とある家族の異世界冒険記 コラボ編   作:堕落天使

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どうも、堕落天使です。

というわけでコラボ編3最終回。

まあ暴れます。暴れまくります。唐突にボケます。敵も強いです。

ではどうぞ。


コラボ編3 第3話「英雄VS復讐者-闇に染まった光は全てを滅ぼす-」

「応戦しろ!弾幕絶やすなよ!」

 

「まさかここを狙ってくるとはな...!」

 

 

奴らリベンジャーはここ、科学アカデミアに狙いを定めて来た。

 

確かにここは彼女らをサポートしている重要施設。それを気づかれていなくても対怪人用兵器の製造施設、狙わない理由がない。

 

 

僕が戦う手もあるけど下手したらここの正体がバレる事になる。

 

それはリュウジさんや他の人達も同じ。どうすれば...!

 

 

「ここぶっ壊されると困るんだよねぇ」

 

 

だがその時、紫電を撒き散らす5つの閃光が走った。その閃光は直撃した怪人達を纏めて消し飛ばし、直撃しなくてもその紫電に触れた者は吹き飛んで行く。

 

 

「君は!?」

 

「私のメダルとスパークドールズ取り返す為に守る手間が出来るからね。

というわけで高山我夢さん、さっさと返して下さい」

 

 

そのビームの発射先には1人の少女がいた。

 

彼女は...例の異世界にオーズ!?

 

 

 

光の巨人の力を手に入れた欲望の女王。

 

そして勇気と海賊を手にした魔法使い。

 

彼女達が舞い降りる舞台は光と闇の総力を結集した混沌とした戦いの世界。

 

彼女達は異世界で戦っている知り合いを見て何を思うか...。

 

 

とある家族の異世界冒険記:コラボ編3

 

とある英雄の伝説大戦編

 

第3話「英雄VS復讐者-闇に染まった光は全てを滅ぼす-」

 

 

 

つーわけで返しに来てもらったのにこのザマ。

 

いや、悪いってわけじゃないけどさ。ちょーっとタイミングが悪過ぎやしないかなって思ったり。

 

 

にしても能力が効きにくいのはマジらしい。

 

こっちが撃ったのはビームマグナムよ?普通の雑魚程度かするだけであっという間に消し飛ぶのに。

 

所詮能力で作ったビームマグナムだしなぁ...。本物があれば話は違うのだろうけど。

 

 

そうこう考えていると相手のリーダー格であろうカマキリ型ファンガイアのマンティスファンガイアがこっちに威嚇してくる。

 

 

「邪魔をするなオーズ!」

 

「お前らごとき変身するのが勿体無い」

 

 

私は突撃してくる雑魚どもに対してオーズの重量系コンボに使われる白いコアメダル3種、サイ、ゴリラ、ゾウの力を発揮。

 

その力は重力制御。そして私は生身でもその力を使えるいわば人間の理性を持ったグリード。その力で奴らの頭にかかる重力をまずは10倍にしてみる。

 

 

「ぬがぁ!?う、動けん!」

 

 

う〜ん、愉悦!頭が地面にめり込んでこっちに土下座してやがる。

 

まあいつまでもそれで後は任せるのも手だけど面倒なんで...こうだ!

 

 

私は奴らの体と頭の重力を0にして代わりに首に50G位の重力をかける。結果は見た方が単純。

 

体と頭が浮かぶが首だけさらに地面にのめり込む。そして嫌な音がなって奴らの首が折れた。そして皆仲良く大爆発。

 

流石にアンデッドやグリードじゃない限り首折られたら怪人でも死ぬよねぇ。

 

 

なお、ここにドーパントやゾディアーツがいないからやれる。実際死ぬのは知ったこっちゃないけど流石に人をコキッとやると化けて出そうだし。

 

 

「という事で返して下さい」

 

「構わないがその前に一つ聞かせろ」

 

「藤宮!?」

 

 

あれま。ウルトラマンアグルの変身者、藤宮博也か。いきなり割って入ったな、おい...。

 

 

「お前は何故戦う。何がここまでの容赦の無さを作った」

 

「うん?ただ絶望し続けただけ。守りたい者を守り切れず絶望して、その度に私は家族に助けられて来た。それに...命を奪い過ぎた」

 

 

ぶっちゃければ力的には私は強いけど私は弱い。

 

 

私は元々妹達の10932号で唯一の成功例。だが私には感情があった。私を実験道具に使う奴、天井が気に食わない故に能力が使えないフリをした。

 

あの馬鹿はまんまと騙されて私は失敗作の烙印を押されて研究員達の慰め物になった。一方的な暴力や性的な事も何度も何度も数えるのが馬鹿らしいくらいだ。

 

そんなある日、いつもみたいに暴力を受けていたがその真っ只中、警報が鳴り響いた。配置されていた兵士が向かったがその侵入者、私の世界の学園都市Level5第3位神崎終夜の前には無力だった。

 

彼は私を助けてくれた。そして家に帰った私と終夜を皆が出迎えてくれた。あの時に早苗さんから渡されたポタージュの味と暖かさは今でも鮮明に覚えている。

 

 

その後も私は色々なトラウマで能力を、オーズの力を暴走させて数多もの命を奪った。さらに戦争でも私は命を奪った。死にたくないと懇願した敵でさえもだ。

 

 

はっきり言って私にはアニメの様な正義の味方に...ヒーローになる資格はない。

 

 

「だから私は...私達は守りたい者を守る為に遠慮する事が無かった。それにこれくらいしないと私達の世界は守れなかった。それでいい?」

 

「...分かった。悪かったな、昔の嫌な事まで思い出させて」

 

 

あれま、まさかの藤宮さんに謝られた。何かめっちゃレアな気がする。

 

 

「ううん。いい原点回帰になった」

 

 

そして私はゼロのスパークドールズとコアメダルを受け取ってチーターとバッタの力を足に宿して全速力で走った。

 

 

お節介でもう結論を出して戦っているであろうお姉ちゃん達を助ける為に。奴とのケリをつける為に。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

美鳥さんが科学アカデミアに行っているであろう頃、私はマシンウィンガーに乗って立ち塞がる敵を粉砕しつつ他の敵よりも強い力を感じる場所に向かっていた。

 

私は13歳ですけど細かい事は抜きで。気にしたら負けです。堂々とすればバレないものなんです。免許のありますし。

 

 

《おい、それは色々と駄目だろ。てか免許は俺達の世界...》

 

「うっさいですよ、ドラゴン。じゃあ今日は出番無しで...」

 

《すみませんでした。マジ勘弁して下さい》

 

 

ドラゴンの反論はこうすれば封じ込められます。

 

前はウィザードだけでしたが今はキョウリュウジャーとゴーカイジャーにもなれますからこの手結構使えるんです。

 

 

そんなこんなで私達はフォーゼ達のいるところに到着。見るとフォーゼ、W、シンケンブルー、メガブラック、ピンクターボ、オーイエロー、ファイブピンク、そして何故か白いキバが奮闘していました。その周りには色々な雑魚達...計300はいますかね?流石悪の組織、物量戦略とは...。

 

ブレーキを掛けずそのままウィーリーで乱入、スピンターンでひっちゃかめっちゃかに掻き回して少し離れた場所で停止する。

 

 

「何者だ!」

 

 

代表してこっちに問いかけてくるのはエナジードーパント。Wの最終回の奴ですか...。

 

取り敢えず答えるが世の情け。仮に覚えたところで消し飛ばせばオールOKですし。

 

 

「海賊です!」

 

「海賊...?ま、まさか!」

 

 

やっぱり気づきますか...。まあ元々こっち使う気でしたから問題ないでしょう。

 

 

《え!?あれ嘘なの!?》

 

「ごめんなさい。貴方は切り札という事で」

 

「お前...!?」

 

 

ドラゴンに言い訳しつつ私はマーベラスさんから貰った黒いナポレオン風のロングコートジャケットのポケットからモバイレーツを左手で取り出して反対の右手に私をウィザードではない別のヒーローに導く鍵、レンジャーキーを召喚する。

 

言い訳した理由?気が変わったなんて死んでも言えませんよ...。

 

 

「ちょっと!それって!?」

 

「というわけでやりますか。

ゴーカイチェンジ!」

 

《ゴォォォォォォォカイジャー!!》

 

 

吹寄さんに驚かれるけど当然ガン無視。取り出したレンジャーキーをモバイレーツの鍵穴に差し込む。

 

それにより変身システムが起動、モバイレーツの上半分がX状に展開して黒いX状の光が放たれて重なって黒がベースベースカラーで金色のラインが入っていているスーツを着用。

 

さらにマントを装着、そしてヘルメットも装備する。これで変身完了です。

 

 

「ゴーカイブラック!さぁ、ショータイムです!!」

 

 

きっちりマントをはためかせて名乗りを上げる。マントをちゃんとはためかせてないとどうも違和感があるんですよね、魔法使い的に。

 

 

《...もういいや...》

 

 

...あー......何かすごくすみませんな気持ちに...。

 

でも謝るのは後回し。私はそう考えつつ脳内のリミッターを解除。

 

そして私の視界は灰色に染まった。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

少女が変身したゴーカイブラックは気づいたらエナジードーパントの懐に入り込んでいた。慌ててエナジードーパントは殴りかかるが次の瞬間エナジードーパントはコケた。

 

ゴーカイブラックはコケたエナジードーパントの顔面に向けて右足を真上に豪快に振り抜く。エナジードーパントはそれを回避出来ず上空に吹き飛ぶ。

 

 

「何ですか今の!?」

 

「間違いない、あれは合気道じゃん...。でもあそこまでレベルの高いのは生では初めて見たじゃん...」

 

 

私の疑問に黄泉川先生が答えてくれた。

 

合気道って護身術の...。学校の授業でも少しやったけど極めればあそこまでいくのね...。

 

 

