''レイナ、誕生日おめでとう!''
昼の12時、シャーレのオフィスで仕事を進めているレイナに、私はクラッカーを鳴らした。
しかし、レイナは目を丸くしてきょとんとした様子。
「…………あ、今日なんだっけ?」
暫くそんなきょとんとした様子が続いて……ハッとした表情に変わる。
彼女は自分の誕生日を忘れていたのだ。
''ええ!?忘れてたの!?''
「だって誕生日なんて私祝われた事ないし……」
そんな寂しそうな評所を見て、私はレイナの頭をわしゃわしゃと撫でた。
''おめでとう!レイナ!''
そんな寂しさを上書きしてあげるかのように。
彼女が一人じゃないという事を、教えてあげるように。
そんな私の撫でる手をレイナは顔を赤くして退ける。
「ッ……!?勝手に……な、撫でないで!」
''あ、ごめん……撫でてもいい?''
「聞いてもダメ!」
''そっか……じゃあ無断で撫でるね''
「だから撫でないで!!」
怒声をあげるレイナを、私は撫で続ける。
今まで一人で頑張ってきたレイナに対する報酬だが……これでもまだ足りない。
''うんうん、レイナは偉いね……''
「そんな浮気性の男みたいな事言われても……懐かないわよ……」
そう言う割には凄く撫でられる事を受け入れているような気がする。
暫くレイナを撫で続けて彼女が満足した表情をするのを確認すると、私は懐から小さなプレゼント箱をレイナに渡した。
''はい、これプレゼント''
「ああ、なんだ……撫でられる事がプレゼントかと」
''まだまだ!誕生日は始まったばかりだよ!''
「そんなクラブの夜で騒ぐ輩みたいな……」
ため息を吐きながら、レイナは箱を開けた。
箱の中には小さな香水が入っており、レイナはその香水を不可思議そうな目で見つめる。
「確かこの香水高いヤツよね……大丈夫なの?」
''レイナの為ならこのくらいの香水買えるから大丈夫だよ!''
私が親指を立ててサムズアップをすると、レイナはその香水を大切そうに抱き締めた。
「…………うん、嬉しい、ありがとう」
そんな微笑みを見て、私は少し驚く。
( ''あ、あれ……私の予想なら『でもこの香水私のに似合わない香水なのよね』って言われる予定だったんだけど……'' )
「ねえ、今『この香水、私に合わないのよねー』みたいな事言うと思ってたでしょ」
''えっ!?…………いや?''
内心を当てたられた私は驚きつつも、すぐさま目を逸らす。
「……あのねえ、折角祝ってくれて、しかもプレゼントまで用意してくれたのにそんな事言う訳ないでしょ」
「…………本当にありがとう、嬉しいわ」
レイナは笑う。
今までに見た事のないような、純粋な笑顔で。
「ねえ、ケーキは無いの?」
''勿論あるよ!ホールケーキがね!''
「……私こんなに食べきれないけど……」
ということでハッピーバースデー!レイナ!
因みに6/2が何の日かは、勘のいい人なら分かると思います。
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