堂へ」

 扉の隙間から顔を覗かせたのは修道女が被るようなウィンプルを被った銀髪の少女だった。その真紅の目は遠慮がちに伏せられ、全く二人と目が合う気配がない。白磁のように白い肌とコントラストを描くように頬を紅潮させた少女は見る者に庇護欲とそれとは対象的な嗜虐心を同時に掻き立てさせる。その服装はアレンジが加えられているものの、まさに修道服に見えた。

「久しぶり!ぴょこら!」

 あいすは笑顔で言った。

 

「あ、あいす先生!?」

 ドアスコープで何を確認したのか、左右のお団子が頭にぴょこぴょこと主張する修道女風の少女は目を丸くして言った。

「会いたかったよー!ぴょこら!」

 あいすは少女の手を握って言った。

 少女の名は飛出ぴょこら。この礼拝堂を一人で管理しているアンダーグラウンド家専属のシスターだ。普段彼女の友人かアンダーグラウンド家の関係者しか訪れないこの礼拝堂にどんな役割があるのかは不明であるが、彼女が頑張ってここを管理しているのは伝わってくる。果たして何の教えを信仰しているのかは誰にも分かっていないが、一説によるとある特定の一人を信仰対象としている説もある。彼女は一見恥ずかしがり屋でビビりで繊細そうに見えるが、時に芸人でもないのに発起してピン芸の大会に出るような謎の行動力と大胆さを持つ。

「ですちもいるが」

 あいすがぴょこらの両手を握る傍らからですが顔を出して言った。

「絶望ちゃんも!ど、どうしたの!?まさか立ち退きの勧告!?」

「そんなわけあるか!」

「ちょっと、こういう相談なんだけど」

 そう言いながら、あいすはすうから預かった紹介状をぴょこらへ渡した。

「すうちゃんから!?」

 手紙を受け取ったぴょこらはそれをまじまじと見つめた後、「分かった。入って」と言って部屋に二人を招き入れた。

「散らかっていてごめんね。とりあえずここに座って」

 そう言ってぴょこらはシンプルな木製の円卓と椅子を示した。部屋の中は礼拝堂の雰囲気を壊さない質素な書斎といった雰囲気だった。多少物が散らかっているが常識的な範囲で、人を招くのには差し支えない状態と言える。ぴょこらが席をしばらく外した後、運んできたのはカップを載せたトレーだった。「そちゃですちゃ」などと言って差し出されたのは薄い琥珀色の飲み物。嗅いだことのない匂いがする。

「これは...?」

「自家製のハーブティーだよ」

 ですの質問にぴょこらは自信ありげに答えた。

「大丈夫なの?」

 ですは小声で隣のあいすに耳打ちした。

「多分!」

 あいすもなぜか自信ありげに答えた。

 ハーブティーは美味だった。

 

 二人があまり体験した事のない類の香りと味を楽しんでいる間、ぴょこらはすうからの紹介状を読み込んでいた。

「…なるほど。ぴょこらが引きこもっていた間にそんなことに」

 しばらくしてぴょこらは顔を上げ、二人の顔を見比べた。ぴょこらはいつになく真剣な表情をしていた。

「じゃあ、すうちゃん風に言うと診断をするね」

 そう言ってぴょこらは蝋燭の刺さった燭台を持ってきた。それを三人の中央にあった机の上に置く。次にぴょこらはジッポーライターを取り出して、手慣れた手つきで蝋燭に火を点け、その他の照明を全て消した。それからぴょこらは二人の正面、机の向かい側に座り、赤い手袋をした両手を胸の前で組んだ。

「それじゃ、二人ともこの火を見て」

 ぴょこらのその言葉の通り、二人は顔を見合わせた後、じっと蝋燭の火を見つめた。二人がしばらくその火を見つめていると、ぴょこらはまずですの目を見た。

「絶望ちゃん、この三日間で観た夢を思い付いた分だけ話してみて」

 飛出ぴょこらは、シスターとしてこの礼拝堂を管理する傍ら、こうした超自然的な問題の対応を行なっていた。

「最初の日に見たのは」

 