そしてゴーカイブラックはマントをはためかせながら流れる様に切り裂いていく。そのマントにも攻撃力があるのか、マントに触れた相手も同じく切り裂かれていく。

 

爆発の雨の中、その光景は確かにショーみたいに見える。流れが自然過ぎて当たり前の様に見えてもしまう。

 

でも少女の呟きが耳に入る事でそんな感傷は何処かに消えた。

 

 

「12、11、10、9...」

 

「何を数えているのでしょうか...?」

 

 

敵を切り裂きながら何かを数えていた。敵の数?いや、それならもっと先に言っていてもおかしくない。一体何を...。

 

その答えはすぐに示された。

 

 

「陸奥圓明流...」

 

 

ゴーカイブラックは剣を上空に放り投げてから地面を踏み砕いてその拳を突き出した。

 

 

「虎砲!」

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」

 

 

その拳は上空に打ち上げられて落下して来たエナジードーパントに寸分の狂いもなく直撃。爆散してその爆発から一人の制服を着た生徒が破壊されたメモリと共に吹き飛ばされた。その生徒はビルに頭を激しくぶつけて血を流しながらそのまま倒れた。

 

その姿を見て小萌先生が急いで駆け寄った。

 

 

「まさか今のカウントダウンって...」

 

「エナジードーパントの落下してくる時間?」

 

 

私の疑問に姫神さんが疑問系だけど答えをくれた。

 

 

そこまで計算して動くなんて並じゃない。どれだけの修羅場をくぐって来たのか想像出来なかった。

 

リーダーが倒されて焦ったのか、残った敵が向かっていったがゴーカイブラックは冷静に落ちてきた剣を持って空高く跳躍する。

 

 

「飛天御剣流...」

 

 

そんな動作を奴らは気にせずに着地点めがけて突撃。

 

そして空中で一回転して降りて来て

 

 

「飛天無限斬!」

 

 

ゴーカイブラックの剣が地面を叩き割った。そして無数のコンクリートの破片が周囲に撒き散らされてそれに撃ち抜かれたゴーミン達は次々と爆散していく。

 

爆炎がビルの谷間から吹いた風で薙ぎ払われてマントを傍目かせてゴーカイブラックの姿。

 

 

その鬼の様な強さに一応味方の筈なのに何故か恐怖を覚えてしまった。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

私はビルの屋上から屋上へとバッタメダルの力を発揮しながら跳躍、チーターメダルで加速はつけているからそこらのジェットコースターよりもずっと早い。

 

時折遊び半分で縦回転しながら進むとすぐに彼女らがいる第7学区のカエル医者の病院が見えた。

 

 

私は既に装着したドライバーに白い3枚のコアメダル、ユニコーン、ドラゴン、グリフォンを装填してオースキャナーで即スキャンする。

 

 

《ユニコーン!ドラゴン!グリフォン!ユ・ニ・ドラフォン・セイヴァー!》

 

 

そして私は最も自身に相性のいいオーズに変身する。見た目は...細かく解説!だって私にとって相性がよくてお気に入りのコンボだから!

 

 

まず頭部のユニコーンヘッドは複眼の色は黄色、額のオークウォーツは赤色の六角型でユニコーンホーンを装備。

 

胸のオーラングサークルはプトティラと同じく、コアメダルの縁と同形状に立体化した銀の縁が追加されている。

 

前にも使ったドラゴンアームには背中に新たに1対の翼、ドラゴンウイングが現れて飛翔能力を獲得。

 

最後に足のグリフォンレッグは爪先に3本、踵に1本装備している強靭な爪、グリフォンクロー。まあコンドルレッグに近いかな?

 

 

これがユニドラフォンコンボ。ついでに欲望解放状態、つまりSICみたいになっているとでも思ってくれればいい。

 

 

「そいやぁぁぁぁ!!」

 

 

取り敢えず勢いをつけて手近な雑魚、スティングフィッシュオルフェノクに踵落とし。

 

それは寸前まで気配を極限まで消していたため、私に気づかなかったスティングフィッシュオルフェノクの頭に直撃、そのまま体ごと地面にめり込んで爆散させる。

 

 

「美鳥!?」

 

「何でここに!?」

 

 

悠然と降り立った私にお姉ちゃんと佐天さんが戦いながら質問してくる。

 

ん...この気配...。

 

 

「そりゃぁ...奴を引き摺り出すためでしょうが!」

 

 

私は右後ろと左後ろから襲いかかった銃弾を右手のドラゴンガンブレードで切り払う。

 

そして最初の方向から考えて左から斬りかかって来た無礼者の赤く輝く剣、ファイズエッジを左手のドラゴンガンブレードで受け止める。

 

 

「超下がって下さい!ゲキワザ!瞬瞬弾!」

 

 

ファイズエッジを振って来た不届き者、仮面ライダーファイズがその声に後退。

 

そして私に黄色いチーター、ゲキチーターが高速で突進してくるが私はそれをドラゴンガンブレード2丁で受け流して雑魚の撃破に使用する。

 

 

向き直るとゲキワザを使用した奴、ゲキイエローはファイズの隣に並び立ちこっちにイチガンバスターを向けているイエローバスターと共に私の右斜め前に布陣。銃を撃った奴、仮面ライダーディエンドは仮面ライダーイクサと仮面ライダーサイガを召喚して私の左斜め前に布陣していた。

 

 

「ちょ...あんた達何やってんのよ!?」

 

「黙ってろ。てめぇ...何もんだ!」

 

 

お姉ちゃんの制止の声を無視してファイズ...恐らく第4位の麦野沈理が問いただして来た。

 

答えは...これしかないよなぁ!

 

 

「オーズもんだ!」

 

 

私の答えに周りの敵味方が全員仲良くズッコケた。

 

あっれー?何か変な事言ったかなぁ...。何もんだと来たらあれもんだでしょ?

 

 

「...兎も角、貴方から超ヤバイ感じがビンビンするんですよ...」

 

「だから是非聞きたいわねぇ。貴方、何なの?」

 

 

...ふーん、流石裏に精通している奴は一言違う。まあいっか。どうせこの世界に長く居座る気ないし。

 

というかこいつらズッコケたのをなかった事にしてるぞ、おい...。

 

 

「人間やめた。それだけ」

 

「人間を...やめた?」

 

 

私の返答にお姉ちゃんがさらなる疑問を投げかける。

 

ウルトラマンの時点で人間やめている?これはその前の話だからいいの、気にしたら負け。

 

 

「オーズの力の源、コアメダルは欲望を燃料に無限に力を発揮する性質を持つ。そしてセルメダルは欲望の増幅装置。そして私は非常に高いレベルで欲望を解放、制御出来る。つまり...」

 

「つまり貴方はグリードと同類...ってわけ?」

 

 

私の解説に口を出したのはお姉ちゃんじゃなくてしいたけ。

 

 

このしいたけ、グリードを知っているのか。どうせ佐天さんとかその辺りの記憶覗いたな?

 

 

「そーゆうこと。ついでに私は理性的だし人工的に作られた強化人間である事や、色んな所を冒険して鍛錬し続けて己を鍛え上げたというのも要因の一つだけどね」

 

 

人間やめたヒーローな例としてはヒビキさん達が変身する音撃戦士がある。つまり仮面ライダー響鬼系列。

 

彼らは己の心身を修行で鍛え上げて超常的な力を得た存在。学園都市の脳を弄って超能力者となるのとは根本的に違う。

 

 

でもって彼らは果たして普通の人から見て人間って呼べる?

 

残念だけど答えはNo。例え心が人間だとしても何も知らない周囲の一般人は絶対に認めないだろうね。実際私達もそんな状況に陥ったし...。

 

異端を恐れ、排除する。これが魔女狩りにも通じるわけ。

 

 

そして...ん?

 

 

「オーズゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

 

「イタミガイスト!?」

 

 

その時私の後ろからイタミガイストがスーパーアポロフルーレを振りかざして来た。その光景に思わず声を出してしまった。

 

何故かめっちゃ怒ってる。激おこぷんぷん丸状態だよ。いや、激おこイタミン丸か?

 

 

兎に角スーパーアポロフルーレをギリギリで回避して腕を抑える。

 

でも奴は執念ともいえる頭突きで私を強引に引き剥がす。

 

頭の奴割れなくてよかったね〜。それすら気にかけないほど激おことは。

 

 

「私は貴様に迷惑をかけなければ気が済まn」

 

「煩い!」

 

 

...ムカついた。何と無く。

 

だから喋る事を許さない為にスーパーアポロフルーレをフェンシングの様に突いてきたイタミガイストの懐に奴の右腕の外側から潜り込んで右手を握りしめてアッパー。

 

私にとってはこいつが喋る事こそ迷惑。せめてアポロガイストならねぇ...。

 

こいつ?こいつはイタミガイスト、断じてアポロガイストではない!

 

 

「黙れ!」

 

 

そしてアッパーから勢いで回転して右足での回し蹴り+左手に持ったドラゴンガンブレードで回し斬り。

 

 

「雑魚!」

 

 

そのまま回し蹴りに使った右足をイタミガイストの首に回して絡めてから首を締める。

 

 

「私が用がないのに出しゃばるな!」

 

 

そして思いっきり反対側に足を回転させて頭から地面に叩きつける。

 

だが奴はそこから頭を引き抜いて少し下がる事で体勢を立て直してスーパーアポロフルーレを私の首にめがけて突いてくる。

 

 

「は〜じ〜を〜」

 

《スキャニングチャージ!》

 

 

だが私はそれを仰向けに倒れ込むようにして回避、片手で逆立ちになる。

 

同時に右足にスキャニングチャージにより凝縮されたコアメダルのエネルギーが集中して虹色に輝く。

 

 

「知れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

そこから体のバネを活かして下から真っ直ぐ突き上げるように虹色に輝く右足でイタミガイストの顎を蹴り飛ばす。

 

まあユニドラフォンのスキャニング技、ファンタズムストライクの派生技になる。といっても蹴り方の違いだけど。

 

 

ジェネシックガオガイガーのヘル&ヘブンの様な感じでイタミガイストはぶっ飛んだ。

 

因みに最後は陸奥圓明流の孤月です。理恵からある程度は習ったからそれ位はうちの面子なら全員使える。

 

 

「私はまだ迷惑をかけていないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

 

イタミガイストは吹き飛ばされて見事に空のお星様になった。昼だから見えないけど。

 

作者からギャクキャラ認定されただけある。出しゃばらなければやられなかったのに...!まあ私の世界の話だけど。

 

何かとどっかの馬鹿どもが復活させては迷惑をかけたがり、あっさりあの世行きする迷惑者、それが私の世界のイタミガイストだ!

