ゲマトリア所属生徒『西条レイナ』   作:ガガミラノ

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『新任教師「次元大介」』×『ゲマトリア所属生徒「西条レイナ」』Part2です。

前回のPart1や新任教師「次元大介」とは全く関係ない世界線ですので、整合性や伏線なんか気にせずにお祭り感覚で楽しんでください。


ガンマンと白いカラス

 

 

 

次元大介。

 

年齢不詳、家族構成不明。

痩せた中年男性のような風貌の愛煙家。

 

キヴォトスに来てから、自分の銃の腕前をいかんなく発揮し……その指揮の手腕で数々の学園の危機を救った。

 

こういう人間を、世間一般的にはヒーロー……と言うらしい。

 

 

 

西条レイナ。

 

年齢16歳、家族構成不明。

身長155cmの高校生。

 

キヴォトスの裏舞台で暗躍する組織「ゲマトリア」のメンバーの一人。

私達を邪魔する事もあれば、協力する事もある。

 

謎多き女。

 

 

 

━━━━━

 

 

 

街中での話だ。

 

煙草に火をつけていると、レイナが車を運転しながら俺に聞いた。

 

 

「次元先生」

 

「なんだ」

 

「私にも頂戴」

 

「ダメだ」

 

 

…………のんびりドライブしている風景が思い浮かぶかもしれねえが、実際は戦闘ヘリが背後に迫りつつある。

 

俺は煙を吐きながら聞いた。

 

 

「逃げ場所はねえんじゃねえか?」

 

 

 

 

こうなったのにはワケがある。

 

 

 

━━━━━

 

 

 

「次元先生、今日の仕事……よっと」

 

 

シャーレのオフィスのイスの背もたれを倒し、寝転んでいるとレイナがエレベーターから現れ、どっさりと机の上に何百枚もある紙の束を置く。

 

 

「なんだぁ!?今日の仕事はやけに多いじゃねえか!」

 

 

イスを起こして、慌てて飛び起きるとレイナはため息を吐きつう呆れていた。

 

 

「最近、トリニティでクレー射撃ばっかりしてたからそのツケね」

 

「仕方ないだろ、マシロに狙撃の練習をお願いされたんだ、それに俺は放射能とニンニクと書類仕事が嫌いなんだよ」

 

 

そう言うと、レイナは俺の事を見つめて沈黙する。

 

俺もレイナの目を見つめて、沈黙した。

 

 

「……」

 

「……」

 

 

じゃん

 

けん

 

ぽんっ!

 

 

「ちぃ……」

 

 

レイナにどちらが書類を始末するかじゃんけんを挑むもあっさりと負け、置かれた書類の始末を始める。

 

 

「んふふ……今日はそっちね」

 

 

にこにこと不敵に笑うレイナをよそ目に俺は書類を目の前に移動させて仕事を始めた。

 

 

「なんだこの書類、トリニティの請求書まみれじゃねえか」

 

「どうしても、って言うなら手伝ってあげてもいいけど?」

 

 

ニヤニヤと恩着せがましく手伝いを提案するレイナを俺は丁重に断る。

 

 

「お嬢様はお嬢様らしく勉強するか遊んでな」

 

「……ふーん、もう手伝ってあげないから」

 

 

てくてくと不貞腐れながらどこかへ行こうとするレイナはそのまま、去り際に一言言った。

 

 

「それじゃ、私早瀬さんとこに用事があるから」

 

 

ぷい、とどこかへ行ってしまうレイナが持っていったのは━━━

 

 

(領収書!?)

 

 

間違いねえ、あいつ俺が隠してた領収書(23枚)(全て煙草と酒)(総額20万)をユウカに見せる気だ……!