「私は何処かの団地の棟の間にいて、何かに追いかけられているの。空は濁っていて、雨が降り出しそうなヤな天気。私は倉庫と建物の隙間の空間に隠れてやり過ごそうとする。地面には雑草がそこら中に生えていて、あんまり管理されてなさそう。その場所にしゃがみ込んでいると、気付けば足元には虫がたくさん集まって動いているの。ムカデとかウジ虫とか、気持ち悪いやつ。虫は土の中からどんどん湧いてくる。外に出るときっと見つかるし、そのままここにいると気持ち悪い虫に飲み込まれる。私はしばらくそこで動けずにいるんだけど、耐えきれなくなって外に出るんだ。そこで追いかけてきていたやつと目が合って、その瞬間に目が覚めたって感じ」

「その目、どんなだったか覚えてる?」

「...ちょっと怖いかも」

「お願い」

「...わかった。......確か、一度も瞬きをしていなかった。背筋が凍りつくほど冷たくて、何を考えているか分からないような目だった。そして、あれは......」

「続けて」

「縦長の、瞳孔」

 

「わかった」

 ですの他の夢の話やあいすの夢の話を一通り聞いてから、ぴょこらはそう言った。

「でも」

「「でも?」」

 そう声を合わせて二人はぴょこらに注目する。

「これ、その、言いにくいんだけど、このままだと二人とも死んじゃうかも」

「死ぬって、は?え?いや、待ってやっぱりこれってあの心スポの祟りなの?解決できんの?」

 ですはぴょこらに詰め寄る。

「あーあー、うん。多分できると思う」

 ですやあいすの話ではここ最近の二人の夢の中には確かに様々な虫が出てきたが、その他にも必ず登場するものがあった。それは二人を監視するように見つめる二つの瞳だった。一度も瞬きをしない、縦長の瞳孔を持つ目。二人の夢の中に現れるその瞳の主はおそらく同じだと思われた。

「まず、これは祟りじゃなくて呪いだね。何に呪われているのかまではわからないけど」

「呪い?」

 あいすが思わず声を出す。

「しかも割と殺意が高いねこれ。ぴょこらやキタジマくんとの相性も悪い」

 蝋燭の火が少し激しく揺れる。窓は開いていないはずだ。ガタリ、と机が揺れる。誰も机には触れていない。

「ちょ、ちょっと何これ!?」

「大丈夫」

 ぴょこらは言い終わると同時に机の中心に手を伸ばした。その中心に軽く触れると、その箇所は机の他の部分から円状に独立しており、瞬時に机の表面と裏面がひっくり返った。回転して表に現れた面には手鏡サイズの鏡が貼り付けられていた。それからぴょこらは背後の書棚の方へ歩いて行き、そこから古めかしいカメラを手に取った。二人はただぴょこらのその行動を見守るほかなかった。鏡面に蝋燭の火が揺らめく。ぴょこらはおもむろに鏡面の方にカメラを構え、シャッターを立て続けに何度か押した。フラッシュが焚かれる間、二人には綱のような何かが動くのが見えた気がした。

「はい」

 そう言うと同時にぴょこらは柄杓型の火消しで躊躇いなく蝋燭の火を消した。部屋は突如真っ暗になる。

「いや、ちょっ、やめっ」

「え!なに!?」

 ですやあいすが恐怖にパニックを起こしかけていると、ぴょこらがいつの間にかその手に持っていたリモコンでLED照明を点けた。部屋が明るくなる。先ほど見えた何かも含め、部屋には変わったところは何も無い。ですとあいすは少し固まった後、居心地悪そうに椅子を整え座り直した。続いて、ぴょこらはたった今撮影したポラロイド写真を数枚机に並べた。いつの間にか机の振動はなくなっていた。