 

 

「さ、流石真のオーズと自称するだけの事はありますわね...」

 

「あんなのこっちのペースに引きずりこめば楽勝だって。

怒り心頭で雪辱を果たすと言わんばかりに何の考えもなしに振るう剣なんて怖くない怖くない」

 

 

実際、怖くもなんともないのは事実。

 

慣れているっていうのもあるけど、あんなの財団Xの連中の本拠地に殴り込んでボスラッシュよりずっとマシだって。伊達に最終決戦級のチートとの戦いを何度も切り抜けて来たわけじゃないのよ!

 

 

「それに戦いはノリだよ。いかにして自分のペースに引き込むか、それさえ上手くいけば多少格上でも押し切れるし、どんなに力が強くても何もさせなければただの雑魚だって」

 

「それはあんただけよ...」

 

 

失礼な。私が化け物見たいじゃん。

 

 

でも他にも理由はある。

 

あいつ、多分私みたいな戦い方をする奴と戦ったことがない。だからペースを乱されてそれを戻せなくなりヤケになってあんな暴挙に出た。相性の差である。

 

 

私に言わせれば所詮その程度だけど正攻法で戦うお姉ちゃん達には確かに辛い相手だ。ここでしっかり仕留めておけばよかったかなぁ...。

 

 

「んじゃ他のとこ行こっか。敵はここだけじゃないしね」

 

「じゃあ失礼するわぁ」

 

《Attack Ride Invisible》

 

 

あ、しいたけ逃げた。気づいたらアイテムの連中もいないし!

 

ちくせう。しいたけバリアが使えないのは残念だけどしょうがない。

 

 

手持ちの戦力でやるしかないか。まあ負けやしないでしょ。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「ず、随分と容赦ないんやなぁ...」

 

「そりゃ、敵ですから。手加減してますよ?これでも」

 

 

ドン引き気味なメガブラック、青髪の言葉に当たり前の様に返す理恵。

 

理恵が手加減しているのは事実。何故ならこいつは必殺技使っていない。使ったのはあくまで技、それも最後のを除いて奥義ではない。まあハンデにすらならなかったがな。

 

 

「あなた...何者?」

 

「そうですねぇ...。通りすがりの魔法使いとでも言っておきましょうか」

 

 

お前はディケイドか。もやしじゃないだろうが。

 

 

「でもやり過ぎた、とは思わないか?」

 

「貴方達には悪いですけど敵は確実に殺すんですよ、私」

 

「殺すって...!」

 

 

理恵はピンクターボ、吹寄の言葉に溜息をついて答える。

 

 

「貴方達もやってる事は同じですよ?

一方的な虐殺は無理だとしても敵を殺しているじゃないですか」

 

『ッ!?』

 

 

理恵の考えに彼らは息を呑む。

 

理恵の考えとしては怪人は倒すじゃない、殺すんだよ。

 

爆発したら元の姿に戻る御都合主義的なドーパントやゾディアーツは別として、どんな存在にしろ彼らは生きている。

 

 

普段は殺さない戦い方をするこいつにとっては非常に大きい。それは殺すしかない方向に追い込まれる事を意味するからな。

 

 

「あんたは正義の味方じゃないのか?」

 

「私は失い過ぎ、そして奪い過ぎた愚かな存在です。

自分の世界を失い、そして守る為と言いながらとある世界を滅ぼした。そんな奴に正義を名乗る資格はありませんよ」

 

 

フォーゼの上条の疑問にそもそも正義なんか何処にでも溢れている各々の思っている正しい事なんですけどね、と付け加えて理恵は答えた。

 

 

「じゃあ貴方は何の為に戦うのですか?」

 

 

ファイブピンク、声からして小萌先生が理恵に問いかけてくる。

 

予想通りなのか、理恵はその問いに即答した。いや、もうしっかり分かっているからか。

 

 

「あなたは少なくとも正義の為に戦っているわけではないですよね?だったら一体何なのですか?」

 

「決まってます。自由を守る為に戦います。その結果どれだけの業を背負おう事になっても覚悟の上です」

 

 

これは仮面ライダー全員に当てはまると言っていい。

 

仮面ライダーは同族殺し。それを理解している人はいないわけではないけどやっぱり上条達は理解してないか。

 

ついでにこの考え、仮面ライダーを作った人達の考えでもあるからな?だから仮面ライダーは敵に似た様な存在なんだよ。

 

ここは重要、テストに出ますよー。

 

 

その時、俺と理恵はおぞましい気配を感じた。場所は...あいつらの後ろ!?

 

 

「皆さん伏せて!」

 

 

理恵は呼びかけると同時にゴーカイサーベルに自身のレンジャーキーをセットしつつ同時にあいつらの上を跳び越えて

 

 

《ファァァァァァァイナルウェィィィィィィィィブ!!》

 

 

黒いエネルギーを纏った刃を一閃、斬撃を飛ばす。だがその斬撃は弾かれて俺達の横を通り過ぎ学園都市謹製のコンクリートをぶっ壊す。

 

そして斬撃を弾いたのか右手を左上に降ったままの状態で何故か赤いオーラを纏った金属生命体ドラスとその隣にはバスコがいた。ドラスとはまた懐かしいものを...。

 

 

「またですか」

 

「君相手じゃ俺が戦った方がよさそうだからね。それにゴーカイジャーだったとはねぇ。これも世界線の違いかな?」

 

 

理恵はバスコの言葉に軽く深呼吸して増援に駆けつけた奴らも交えて簡単な作戦を告げた。

 

 

「あいつは私がやります。その間に数の暴力でフルボッコして下さい」

 

「でも貴方だけじy」

 

 

佐天の反論を有無を言わせない威圧感を漂わせて強引に封じて理恵は構える。

 

 

「別世界のバスコと殴り合った事あるのでどうにかなると思います。この世界でも戦いましたし。

後...」

 

 

理恵は闘志を漲らせたバスコに目を向けて答えた。

 

 

「何か凄く私にご熱心なようなので...」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

つーわけでバスコは理恵に任せてこっちは総出でドラスをボコす事になった。だが流石というべきか半端なく手強い相手だった。

 

射線に上手い具合に仲間を入れてくるし、やたら範囲攻撃がお好きな様でたった今ディケイドとフォーゼ、ゴーカイイエローが吹っ飛ばされた。

 

 

「クソッ!アポロは使えない...ダイノバックラー!」

 

《Attack Ride S Rider Buckle》

 

《Kamen Ride Black RX》

 

 

起き上がったフォーゼはフォーゼドライバーがダイノバックラーに姿を変えてティラノレンジャーに変身、セロリなディケイドも昭和ライダーのマークが刻まれたバックルを召喚、入れ替えてRXに変身する。

 

バックルを入れ替えるとはまた面倒な。拡張システムみたいな物か?

 

つーかアポロってなんぞや。未知のアストロスイッチか?

 

 

んで二人はドラスに突撃、ティラノレンジャーは龍撃剣を、RXは光子剣リボルケインを振り翳す。

 

だがドラスは赤いオーラを纏い一気に二人の後ろを取り首を掴む。

 

だけどそこでシンケンブルーが本来レッドの武器である烈火大斬刀、そしてビルの上から飛び込んできた仮面ライダーアギトがライダーキックを食らわせて強引に引き離した。てかこの気配はあわきんことあわびか。

 

というか何気にあいつ除いて暗部メンバーじゃん。

 

 

「一人で突撃してどうするぜよ」

 

「何やってんのよ、情けない」

 

「チッ、お前まで来るとはなァ」

 

 

にしてもこう見るとオールスター的なあれだなぁ...。

 

やっぱり場違いだって、私達。何か居心地悪いし、さっきから変な干渉を受け始めてる。

 

世界が私達を追い出そうと必死なのかな?

 

 

「皆、これで行きましょう!」

 

「俺達も行くぞ!」

 

 

そんな事を考えているとお姉ちゃん、白黒、佐天、初春、春上、固法さんがモバイレーツと見たことがないレンジャーキーを取り出す。

 

そして上条、土御門、青髪、吹寄、小萌先生が理恵の...確かガブリボルバーをそれぞれの変身アイテムを変換して召喚、反対の手には獣電池。

 

 

『ゴーカイチェンジ!』

 

《トォォォォォキュウジャー!》

 

 

そしてまずはお姉ちゃん達が変身、線路を模したバイザーの付いた列車的なヘルメットで頭と左胸にはそれぞれ番号が割り振られていた。

 

お姉ちゃんが赤で1、白黒は青で2、佐天が黄色の3、初春が緑の4、春上がピンクの5、そして固法さんがオレンジの6。

 

 

『キョウリュウチェンジ!』

 

 

んであいつらも何処からか流れているサンバみたいな音楽と共に踊り出してガブリボルバーを上に撃って恐竜の幻影に食われて別の戦隊になった。

 

赤が上条、青が土御門、黒が吹寄、緑が青髪、ピンクが小萌先生。

 

 

『勝利のイマジネーション!烈車戦隊、トッキュウジャー!』

 

 

そして列車組改めてトッキュウジャーは子供のお遊びの様に腕を連結した感じにしてEXILEのChoo Choo TRAINの如く回転してポーズを取り、名乗った。

 

イマジネーション...想像力?いや、如何に厨二病なのが鍵を握るのか?