 

 

「待った待った!ほら、手品見せるから!この書類くちゃくちゃ〜ってして戻しちゃうから!ね!」

 

 

 

━━━━━

 

 

 

「はい、これハンコ」

 

「あいよ」

 

 

こいつの名前は西条レイナ。

突然俺の目の前に現れたやけに上品なお嬢様だ。

だが他の生徒と違うところがいくつかある。

一つは、所属している学園が不明……または存在しない事。

二つ目は驚くくらい自分の素性について話さない事。

最後は……たまに寂しげな表情をする事だ。

 

そんで、シャーレの部員として志願したから当時の俺はこのお嬢様の素性を調べる為に受け入れた……

 

が、このお嬢様の素性は未だに分からずにいる。

分かっている事といえばトーストとミルクが苦手で戦闘がやけに強い事くらいだ。

 

 

「コーヒーあるか?」

 

「はいはい」

 

 

レイナがコップにブラックコーヒーを注ぐとそのまま飲み、カタカタとパソコンで仕事をしていると相棒の事を思い出す。

 

 

(こういう役回りは相棒の役回りだと思うんだがな)

 

 

相棒。

 

ルパン三世。

俺がここ(キヴォトス)に来た時にはいなかったが……

 

 

 

''大人のカードを見つめる''

 

 

 

(…………)

 

 

「先生」

 

「なんだ」

 

「正面右、三階」

 

 

オフィスの正面にあるビルの三階、その右側の窓を見ると……

 

 

「…………カイザーの連中か」

 

「かもね」

 

「ったく、こんな忙しい時に白昼堂々と襲撃か」

 

 

ゾロゾロと兵士のような連中が動き出している。

 

随分と大きく出たものだ、連邦生徒会の組織を襲撃するなんて大胆にも程がある。

 

 

「先生敵に憎まれるタイプだもんね」

 

「それはお前さんも同じだろうよ」

 

「言ってる場合?オフィスを爆破されたくなけりゃ逃げるのが吉よ」

 

「だな」

 

 

 

━━━━━

 

 

 

「車を出すのか?」

 

 

シャーレの車庫でレイナがフィアットの鍵を回すと、力強いエンジン音が響く。

 

 

「走って逃げ切れるわけないでしょうー?」

 

「マンホールから逃げれば足はつかねえぞ」

 

「臭いし、出口で待たれたら厄介」

 

「お前の場合、臭いからってのが九割だろ」

 

「うるさいわね」

 

 

シャッターが開き、ハンドルを握るレイナ。

 

 

「お嬢ちゃんが運転するのか!?」

 

「多分だけど、奴らの狙いは私よ」

 

 

アクセルを踏んだ瞬間、爆発音が聞こえる。

 

 

「連中、もう動きやがった」

 

 

150km/hの速度で走る車の中、シッテムの箱を開き状況を確認する。

 

 

「数は?」

 

「30m後方に装甲車二台、15km後方からヘリ一台だ」

 

「どうやら隠密にいくつもりは無いみたい」

 

 

その時、ドカン!と車体の横の道路で爆発が起きる。

後方を見ると、一台榴弾砲のような何かを搭載している装甲車がある。

 

 

「装甲車のくせして砲弾があるのか!」

 

「救援要請は?」

 

「とっくにしてるさ、もう五分もしないうちにヴァルキューレが来るはずだ」

 

「ヴァルキューレじゃ力不足だと思うけど」

 

 

確かに、あの装甲車を止めるとなるとヒナやホシノレベルでないとなかなか難しいだろう。

 

 

「あの装甲じゃ、俺やお嬢さんの銃だと歯が立たねえな」

 

「あの車、多分かなり古いタイプの装甲車よ」

 

「エンジン部分が丸見えって事か」

 

「狙える?」

 

「俺が無理って言った事があるか?」

 

 

拳銃を握りつつ、窓を見ると二台の装甲車に挟まれる形で並走するフィアット。

 

 

「この距離じゃ、その砲弾はぶっぱなせないはずよ」

 

「左の装甲車は機関銃だぞ」

 

「えっ、嘘!?わ、わ、伏せて!」

 

 

その時、ズダダダダ!と銃弾が窓を割り、シートや車体を貫いた結果、フィアットの天井は剥がれ落ち、上空から丸見えになってしまった。

 

 

「くそっ!次から運転は俺がやらせてもらうからな!」

 

「勝手にどーぞ!」

 

 

しばらくすると銃弾が止まり、機関銃はリロードを始めた。

 

 

「今!」

 

 

狙いを定め、トリガーを引き、弾丸が飛ぶ。

 