「おそらくこれが呪いの見た目」

 その写真の中には当然机に取り付けられた鏡が写されていた。それをよく観察すると、その鏡には見切れているが何か細長い物の影のようなものが映っている。綱のようにも見えるが、さらに細かいところを観察すると、それには鱗のような模様があることが分かった。それはまるで、

「蛇?」

 あいすの口から声が漏れた。

「そう見えるね」

「蛇の呪いってこと?」

 ですがぴょこらに問いかける。ぴょこらは机の鏡を再度反転させ元に戻した。

「うーんやっぱそうだよねぇ。困ったな…」

 ぴょこらのその言葉に二人は不安を募らせた。

「その呪い?は解けるんだよね?」

「絶望ちゃん」

 ですが言い終わる前に、ぴょこらはそう呼びかけた。

「その心霊スポットには、虫に纏わる逸話や噂があったの?」

「...そういえばあの心霊スポットって虫とは特に関係無かったような」

「私も帰ってきた後軽く調べてみたけど、虫に関する噂は特に無かったよ」

 ですとあいすがぴょこらの質問に答える。

「その心霊スポットについて、改めて聞かせてもらえないかな?」

 二人は例の横穴について、実際に行った際の感覚や中の様子、そして後日調べたあの場所に関する逸話をぴょこらに話した。

「うん、なるほど」

 二人の説明を一通り聞いてから、ぴょこらはそう言った。

「悪いけど二人にはもう一度そこに行ってもらっていいかな?」

 

 数時間後、ですとあいす、そして運転手として呼び出されたセバスAとBは再び例の心霊スポットに来ていた。あれから準備して車を走らせ、現在は既に夕暮れと言える時間帯だった。三日前に訪れたばかりなので、目的地である横穴への経路は全員記憶していた。四人は闇が忍び寄る山道を歩く。

 セバスチャンの二人はロケの疲れはあるものの、特に悪夢や明らかな体調不良などの症状は無かった。どういうわけか呪われているのはですとあいすの二人だけらしかった。ぴょこらによると、その二人に掛けられた呪いを解く為に、もう一度あの横穴に入る必要があるとのことだった。

「今回ぴょこらは直接行けないから、二人とも気をつけてね。私は電話でサポートするから」

 出発前にそう話していたぴょこらは、今も礼拝堂の中で祈りの体勢をとっており、あいすの携帯電話とスピーカーモードで通話を繋いでいた。

「今回二人に持たせたのは、二人に貰った髪の毛を護符と一緒に紙で包んだ『御供え』。これを穴の中の祭壇、その三宝に奉納してね」

 ぴょこらは電話越しに説明する。

「それでこの呪いは解けるん?」

 ですは再度確認する。

「うん。それでこちら側の作業は完了。後は反応を待てばいいだけだよ」

「意外と簡単だな」

「場所がちょうどよかったから」

 ぴょこらの答えにですは「ふーん」と納得した。

 

「あいす先生さ」

「どしたの?ですち」

 横穴へ向かう途中、ですが不意にあいすに話しかけた。

「ぶっちゃけこの状況どう思う?なんかいつの間にかまた来ちゃってるけど」

「わからん!でも、私はぴょこらのこと信用しているから」

「同期の絆ってやつですか?」

 ぴょこらもまたあいすと同じ年にアンダーグラウンドにやってきた人間の一人だった。

「ぴょこらだからだよ」

「ふーん。なら、私も信じてみるか」

「私はですちのことも信じてるよ」

「私も?」

「もちろん!それに、また撮れ高があるかもだし!呪いをカメラで捉えられるかも!」

「......先生ってすげーですね」

「え?そっかなーうへへ」

 

 しばらく山道を進み、一行は無事に例の横穴にたどり着いた。穴にはやはり独特のプレッシャーがあり、静かな森の中に忽然と空いた大口のように、そこに存在していた。そして、その奥は夕暮れの僅かな斜陽を全て飲み込む深い暗闇がひしめく。