 

そう考えると納得してしまう。だって年齢丁度いいじゃん。

 

 

『史上最強のブレイヴ!獣電戦隊、キョウリュウジャー!』

 

 

んで恐竜組改めてキョウリュウジャーはトッキュウジャーに比べると地味というか個性に欠けた...比べるのがおかしいか。

 

兎も角ポーズを取って背後で大爆発。お決まりですな〜。

 

 

...あれ?

 

 

「...ゑ?」

 

 

それはそんな声が出てしまう程の衝撃だった。

 

え?私の知らない戦隊?まさかの?

 

 

......世界は広いなー...。

 

 

「何惚けてんのよ。行くわよ!出発進行!」

 

 

そんな事を考えているとお姉ちゃんに肩を叩かれた。

 

そしていかにも列車戦隊らしい言葉を合図に全員が突進。

 

 

...むっかーん。私に指図するとは...やってくれるな、おい!

 

 

「じゃあえげつないコンボ使わせてもらうか!」

 

《オニ!テング!キュウビ!オーニテンキューウ!》

 

 

私は3枚のメダル、オニメダル、テングメダル、キュウビメダルを取り出して装填、スキャンする。

 

二本の角と紫の複眼が目立つオニヘッド、クジャクアームの角を丸っこくして両肩に緑色の扇子、テングファンをぶら下げたテングアーム、今は収納されているが9本の尻尾が特徴的なキュウビレッグ。

 

カラーはゼロノスのゼロフォームの赤錆、銅が酸化することで生成される青緑色の緑青、鉄に出来る黒錆なカラー。こらそこ、ただの錆三連コンボじゃねーかなんて言わない。

 

 

これはこれで結構強いフォームだからいいの。

 

オニテンキュウコンボは基礎スペック低いけどそれをカバーするチート持ちなんだから。

 

 

私は皆が上手い具合に攻撃して離れた瞬間に一気に踏み込んで奴の懐に潜り込み、オニヘッドの角が分離して作られるオニクローを突き刺す。

 

同時にキュウビレッグの9本の尻尾を展開、先端から青い炎弾を放って関節に直撃させる。

 

 

奴はもがくけど動けない。

 

それもそう。キュウビレッグの尻尾から放たれる炎弾に触れたら空間に縛り付けられる要領で動けなくなるからね。関節に食らえばどうなるかは一目瞭然。

 

そしてオニクローには敵の生命力を吸い取る力がある。

 

 

というわけでオニクロー起動♪

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

オーズが突き刺したオニクローが脈を打ち始める。

 

するとドラスは苦しそうに悲鳴を上げ始めた。もがこうとしても動けずただ悲鳴を上げるだけ...って外道過ぎや!

 

 

「フハハハハァ!その命を残らず搾り取ってくれるわ!」

 

「げ、外道ですの...」

 

 

オーズはそんな光景を笑いながら凄まじい言葉を口にする。

 

その姿に周りはドン引き。勿論わいもや。

 

 

だがそんな外道戦法のお陰でドラスは立っているのも辛そうだった。同情するわぁ...。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

吸いつくしたと思われるので、取り敢えず蹴っ飛ばしてオニクローを引っこ抜く。

 

 

ふぅ、生命力吸ったら何かスッキリ。いい事だね!

 

乙女の美肌の秘訣は満ち溢れる生命力!なんつって。

 

 

「というかあんた、さっき人工的に作られた強化人間って...」

 

「そう、私はミサカ10932号。運命感じる数字でしょ〜」

 

 

お姉ちゃんが下がった私によってさりげなくさっきの発言について聞いてくる。

 

それはいつか来ると思ってた質問だったから答えは決めてある。

 

私はそれを思い出しながら小声で答えた。

 

 

でも10932号なんて運命すぎるよね。特撮にのめり込んでふとした時に気付いて自分でも恐怖したもん。周りは大爆笑だったけど。

 

まあ製造自体はかなり昔だったからセロリのレベル6計画の前に助けられたのは運が良かったとしか言いようが無い。

 

 

そう思い出しながらも炎弾の雨を飛ばしながら死ぬ寸前で苦しむ奴の動きは封じる。

 

死ぬ寸前でも決して私は手を抜きません。例えドン引きされようとも。

 

それで逆転されても困るからね〜。

 

 

にしても乱戦じゃこんな戦法は使えないし、炎弾のスピードもそれほどじゃないから敵が少なくて友軍が多い時こそ効果を発揮するんだよねぇ、このコンボ。

 

 

「さぁ、総攻撃の時間だ!や〜っておしまい!」

 

「...やっぱりあんたは私の妹じゃないわよ!」

 

 

失礼な。ただ環境の違いだけでしょうに。

 

遺伝子的にはクローンとはいえ妹なんだけど?まあ年はこっちが遥かに上だけど。

 

 

《スキャニングチャージ!》

 

《Joker Maximum Drive》

 

《Final Attack Ride DDDecade》

 

「ウェイク、アップ!」

 

「キングスマッシャー!」

 

『レンケツバズーカ!』

 

《ケントロスパイカァァァァァァ!》

 

《Sound System Standby 『熱風!疾風!サイバスター VerスパロボOG』》

 

 

つーわけで必殺技の準備とBGM。ついでに奴は動けない。

 

これで決まりだ!おとなしく死んでもらう!

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ここからは必殺技のオンパレードだ。

 

というわけで解説しよう。

 

 

「獣電ブレイブフィニッシュ!」

 

《スパパァァァァァン!》

 

 

まずキョウリュウレッドの上条は皆に押し上げられてケントロスパイカーを上空でキャッチして投げつける。

 

同時に一方通行のディケイドも10枚のカードを潜り抜けての必殺キックであるディメンジョンキック、インデックスと氷華のWサイクロンジョーカーのジョーカーエクストリーム、姫神の白いキバのダークネスムーンブレイクが同時にドラスに刺さっているケントロスパイカーを押し出して刺さった腹を貫通、ドラスの腹に大穴を開ける。

 

 

本来ならこれだけの攻撃を食らったなら吹き飛ぶのだが美鳥のオーズのオニテンキュウコンボの持つ拘束力がそれを許さない。

 

この容赦の無さこそが美鳥の武器と言えよう。これに関しては彼女の家族達にも言えることではあるが。

 

 

「シュート!」

 

 

キングスマッシャーから黄色のビームが放たれる。

 

その弾丸は必殺キックのエネルギーの余波で出来た傷口を正確に撃ち抜く。

 

 

「レインボーラッシュ!オールヒーロークラッシュ!!」

 

《出発、進行!》

 

 

最後に御坂が引き金を引いて撃ち出されたエナジーレッシャーは一旦エネルギーになってから全ての戦隊や仮面ライダーの姿になる。

 

そのヒーロー達は次々とドラスを滅多打ちにする。

 

最早イジメであるが気にしたら負けである。

 

 

そしてそれでもなお吹き飛べないドラスが朦朧とした意識で見たのは紫色の炎に包まれた美鳥のオーズの姿だった。

 

 

「これぞ本家まるパクリ!かっこ変形なんてしないかっこ閉じ!アァァカシックバスタァァァァァ!!」

 

 

説明しよう。これはオーズオニテンキュウコンボのスキャニングチャージ技である。

 

紫色の炎を纏って突進するのだが、その姿は不死鳥ではなく北欧神話に登場する鷲の姿をした巨人、フレースヴェルグとはいえアカシックバスターに似ているのだ。

 

 

それ故に技名はデモリックバスター。

 

美鳥はその場のノリでアカシックバスターと呼称したが正しくはデモリックバスターである事に留意して欲しい。

 

勿論見た目だけが丸パクリなのでアカシックレコードに干渉はしない。

 

 

だがその破壊力はお墨付き。しっかりBGMも大音量で流してオーズはドラスの体を破壊し尽くす。

 

そして拘束が解除されたドラスは倒れて大爆発、粉微塵になった。

 

取り敢えず撃破と安心した彼女らの耳に声が聞こえた。

 

 

「それにさぁ...お前、殺す気ないだろ!」

 

「ッ...!?」

 

「理恵!?」

 

 

普通じゃないその声に全員が振り向くとそこにはゴーカイブラックの剣を胸に受けながら腹に剣を突き刺したバスコの姿があった。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

俺は奴のアクロバティックな動きを絡めての途絶えることの無い連続攻撃に舌を巻いていた。

 

兎に角しつこい。躱しても躱しても距離が離れないし攻撃が途絶えない。

 

 

「シッ!」

 

 

勢いに逆らって強引に柄を俺の右膝に叩きつけようとする。膝を砕きに来たか!

 

食らうわけはいかないので剣の方に前転する事で回避する。けれど奴の技は必ず繋がっている。だから素早く立て直す。

 

 

「飛天御剣流」

 

 

だが奴は勢いで素早く一回転しつつ姿勢を立て直した直後の俺に接近、僕の膝を砕こうとした剣を左手で刀身を支えつつ下から振り上げて今度は顎を狙ってくる。

 

着地を考えていたらやられるか!