 

その瞬間、機関銃の装甲車は大爆発を起こした。

 

 

「次!」

 

「ッ!」

 

 

即座に振り向いて、砲弾の装甲車のエンジン目掛けて発砲する……が。

 

 

「弾きやがった、あの車やっぱり改造してやがる」

 

「何とかならないかしら」

 

「ちぃ、仕方ねぇな」

 

 

内ポケットの中に入った一つの金色の弾丸を装填しながら、言う。

 

 

 

「今度のはタダの弾じゃねぇぞ!」

 

 

 

狙いを定めて、トリガーを引き……最後の装甲車は大爆発を起こした。

 

車はブレーキで止まり、背後の爆発する道路を見つめていた。

 

 

「ふーーー、何とか窮地を脱したわね」

 

「だな、にしても何故カイザーの連中は俺達を……」

 

 

確かに聞こえる、プロペラの音。

 

 

「……」

 

「……」

 

 

上空から、機関銃で俺達を狙うヘリ。

 

 

「……しっかり捕まってて!」

 

 

アクセル全開で急発進したフィアットを追いかけるように、ヘリが俺達を狙って機関銃を乱射し始める。

 

ったく、ここは公道だぞ!

 

 

「どうする?」

 

「どうするっつったって、ヴァルキューレじゃアレは止められねえだろうな」

 

 

つまり俺達で何とかあのヘリを落とすしかない。

煙草に火をつけていると、レイナが車を運転しながら俺に聞いた。

 

 

「次元先生」

 

「なんだ」

 

「私にも頂戴」

 

「ダメだ」

 

 

当たり前だ、生徒に煙草を吸わせる訳にはいかねぇだろ。

 

 

「もう逃げ場所はねえのと違うか?」

 

「次元先生、運転変われる?」

 

「変わるっつったって、レイナ、お前……何するつもりだ?」

 

 

ハンドルを握り、レイナと運転を交代しつつ問うとレイナはニヤリと笑う。

 

 

 

 

「やっとレイナって呼んでくれた」

 

 

 

 

「あ、待て、おい!」

 

 

レイナは天井の無いフィアットから飛び上がり、ヘリの足に捕まった。

 

 

「さっさと這い上がらねえと機関銃の餌食だぞ!」

 

 

そう忠告するもレイナは返事をする事無く、背中上がりの要領でヘリの運転席に着地し……

 

 

「……マジかよ」

 

 

ヘリコプターの運転手が地面にバタリと落ちるのを見て、俺は圧巻した。

 

 

そしてヘリコプターはそのまま墜落し、爆発を起こした。

 

 

「……レイナは!?」

 

「ここよ」

 

 

いつの間にか隣に座っていたレイナは灰と煤まみれで爆発寸前で脱出した事は明らかだった。

 

 

「お前、俺に名前を呼ばれて張り切っただろ」

 

「さーあ?」

 

 

けらけらと笑うレイナを見て、俺は煙草を吐いて……聞く。

 

 

「それと、連中の狙いがお前ってのはどういう事だ?」

 

「簡単な話」

 

 

レイナが見せたのはカイザーコーポレーションの機密文書のファイル。

今後の計画、兵器などなど……カイザーにとってのアキレス腱というのは間違いなかった。

 

 

「そいつは没収だ」

 

 

と、没収しようとするとレイナはファイルを懐にしまう。

 

 

「ダメ、これは渡すべき人に渡すから」

 

「渡す人つったって……誰だ?」

 

「……友人?」

 

 

首を傾げて『友人?』と言うレイナに俺は怪しさを感じ、嫌味を言った。

 

 

「そいつが嬢ちゃんの安全を考えてねぇ辺り、ろくでもない奴ってのは確かだな」

 

「貴方よりはマシよ!」

 

「はっ!いきなりエンジンを狙えつった奴には言われたかねえな!」

 

「こんの……っ!」

 

 

 

 

Part2 Fin




という事で合作回は以上です、合作を承諾して下さったレイゴンさんほんと〜にありがとうございました。

https://syosetu.org/novel/369194/
レイゴンさんが執筆している『新任教師「次元大介」』はこちらです。
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