 ぴょこらの助言で穴の中にはですとあいすの二人だけで入ることになった。念の為、二人はハンディカメラを持ち、お互い撮影しながら中に入ることにした。これが制作中の動画の素材になれば尚良い。セバスチャンの二人は穴のすぐ外で待機し、何かあればすぐに駆け付けることとなった。

 

 ですとあいすの二人が準備を終え、いよいよ再び穴の中へ二人は入っていった。穴に一歩入ると、肌寒いほどに温度が明らかに変化する。懐中電灯の光だけが唯一暗闇をかき分け、視界を与えてくれる。足元を照らすと、そこにはやはり黒い羽根が散乱していた。奥の祭壇は先日と変わりなく、鏡や三宝、御札もそのままの状態だった。鏡が懐中電灯の光を照り返す。

「じゃあ、話した通り、渡した物を御供えしてみて」

「よし」

 ぴょこらに言われた通り、二人は祭壇に並んだ三宝の上にそれぞれ『御供え』を置いた。

 ………。

「置いたけど」

「先生、絶望ちゃん。ごめんね」

 ですが言い終わる前にぴょこらはそう言って黙り込んだ。

「え?ぴょこらさん」「ぴょこら?」

 二人が声を発した瞬間、ですの耳にあの時撮影した映像の中で聞いたような足音が聞こえた。ですは反射的に音の聞こえた方向、背後へ振り返った。

「え?」

 まず鉤爪の付いた三叉指の足が見えた。その上、足の根元は闇よりも黒い羽毛に覆われていた。その先には同じ濃い黒の尾羽、胴、首がある。さらにその上を視線で辿っていくと、完全に見上げる形となる。その頭はですの上半身に相当するほどの大きさがあり、その先に鈍く輝く鋭い嘴(くちばし)があった。そうしてようやくですはその全貌を把握する。そこには、優に三メートルを超える巨体を屈めた巨大な烏がいた。

 日本に存在する一般的な烏は全長約五◯から五十六センチメートル程度と言われている。その普通の烏とは比べ物にならない巨体を穴の中に収め、その目はじっとあいすを捉えていた。その漆黒の体躯は穴の暗闇の中にあって、ですの目には何故かはっきりと視えた。頭から嘴まで続く曲線は、その光沢を備えたその色も相まって美しさすら感じる。身体全体がその真っ黒な羽根に覆われ、頭からその硬い岩で出来た地面を踏み鳴らす足まで、黒一色で埋め尽くされている。

「?どしたのですち」

 あいすはその存在に気づいていないのかいつもの調子でですに声を掛けた。烏は明らかにあいすの視界にも入っている。そう観察している間にも烏は動き出し、あいすの真上に頭を動かし、口をゆっくりと開いた。

「ちょ!まさか」

 あいすにはどうやらその烏は見えていないらしい。ですはそのことに気づき、あいすに手を伸ばす。

「ヤバい!!先生!!!!!」

「え?」

 ですが言い終わる間もなく、あいすはその漆黒の嘴に頭から齧りつかれていた。幸いその嘴はあいすの体を擦り抜けたが、あいすは気を失ったようで、そのまま地面に仰向けで倒れた。続いて素早く烏はあいすの腹に向けて幾度か嘴を突き立てた。その姿は地面の下に潜む虫を土を掘り返しながら探し当て啄んでいるようだ。あいすは完全に意識を失っているようで、烏の行動に全く反応を示さない。

 一通りあいすの腹を啄み終えたらしい烏は、次の獲物に狙いを定めた。言うまでもなく、ですである。あいすが襲われているところを直視し、恐怖で金縛りのような状態となってしまったですには残念ながらそれから逃げる術は無かった。嫌にゆっくりと、その烏はですの目の前に近付いてきた。宝石のように妖しい光を放つ両眼が獲物を捉える。そして、それはその大きな口を開けた。

「ぎゃああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

 恥も外聞も捨てた叫び声を上げながら、ですはその嘴に頭から齧り付かれ、その瞬間に意識を失った。

 

つづく

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