 

急いで全力のバックステップで下がり紙一重で回避する。

 

 

《ファァァァァァァイナルウェィィィィィィィィブ!!》

 

「龍槌翔閃!」

 

 

そして姿勢を崩した俺に上から襲い掛かる黒いエネルギーに包まれた必殺の一撃を両手でさらに後退の勢いを強める事で強引に回避する。

 

 

...成る程。剣での技量は俺より上。技も必殺級を何個も揃えている。そして何より迷いと容赦の無い神速の斬撃。これは彼女らとは大きな違いだね。凄い奴が来たもんだ、全く...。

 

けど戦っている内にこいつの弱点が見えてきた。チラチラと見え隠れするそこを突けば勝てる...と思う。

 

 

いやぁね?俺はあいつの全てを把握しているわけじゃないからさ。流石に勝てると確信を持てないんだよ。

 

そしてウィザードであるならアンダーワールドにウィザードラゴンがいる筈。そいつがいつ引っ張り出されるか分からない以上迂闊に攻め込めない。

 

 

「そいや!」

 

 

そんな事を考えている間にも奴は容赦無く攻撃を仕掛けてくる。この連撃を止める為に鎌をかけてみる。

 

 

「そういえばさ。お前、豪快チェンジしないの?」

 

「......」

 

 

この言葉に無言を突き通す奴。流石にこの程度じゃゆらがないか。

 

 

「恐らくお前はその力を手に入れて大して日が経っていない」

 

「...正解ですよ。私がゴーカイジャーの力を手に入れてからまだ2日も経ってませんからね」

 

 

憶測ではあるけど自分の考えを軽くぶつけてみると、彼女は少し間をおいて答えた。

 

 

2日でここまで...感心するね。適応力が高いのか?

 

だが2日なら本来の姿が限界か。まあよくやってる方だけどね。

 

 

「だから思い切って使い切れない豪快チェンジという選択を除外したわけだ」

 

「仰る通りですが...もう終わりです!牙突、零式!」

 

 

俺はカリブレードで胸のあたりを薙ぎ払うが奴はしゃがんで一回転する事で回避。

 

そして奴は剣を手の中で回して回転させた勢いと上半身のバネでこっちの胸を正確に貫く。

 

 

「グハッ...」

 

 

後ろに液体が落ちる音を聞きながらあまりの破壊力に思わず呻き声が出てしまったが一応予定通り。

 

エネルギーで奴を縛り付けて身動きを封じる。幾らすばしっこくても身動き出来なければ問題にならないからね。

 

 

「しま...!」

 

 

流石の彼女もこれには驚いて足掻くが腕を掴んで逃がさない。

 

にしてもこの破壊力...普通の怪人なら上半身と下半身が千切れ飛ぶ破壊力はある。何て化け物なんだか...。

 

 

「でもさぁ...お前、殺す気ないだろ!」

 

「ッ...!?」

 

「理恵!?」

 

 

青緑の輝きを宿したカリブレードをガラ空きの腹に突き刺す。突き刺したカリブレードから赤い血が流れる。

 

あっちの姿の変わっている真のオーズも思わず名前を叫び、他の偽物達も動きを止める。

 

 

ドラスはやられたか?まあ上手い具合に時間稼ぎしてくれたから良しとするか。

 

 

「さっきの胸への突き。あれのコースは人で言う心臓の部位じゃなくて心臓のすぐ脇に逸れていた。でも迷っている太刀筋じゃない」

 

 

語りながらカリブレードを引き抜くと彼女は変身が解除されて血を流しながら仰向けに倒れる。

 

 

「恐らく不殺の信念と殺さなければならないという板挟みが起こした結果だろうねぇ。哀れなもんだ」

 

 

つまり死ぬギリギリまで追い込むけど決して殺しはしないという事。だからこそこの捨て身の戦法でも死ぬ事はない。

 

俺の口癖、「何かを得る為には何かを捨てなければならない」。それは今回も当てはまる。

 

つまり自分の命の危機と引き換えに敵を殺す、そういう事だ。

 

 

彼女は残念だと思う。

 

それだけの力を持ちながらそんな悩みで全力を出し切れない。これは悲しいと思うね。

 

 

さて、倒れた相手にいつまでも構う必要はない。傷もこの分なら直しながらでまだ戦える。次は...涙子ちゃんかな?

 

 

「...はぁ。その洞察力は流石と言うべきでしょうか。ですが」

 

 

だが通り過ぎた時、仰向けに倒れている彼女から声がかかる。

 

 

「私は師匠達の教えを迷惑だと思った事はありませんよ!」

 

《エクステンド、プリーズ》

 

 

彼女は魔法で左足を伸ばして当てて来た。

 

まさかの不意打ちに俺は受け身を取るが吹き飛ばされてビルに突っ込む。

 

 

馬鹿な...あれだけの重症でまだこれだけの力が出せるのか...!?

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

実際痛いですよ、かなり。腹を貫かれましたから。

 

でもこの程度で止まる訳にはいかない。私は...私達は何としても帰らなくてはならない。元の世界へ、皆の所へ。

 

 

《ヒーリング、プリーズ》

 

 

このヒーリングウィザードリングで自然再生力を異常活性させれば傷はまず治る。

 

後は気合で立ち上がり右手に指輪をドライバーオンウィザードリングに付け替えてバックルに翳す。

 

 

《ドライバーオン、プリーズ》

 

《理恵...行けるのか?》

 

 

勿論です。こんな場所で死ぬなんて真っ平御免です。

 

この世界を救うのはついで。傲慢ですが私は帰る為に戦い...勝ちます!

 

 

「変身!」

 

《インフィニティ、プリーズ!ヒースィーフード、ボーザバビュードゴー!》

 

《Sound System Standby 『ZERO』》

 

 

左指に装備したインフィニティウィザードリングをバックルが変化したウィザードライバーに翳す。

 

そして私の足元に虹色の魔法陣が現れて結晶化したウィザードラゴンが私の周りを飛行、私は結晶に包まれて弾けるとその姿は各部に魔力の結晶体、アダマントストーンが散りばめられたウィザードになる。

 

これこそ最強フォーム、インフィニティスタイル。使いたくはなかったのですけど使わざるを得ないのです。

 

 

それにしても今回は小林竜之さんの「ZERO」ですか。

 

良い選曲です。これは個人的に好みですから。

 

 

私はドラゴンが変身した専用武器、アックスカリバーを構える。

 

気づいたら胸の血が収まっているバスコもカリブカリバーを構える。

 

 

「さあ、ここからが本当のショータイムです!」

 

「やってみろよ!魔法使い!!」

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ビルの上から見下ろした先にいるのは敵の幹部を聞いた事がない歌を流しながら圧倒するダイヤモンドのウィザード...。

 

あのウィザードと幹部の戦いはある意味一方的だった。

 

 

違いは破壊力でもスピードでもなく、それを防ぐ防御力にあった。

 

幹部の剣はクリスタルの鎧に受け止められて弾かれる。

 

対してウィザードの斧と剣を組み合わせた様な武器での斬撃は確実にダメージを与えていく。

 

今も左下から斬り上げられた斬撃が幹部の胸に火花を起こして吹き飛ばす。

 

 

あれがウィザードの本当の力...。所詮私達は紛い物ですか...。

 

 

そんな事を考えて仲間と合流しようとした時、頭の中に声が響いた。

 

 

《聞こえているでしょうか?この世界のウィザード》

 

 

その声は恐らく今下で戦っているウィザードから。喋りながらとはまた余裕な...いや、防御力の差が歴然としているので余裕なのでしょう。

 

 

さて、何のようですか、本物のウィザードさん?

 

 

《一応ウィザードの先輩としてアドバイスを、と思いまして》

 

 

アドバイス...?

 

それは光栄ですね。本物のウィザードからのアドバイスとは。

 

 

《そんなに僻まなくても...。では言わせてもらいましょう。ウィザードは最後の希望です》

 

 

最後の...希望?

 

 

《そうです。希望は失われてはならない。失ったら残るのは絶望です》

 

 

成る程...希望と絶望が表裏一体なのは納得です。

 

そもそも魔術は才能がない人が才能のある人に追いつく為に作られた。

 

つまり魔術は才能がない人にとって希望そのもの。もし魔術が消滅したらそれは絶望でしょうね。

 

拝星教での事件もある意味絶望から逃げる為の行動と考えると違和感はない。

 

 

でも私達は紛い物と言うべき存在です。オリジナルの代わりに戦う代理人ですよ?

 

 

《紛い物だからオリジナルに勝てない理由はないですよ。だから守って下さい、この世界の人々の...最後の希望を》

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ウィザードの魔法は絶望を打ち砕くする魔法。

 

 

あの絶望による地獄、サバトとそれによって起きてしまった世界の崩壊は一時も忘れた事はない。

 

 

希望は潰えてはならない。

 

希望無き未来は絶望ですからね。あの時の様に...。

 

 

あの時にお父さん達から生き残って幸せになれという希望、そして今まで関わってきた人達からも沢山の希望を受け取り続けて来たからこそ、私はどんな時でも立っていられる。

 

そして戦える!

 

 

《ターンオン!》

 

 

バスコのカリブラスターの射撃を全身で受け止めながら、刀身に描かれた紋章・ウィザードサインに左のインフィニティウィザードリングを当ててアックスモードに移行、さっきまで刀身だった部分を持ってさっきまでナックルガードだった部分を斧とする。

 

 

「はぁ!」

 

 

その状態のアックスカリバーを撃ちながら下がり続けるバスコに思いっきり振り下ろす。

 

それに対して横に回避しようとしたがギリギリで回避が間に合わなかったバスコの右肩から右の太腿にかけて火花が吹き荒れる。

 

 

「クソッ...化け物か...!」

 

 

バスコは倒れてフラフラ状態で悪態をつく。

 

 

まあ別世界の貴方から見ると自分の常識を超越した化け物でしょうね。

 

でもそうじゃないと守れないんです。私達の世界は戦争の世界ですから。力こそ全て、力がないと守れない理不尽極まりない巫山戯た最悪な世界ですから。

 

 

というわけで決めましょうか。いつまでも引きずる訳にも行きませんしね。

 

ハンドオーサーをインフィニティウィザードリングを付けた左手でハイタッチ。

 

 

《ハイタッチ!シャイニング・ストライク!キ・ラ・キ・ラ!キ・ラ・キ・ラ!》

 

 

そして周囲の魔力を集める為に振り回しているアックスカリバーが巨大化。

 

そして飛び上がって虹色の輝きを纏ったアックスカリバーを全力で振り下ろす!

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

虹色に輝いている巨大な斧を持ったウィザードがバスコにその斧を振り下ろした。

 

その刃は地面のコンクリートを破壊して煙を起こす。

 

 

バスコを...倒した?

 

 

「や、やったですの...?」

 

「馬鹿!それフラ...!?」

 

 

フラグ発言をした白井さんを窘めようとした美鳥さんがフラつく。

 

それを隣にいた御坂さんが咄嗟に支えた。

 

 

「ちょっと!あんた大丈夫なの!?」

 

「...流石に疲れたのかもね。でも駄目だったみたい」

 

 

美鳥さんの声に歌が終わり、煙が晴れつつあるバスコのいたところを見る。

 

そこは地面に巨大な溝クレーターはあるけどバスコは見当たらない。

 

 

まさかあの人が最後の一撃を外した!?

 

 

「手応えが不完全...逃げられましたか...。美鳥さん、もうヤバイ段階まで来てますね」

 

「その前にケリを付けたいんだけど...来たか」

 

 

ヤバイ段階?

 

その意味を聞こうとした時、何かが落ちてきた。

 

 

それが落ちた時の地震に耐えながら落ちてきた物を見たら、落ちて来たのは美鳥さんの敵、カイザーベリアルだった。

 

 

「よォ、元気かァ?」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「よォ、元気かァ?」

 

 

ベリアルは堂々と街に降り立って挨拶してくる。

 

元気かっておいおい...。敵の癖によー言うよ。

 

 

「でもあんただけ?案外人望ないんだ」

 

 

私の言葉の反撃に対して奴は鼻で笑った。

 

何気にムカつく...。宮里ボイスだからとかじゃないけど何故か自然と腹が立った。

 

 

「まさか俺だけだと思ったのかァ?」

 

 

ベリアルのその声で何処からか円が出現、そこからインペライザー3体と...嘘ぉ!?

 

 

「インペライザー!?それも3体...!」

 

「でももう片方の怪獣はドキュメントにデータありませんよ!?」

 

 

理恵と初春が出て来た奴らに驚く。

 

まあインペライザーはいてもぶっちゃけおかしくない。あれ機械だし。

 

 

でももう一つの黒い結晶を全身に貼っ付けたゴモラの姿につい叫んでしまった。

 

 

「スーパーアースゴモラ!?しかもレアなブラックプラズマソウルをあんなに貼っつけて...!」

 

「何よそれ!?」

 

「膨大なエネルギーを有する鉱石、プラズマソウルを取り込んだゴモラの一種、アースゴモラの突然変異体!それもレアでより高出力なブラックプラズマソウル付き!」

 

 

そう、奴はスーパーアースゴモラ。

 

簡単に言えばウルトラマンのいない宇宙、プラズマギャラクシーにいるゴモラの一種、アースゴモラの突然変異体。そのパワーは凄まじいの一言に尽きる。

 

 

でも相当な希少個体の筈。一体どうやって戦力にしたんだか...。

 

 

「あんなの倒せるのか!?」

 

「大丈夫!ゴジラとデストロイア、イリスにガメラと大混戦するより遥かに楽...な筈!」

 

『何があった!?』

 

「言葉の通り!さて...!?」

 

 

堂々と宣言してギンガスパークを取り出して気づいた。

 

ギンガスパークの裏側に亀裂が走っている。まさかベリアルにやられたあの時か!?最悪過ぎる!

 

同調してざっと損傷具合を確認したけど怪獣系列へのライブ不可能、さらに2体以上の合体を補助、制御するシステムまでやられた。

 

だがそれ以上にマズイ事にギンガのスパークドールズにも影響が出てる。変身出来なくはないけど必殺技の一部が使えないやら本来のスペックが出せないやら厄介な事に...。自己修復を最優先でかけてるけどどこまで期待出来るか...。

 

 

チッ、折角この世界で面白そうなゴジラとか合体でウルトラマンレジェンドやウルトラマンサーガとかやったら面白そうなのに!

 

仕方ない。ウルトラマン系列でいきますか。ここは...TPC総監があの人だしこれで行くか!

 

 

私が腰の四次元ポーチから取り出したのはウルトラマンティガのスパークドールズ。

 

それの左足裏のライブサインをギンガスパークの先端に刺してリード。

 

するとギンガスパークがウルトラマンティガの変身アイテム、スパークレンスに変化。

 

 

「変わった!?」

 

「大丈夫、私も最初は驚いた」

 

 

まさか変身アイテムが変身アイテムになるなんて...ねぇ。ワケガワカラナイヨ。

 

 

まあまずは奴らをぶちのめすのが先。ギンガスパーク改めてスパークレンスを一回体の前に構えてそして両腕をクロス。

 

さらに腕を大きく回してスパークレンスを空に掲げる。

 

するとスパークレンスの上部が開いて内部の水晶が露出、そして私は光に包まれる。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「TPC航空部隊から入電!ウルトラマンが現れました!」

 

「コスモスとメビウスか?」

 

「はい、ですがさらに別のウルトラマンまで...」

 

 

管制官がウルトラマン出現の報を口にして、リーダーが確認を取った。

 

 

別のウルトラマン...恐らく美鳥さんね。一体どんなウルトラマンなのか映像をモニターに投影してもらった。

 

そしてそこに映ったウルトラマンに私達は目を奪われた。

 

 

間違いない。額の結晶、乳白色に輝く目、赤と青紫そして銀のカラーリング、胸の金色のラインが入ったプロテクターと水色の光球。

 

かつて私達の世界を絶望の闇から救った超古代の光の巨人...

 

 

「ウルトラマン...ティガ」

 

「まさか...この世界でまた見る事になるとは...」

 

 

リーダーが呟いた。

 

 

彼女はティガ?でも変身アイテムは明らかに違っていたし、彼女はウルトラマンギンガと名乗っていた。

 

 

そこで気付いた。あの時、メビウスとコスモスにスパークドールズという人形を使って彼らの光エネルギーを回復させた。

 

 

そして彼女達を呼び寄せる前にベリアルが使っていたウルトラマンゼロのスパークドールズを調べた結果、そのスパークドールズは光エネルギーを内部に大量に保持していてさらにそのエネルギーを常になんらかの方法で光なしでもチャージしているらしい。

 

 

そこまで考えて気付いた。

 

まさか...彼女はスパークドールズを使って本来とは別のウルトラマンになれるというの!?

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

美鳥さんが変身したティガ、重福さんの見た目のミライさんが変身したメビウス、春上さんの変身したコスモスが光と共に降臨。これで3対5。

 

ウルトラマンギンガとは何だったのでしょうか...。

 

 

確実に美鳥さんとベリアルが殴り合うとすると後はスーパーアースゴモラのスペック次第ですかね。

 

 

「何か動かせる巨大戦力はないの!?」

 

「あ、そう言えばゴーカイオーとシンケンオーの修理、終わったらしいですよ?」

 

 

御坂さんの言葉に思い出した様に悪戯半分に返す。

 

 

念の為と美鳥さんから教えてもらいました。

 

自分はもしベリアル出て来たら間違いなく戦うからと。全くこんな事押し付けて...。

 

 

「本当!?じゃあゴーカイオーで行くわよ!」

 

「任せて下さい!」

 

「シンケンブルー!俺達もやるぞ!」

 

「勿論ぜよ!」

 

 

さて、これでは多分押し負けるので私もそれなりの戦力で行きますか。

 

 

《《発進!ゴォォォォカイガレオン!》》

 

《発進!ゴォォォォカイファイター!》

 

『...え?』

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

学園都市に現れたのはゴーカイオーとシンケンオーだけではなかった。

 

空中に巨大な赤いウィザードの魔法陣が形成、そこから2つの物体が現れる。

 

 

一つは飛行機というにはあまりにも無骨な空を飛び回る大型の機体。

 

そしてもう一つはゴーカイオーだがマストは黒く、そのマークはゴーカイジャーではなく髑髏。

 

 

知っている者はこう言うだろう。「何故偽ゴーカイオーがあるんだ!?」と。

 

まあ色々あったと言っておこう。だが一言言えば奪い取った物ではあると言っておくべきか。

 

 

「海賊合体!」

 

 

ゴーカイブラックに再変身した理恵の音声入力でゴーカイガレオンの内部の圧縮空間からゴーカイジェット、ゴーカイトレーラー、ゴーカイレーサー、ゴーカイマリンが次々と現れる。

 

勿論一部が黒いそれらはそれぞれ右腕、左腕、右足、左足となり胴体と頭部を構成するゴーカイガレオンに合体する。

 

さらにゴーカイジェットの後部にあったヘルメットがゴーカイガレオンの先端が開いて現れた頭部に合体する。

 

 

その姿は紛れもなくゴーカイオーだが何処からか現れた黒色のマントを羽織っていて刃の付いた海賊帽を被っていた。

 

そして右目には照準用の特殊レンズ装備してカラーリングが偽ゴーカイオー準拠まあ早いが話左手がフックじゃない偽ゴーカイオーである。

 

武装はゴーカイケン2基、頭部のゴーカイバルカン4基、両肩のゴーカイキャノン4対8基、両腕に連装ビーム砲のゴーカイブラスター、両目のゴーカイレーザーとゴーカイオーより重武装。元々ゴーカイオーを超えるゴーカイオーがコンセプトで建造された物なので妥当ではあるが。

 

 

「完成!カイゾクゴーカイオー!」

 

 

そして今回理恵はフル戦力ではないが可能な限りの手を打つことにした。

 

それがこれだ。

 

 

「海賊合体!」

 

 

その言葉と共に勢い良く飛び上がったカイゾクゴーカイオーの後ろにゴーカイファイターが接近、その腹をカイゾクゴーカイオーの背中にドッキングさせる。

 

そしてブースターの基部から関節が現れてただのブースターを推力偏向ブースターとする。

 

 

「完成、カイゾクゴーカイオーファイター!」

 

 

何故名前でファイターが後ろに来るのかというと、ファイターカイゾクゴーカイオーよりかっこいいらしい。

 

 

合体したカイゾクゴーカイオーファイターは飛び回り腕のゴーカイブラスターを連射モードで発射。

 

スーパーアースゴモラとインペライザー達を牽制しつつ着地してゴーカイケンを構えた。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ウルトライブしてウルトラマンティガになった私はまず空中に飛翔してそこから手刀を作り一気に降下。

 

 

「ディバイディングフィールド!!」

 

 

そして地面に手刀を突き刺した。

 

すると突き刺した所から蒼いエネルギーが一直線に広がりその空間が押し広げる。そしてそこには半径20kmの巨大なフィールドが出来ていた。

 

私達はそこに着地する。

 

 

...はい。ガオガイガーのディバイディングドライバーです。あれ参考というかもろパクリです。でも便利だから謝らない、絶対に。

 

 

「何時ものあれかァ」

 

「街中だしねぇ」

 

 

ベリアルの言葉に答えながら一気に踏み込んでジャンプからの後ろ回し蹴りを叩き込む。

 

勢いをつけた蹴りならパワーで負けていてもそれなりの威力はある。

 

 

だからか、奴は受け止めず上半身を下げて潜る様に回避する。

 

 

「聞きたい事が...ある!」

 

「ほゥ...何だァ!?」

 

 

まあ避けるのは読んでいたから気になっている事を聞きながらハンドスライサーを3発発射。

 

ベリアルに命中はするけど効果なし。流石ラスボスと言わざるを得ない。

 

 

返しに爪を振るって斬撃を飛ばして来るので赤の部分の色が青紫になった機動力重視のフォーム、スカイタイプにタイプチェンジしてジャンプして回避、そのまま空中に静止しつつランバルト光弾を乱射する。

 

乱射と言っても一発一発は直撃コース。

 

 

ベリアルは悪役らしからぬ空中バク転や側転で回避した。あの爪でよく出来るな、おい...。

 

 

「何故あの渦を知っている!?」

 

「ああ、あれかァ。あれは俺がかつてゼロに敗れた時の事だァ」

 

 

私の怒鳴り半分な問いに何か悪役の癖に懐かしむ様に語るベリアルが生意気です。

 

ベリアルのくせになまいきだって事です。だってベリアルだし。

 

 

「俺様がアナザースペースに転移したのはあれのお陰でなァ。おかげさまでちっぽけだがエメラナ鉱石にありつけて進化出来たのさ」

 

「それがカイザーベリアルってわけか...」

 

 

まさかそんなサブストーリーがあるとはねぇ。

 

やっぱりあの渦は次元を繋ぐ扉だとしてもあまりにもタイミングが良過ぎる。

 

 

あの渦...何かある。それも途轍もない何かが...。

 

 

「話は終わりかァ?なら行く...!?」

 

「くっ...!?」

 

 

突っ込んでくるベリアルに気づいて思考を中断して迎撃しようとした時、力が抜けて地面に倒れる。

 

ベリアルやスーパーアースゴモラも同様で理恵のゴーカイオーを見るとゴーカイオーも地面に落下して動いていなかった。

 

 

因みに私は千早じゃないからね?胸あるからね?72と一緒にしないでよ?

 

 

「何だァ、これはァ!?」

 

 

爪や足先といった先端から粒子化しているベリアルはもがいていて動けない。

 

私もウルトライブが強制解除されて地面に突っ伏してしまう。

 

 

まずい...この世界が私達という異物を本格的に弾きにかかったか...!

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

取り敢えずコスモスとメビウスがスーパーアースゴモラを押さえ込んでいる間にインペライザーを撃破しようという事になりました。

 

 

3対3なので一機ずつ相手する事になり、このディバイディングフィールド内に散らばって戦闘開始。

 

私は高機動を活かしての上空からの射撃の雨嵐でインペライザーの一体を抑え込みつつ他の様子を見る。

 

 

シンケンオーはダイシンケンでインペライザーのインペリアルソードを受け止めた。

 

でもシンケンオーは約52m、インペライザーは60m。それにダイシンケンは刀でインペリアルソードは大剣という事もあり、シンケンオーは受け止め切れずに地面に倒れこむ。

 

だが流石と言うべきか、その勢いで強引に後ろに受け流して一太刀を浴びせている。

 

 

そしてゴーカイオーは巨大ロボットの割りには軽快な動きで敵の間合いの内側に切り込んではゴーカイケンでヒットアンドアウェイ。的を絞らせる余裕を無くす戦法ですか。

 

一方的ではありますけど装甲は抜けていませんから妙な均衡ですね。でもあれならちょっとしたキッカケで確実に崩壊する筈です。

 

 

じゃあこっちもちゃちゃっと決めますか。

 

 

メビウスとコスモスはスーパーアースゴモラのパワーに対抗し切れずちぎっては投げ、ちぎっては投げ状態ですよ。何ですか、あのチート。

 

 

兎に角助けた方がいいと思ってケリをつける為に一気に降下ようとして......力が抜けた。

 

慌てて力を入れようとしたが力が入らず、さらに全身に激痛が襲いかかる。

 

そんな状態で操縦が出来る訳なく、カイゾクゴーカイオーファイターはディバイディングフィールドの地面に落下する。

 

 

その衝撃で操舵輪を手放してしまいモニターとの間に転がり込んでしまった。

 

でも戻るだけの余裕もなくただ蹲るだけしか出来ない。

 

 

でも見えた。私の指先や足先から粒子が溢れている光景を。

 

元に戻った美鳥さんやスーパーアースゴモラ、ベリアルも同じ状態。

 

 

間違いない...この世界が私達を異物として弾き出そうとしている。

 

最大の敵は世界そのものってわけですか...。

 

 

《理恵...しっかり...しろ...ぉ!》

 

《ガ...ァァァァ...》

 

 

ドラゴンもトバスピノも人の事を心配出来る状況じゃないじゃないですか...。

 

でも...こんな所で...消える?そんな事...真っ平御免ですよ...!

 

 

周囲は一言で言えば大混乱。特にメビウスとコスモスはいきなり倒れて苦しむ相手に驚いて攻撃をやめてしまった。

 

インペライザーも主君たるベリアルの状態に機械のくせに混乱。その隙にシンケンオーとゴーカイオーに再生装置を剣で貫かれて機能停止。

 

 

私達同様、消えそうになっているベリアルは闇の力を垂れ流しながらゆっくりと立ち上がった。

 

 

「俺様が消える...だとォ!?...ならァ...この世界も道連れだァァァァァァ!!!」

 

 

ちょっ!?自分が死ぬなら皆死んじゃえばいいって方式ですか!?なんて無茶苦茶な!

 

 

もうヤケになったと見るべきですか...。

 

でも最悪過ぎますよ!対処しようがない!戸惑って動きが止まっているこの世界のみなさんはもう間に合わない!

 

 

私達のせいでこの世界が...滅びるんですか...?

 

そんな事をしない為にこれだけの力があるのに私は...!

 

 

「させるかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

その時、いきなり聞こえた怒声の聞こえた方向に目を向ける。

 

腹から絞り出すようにその怒声を上げた美鳥さんがあの短剣、ギンガスパークを掲げる。

 

すると銀河系みたいな光が溢れてその中から頭部・胸部・両腕・両足に水色のクリスタルを備えたウルトラマンが出現、飛び蹴りでベリアルの顎を蹴り飛ばす。

 

 

もしかしてあれが...ウルトラマンギンガ!?

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ベリアルの自爆技をギンガにライブして飛び蹴りで強引に中断させて吹き飛ばして着地する。

 

 

あー、辛い辛い。正直立っているのも辛い。

 

ほら、カラータイマーも変身直後なのにもうピコピコなってるよ。

 

 

「大丈夫なのか?見るからに消えそうだが」

 

「始めましてになるかな?この世界のウルトラマンコスモス。一気に決めるよ、奴も消滅寸前なら力は削がれてる」

 

 

肩に手をかけてくるコロナモードのコスモスに答えながらしっかりと気合いで立ち上がる。

 

 

「でもあなたも...」

 

「まあどうにかなるよ。奴を速攻でぶちのめしてすぐに離脱すれば多分ギリギリ」

 

 

嘘です。こんなの詭弁です。

 

下手したら奴と同時消滅どころかこっちが先に消滅するのもあり得る状態です。いつまで持つかは悪運次第です。

 

 

でもここまでして命を懸ける理由はある。

 

 

「それにさぁ...私達のせいでこの世界が消し飛ぶのは気に入らないのよねぇ」

 

 

たったそれだけ。それだけの理由と笑うだろうけどこれだけの理由があれば充分。

 

 

いつも私達の戦いはこうだからね。

 

気に入らない何かをぶっ飛ばす。何て傲慢な理由で自分勝手な理屈なんだか。

 

 

「さて、こっちにはウルトラマン3体に戦隊ロボ3体!オマケに上空援護がありと来た!さっさと決める!」

 

《Sound System Standby 『英雄の詩』》

 

「面白い...かかって来い!全て叩き潰してやるゥ!」

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

この音楽が流れながらの戦いは膠着していた。

 

 

シンケンオーの右からの薙ぎ払いを左手の爪で弾いて逸らしながら右足で殴りかかる僕の腹を蹴り飛ばす。

 

そして右手を空に翳して発生させた衝撃波を上空から突撃する戦闘機を発射されたミサイルごと纏めて叩き落とす。

 

 

リュウさん達は各々脱出システムで無事脱出してこの空間の外に降りるのが見えた。

 

これが本当に消滅寸前の奴の力なのか!?

 

 

《下がって下さい!一撃叩き込みます!》

 

 

ゴーカイガレオンと戦闘機が現れた時の魔法陣が再び現れてそこから青い機械の恐竜が出現、ベリアルに飛び込んでバク転しつつキックを叩き込む。

 

ベリアルは想定外の攻撃によろめく。

 

 

「ガァァァァァ!!」

 

「機械の恐竜だとォ!?舐めるなァ!」

 

 

さらに腕に噛み付いた恐竜を力任せに引き剥がすベリアル。

 

その後ろにあのカイゾクゴーカイオーが忍び込んでいた。

 

 

《この間合い...頂きます!》

 

 

ベリアルが咄嗟に振り向いて左手の爪を振るうけどカイゾクゴーカイオーは左手のゴーカイケンでそれを受け止めつつ引き抜く形で傷をつけた。

 

そして右下から振り抜いた右のゴーカイケンがベリアルの左手の爪のさっきつけられた傷に直撃して爪を斬り裂いた。

 

 

「貴様ァ!」

 

「させない!」

 

 

振り抜いた勢いで一気にブースターの加速も使って離脱するカイゾクゴーカイオーに対して怒り心頭で右手の爪を突き出すベリアル。

 

それを抑え込むのはコスモスさん。

 

 

コロナモードのコスモスさんは挟む形で押さえ込んだ腕を上に弾いて全身のパワーを集中させた拳をベリアルの腹に叩き込んだ。

 

叩き込んだ状態のコスモスさんの後ろから僕が飛び込んで錐揉み回転しつつキックを顔面にさらに叩き込む。

 

 

ベリアルは堪らず仰向けに倒れる。そして

 

 

《ゴーカイスターバースト!》

 

《ゴーカイガトリングブラスト!》

 

 

ゴーカイオーとカイゾクゴーカイオーの胸のハッチが開いて現れた大砲とガトリングからそれぞれ砲弾とビームの雨を起き上がったベリアルに撃ち込む。

 

 

「貴様ら...ァ!」

 

「まあ...運がないとでも思いなさいな」

 

 

起き上がったベリアルに声をかけたのは両腕をクロスさせて全身のクリスタルが桃色に輝かせたギンガ。

 

 

実は僕らが戦っている間、ギンガはずっとこのタイミングの為に光線の為にチャージしていました。

 

その甲斐はあった様で横に開いていく腕の間に一目で分かるほど膨大な虹色のエネルギーがチャージされている。

 

 

「ギンガサンシャイン!」

 

 

そして偶然音楽と合うタイミングで両腕を突き出した。そこから発射された虹色の光線がベリアルに突き刺さる。

 

ベリアルは踏みとどまるけど体から闇が漏れ出している。

 

 

「グォァァァァァァ!!??ギ...ギンガァァァァァァァ!!!」

 

「うっさい!とっとと死ね!死んで私に詫びろ!迷惑かけさせた罪をな!!」

 

 

やっぱり彼女は世間一般で言うヒーローじゃないようです。

 

ゼロよりも口悪いどころか言葉が悪役のそれですし...。

 

 

兎に角、ベリアルは何かが割れる音ともに爆発。この開かれた空間を爆発が包む。

 

 

凄まじい爆発の衝撃に逃げる事が出来ないからコスモスさんとバリアを張ることで耐える。

 

 

でもそのベリアルの爆発が消えた時、彼女達とスーパーアースゴモラは消えていた。

 

まさか...彼女達も消えた...?

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

ベリアルを中心に起こった爆発が晴れると美鳥達はいなくなっていた。

 

それを確認した直後、この美鳥の手で開かれた空間が元に戻ろうとしたから急いで離脱する。

 

 

コスモスとメビウスに引っ張られてぶら下がっている状態で黒子が呟いた。

 

 

「消滅...したのでしょうか...」

 

「でも脱出しているかもしれない。あの2人が為す術もなく消滅なんて想像出来ないわよ」

 

 

黒子の口からポツリと出てきた言葉に固法先輩が反論した。

 

そして...納得した。あれだけ好き放題暴れていたのにこんなあっさり死ぬなんてあり得ない。

 

 

それに決して馬鹿じゃない。前々から気付いている節はあったから当然対策は練っている...筈。

 

 

「あれ?御坂さん、足元に何か落ちてますよ?」

 

 

そう思っていると佐天さんが私の足元を指差して指摘した。

 

 

足元?佐天さんの言葉の通り足元を見てみると何かを包んだ紙があった。

 

 

拾って分かったけど結構ズッシリしている。そしてコインみたいなのが入っているのにも気づいた。

 

まさかだと思って包みを開くと、中には美鳥の使っていたユニコーン、ドラゴン、グリフォンのコアメダルとさらにサソリ、カニ、エビのコアメダルとデータチップが入っていた。

 

 

「これって...」

 

「美鳥さんから...ですよね?」

 

 

間違いないと思う。あいつはこうなる事も想定済みってわけ?

 

 

取り敢えずあの子達の助けもあって無事学園都市を守れた。

 

 

後で皆でこのデータチップは調べてみようと思う。

 

当然あいつにも渡してあっちでも見てもらう。

 

 

きっとただのデータチップな訳ない。必ず何かあると思うから...。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「し、死ぬかと思った...」

 

「こっちのセリフですよ、美鳥さん...」

 

 

取り敢えず危機は脱した。

 

小惑星帯の中を浮遊しているゴーカイガレオンの中で私は理恵と背中合わせにへたり込む。

 

 

脱出のタネは簡単。

 

私達ウルトラマンは次元ゲートを作る事が出来る。

 

それを感覚に任せて急いで作り、理恵のゴーカイオーとスーパーアースゴモラを強引に引っ張って脱出した。それだけです。

 

 

ベリアルは多分死んだ。カラータイマー割れる音が聞こえたし、ギンガサンシャインには闇を払う力がある。

 

本来なら最強技のギンガエスペシャリーを使いたかったけど私とギンガを繋ぐギンガスパークの損傷故に無理だった。

 

 

「でもスーパーアースゴモラまで助けてどうするんですか?一体...」

 

「ん〜...別に敵意はなさそうだしこのままカプセル怪獣にしよっかなーって考えてる」

 

 

理恵の問いに答えながらゴーカイガレオンの中から小惑星帯に降りたスーパーアースゴモラを見る。

 

あれだけ暴れていた割には随分と大人しい。

 

もしかしてベリアルに対する恐怖で必死に暴れてたのかな?見た目と性格って案外一致しないもんだねぇ。

 

 

「...またチートですか」

 

「あんたも大概でしょうが。でも絶対私達だけじゃないって、さらにチート化するの」

 

 

絶対終夜か遊梨はさらにチート化すると思う。

 

遊梨は未知数過ぎて何が起こったって不思議じゃないし、終夜は私達を完膚なきまでにぶちのめした神の力を完全コントロールしているわけじゃない。

 

もしコントロール出来る様になったら冗談抜きで神様よ。

 

 

ちくしょー!私は未だに中ボスかぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

 

 




今週のCM
美鳥:「というわけで出張版な今週のCM!神崎美鳥でございます!」

理恵:「川北理恵です。というわけで今回は今回コラボしたマッスーHERO様のとある英雄の伝説大戦です」

美鳥:「んじゃあらすじから。事は第3次世界大戦終結後からちょっと経った時、つまり新約3巻からの分岐ストーリーにあたるね」

理恵:「簡単に言えば学園都市に特撮の悪者達が結集した組織、リベンジャーが学園都市に大挙来襲。とある世界はヒーロー達の活動が制限される世界だったんです。私達も似た様な感じですね」

美鳥:「まあ細かくは後書きで。んでそこでヒーローがいないのをいい事に好き放題大暴れする怪人達。そんな怪人達に追い込まれるお姉ちゃん達!そして誰かを救える力を願った時!...世界は爆ぜた」

理恵:「爆ぜてませんよ!?まあこれから先はあちらをご覧下さい。
そして作品の特色は特撮リスペクトだと思うんです」

美鳥:「あー、成る程ね。確かに本家特撮メンバーも結構いるし話も本家の時の事が結構絡んでるからね。うちのにわか作者とは大違い」

理恵:「まあ今更ですし放っておきましょう。
というわけでどうぞご覧になって下さい。というよりあちらにはこの話の保管話が上げられている予定なのでそちらも含めて見ると一層楽しめるかと思います。
では川北理恵と」

美鳥:「神崎美鳥でした!次に会う時は途中で止まっている私達のストーリーだ!諸君!」

「そんなヒーロー対悪の軍団の戦いの日々、興味ある方は是非どうぞ。
http://novel.syosetu.org/5398/

作者:「どうも、堕落天使でございます。今回は美鳥と理恵がお邪魔いたしました。
この作品は特撮を知れば知るほど楽しめる作品だと個人的に思っています。特撮オタクなら見覚えのある(?)のが結構ありますし、意外と奇策で乗り切る場面も多いのでこう来るか、と感嘆する事もあります。
毎回言っていますが、是非一度ご覧になってはいかがでしょうか?コラボしている事もありこちらのカバーストーリーを投稿してくれるとの事です。そちらも読んでくれればより楽しめると思います」



後書き
美鳥:「全3話のコラボ3編、終わったねぇ。あ、神崎美鳥です」

理恵:「お疲れ様でした。川北理恵です。今回は書き溜めてからですよね。いつからでしたっけ...」

美鳥:「確かコラボ募集していたのを見て4月14日にコラボを申し出て、無事に了承されてこうして書きためていたわけだけど遅過ぎでしょ!約8ヶ月ってなんだ!?」

理恵:「流石作者。遅過ぎです」

美鳥:「そもそも私達の話は途中なのにこんな盛大なネタバレをして果たして許されるのだろうか...」

理恵:「あ、あれです。先を知っているからこそ楽しめるのもありじゃないでしょうか...」

美鳥:「でも私達の話を蔑ろにしていいわけないじゃない。というわけで急ぎなさい。言いわね!」


(美鳥さん、マジですみません。急いで書く事を確約いたします...。
今週のED:ウルトラ超特急『Starlight』)


美鳥:「そうだよ〜。早く書いてくれないと困る訳ですよ。後続もあるんだし」

理恵:「ですよね。泣いてますよ、今頃きっと...」

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