ゲマトリア所属生徒『西条レイナ』   作:ガガミラノ

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今回はアズサ視点からスタートです。


煤と火薬と灰と埃はよく似ている

 

 

 

「ここが私達の合宿の場所……ですか」

 

 

大きなベッド、整った空間。

 

レイナと先生を除く補習授業部は宿泊室で荷物を整理していた。

 

 

「広いですし、可愛いベッドもあって何よりですね、これなら皆で裸で寝られそうです♡」

 

「なんで裸で寝ないといけないのよっ!ベッドの数もちゃんとあるんだから皆で寝る必要無いでしょっ!」

 

「せっかくの合宿ですしそういうお勉強も必要ではないでしょうか?」

 

「ダメ!!エッチなのは死刑、禁止!!」

 

 

漫才のように、コハルとハナコが掛け合いをしているとヒフミが違和感に気づく。

 

 

「…………あれ?そういえばレイナさんは?」

 

「先生の部屋で荷物の整理をしているらしい」

 

 

キャリーケースに入ったクレイモアを手にそう言った時━━━━

 

 

 

ズダン!ズダン!

 

廊下に二発の銃声が響き渡った。

 

 

「じゅ、銃声!?」

 

「廊下からだ、先生の安全を確保してくる」

 

 

廊下に飛び出すと、そこには銃を両手に持ちながらもしなしなになっているレイナとレイナの発砲を止める先生がいた。

 

 

視線の先には、()()

 

 

「無理!むりぃ…………先生!早くなんとかして!!」

 

''と、とりあえず発砲するのはやめよう?ね?落ち着いて、レイナ''

 

「むりむりむり……絶対無理だって!ひぃ!?こっちに来たっっ!!先生!!

 

''あ、アズサ……()()どうにか出来る?''

 

 

先生が私を見てそう聞く。

 

 

()()というのは、()()の事か?」

 

「多くの人が生理的な嫌悪感を感じるアレよ!!」

 

「むん」

 

 

銃で一発、仕留めてみせた。

 

 

「先生、あとの処理は任せてもいいか?」

 

''うん、ほうきとちりとりを持ってくるね''

 

「無理ぃ……こんなとこで寝泊まりするなんて絶対やだぁ……せんせぇいかないでぇ……」

 

 

涙目でガタガタと震えながら先生の足に縋るレイナ。

 

 

''かなり重症だね''

 

「そんなにアレが怖いのか?」

 

「怖いんじゃなくて、気持ち悪いの!!」

 

 

アリウスではかなりの数で見かけたが、どうやらアリウスの外では恐れられているらしい。

 

先生がレイナを置いてちりとりを取りに行くと、ハナコ達がいる部屋からまた一匹出てくる。

 

 

「……っ!?きゃあああああああっっ!!」

 

 

コハルが叫ぶ。

 

 

「ヴェッ!?きゃあああああああっっ!!??」

 

 

レイナが叫ぶ。

 

 

「……これは掃除の必要がありそうですね」

 

 

ハナコがそう困惑した表情で言った。

 

 

 

━━━━━

 

 

 

「先生、お待たせしました!」

 

''大掃除って感じがするね''

 

 

体操着に着替え終わったヒフミがグラウンドまで歩いてくる。

 

ティーパーティーから貸してもらった別館は整っていたが、ところどころ埃や蜘蛛の巣が目立っていた。

挙句の果てに『あれ』が現れる始末で、レイナやコハルが酷く怖がっていた為、一度別館を大掃除する事にした。

 

 

「体操着の方が動きやすいし洗濯しやすいですからね」

 

 

そんなヒフミをレイナは物珍しそうな顔で見つめている。

 

 

「……あれ?レイナさんは体操着を着ないんですか?」

 

「持ってないもの」

 

「持ってないんですか!?」

 

 

驚くヒフミの背後に、ひょっこりアズサが現れた。

 

 

「忘れ物か?」

 

「いや、そもそも私体操着なんて持ってないもの」

 

 

そういえばレイナは何処かの学園に所属している訳ではないから体操着を持っていないんだった……

 

しかし、このままそのドレスで掃除する訳にもいかない、どうしたものか……

 

 

「あら♡私の体操着を貸してあげましょうか?」

 

 

そう言って遅れて現れたハナコは……案の定水着姿だった。

 

 

「なんであんたは水着なのよっ!この変態!バカなんじゃないの!?バカ!バーカ!」

 

「…………なんか痴女になる薬品とか塗られてそうだから嫌……」

 

 

水着姿のハナコを見てレイナは苦々しい顔をしながら断る。

 

 

「あら、そうですか……残念です」

 

 

その後、ハナコはちゃんとした体操着を着てきた。

レイナはヒフミの予備の体操着を貸してもらった。

 

 

 

━━━━━

 

 

 

「まずは建物周辺の雑草から抜いていきましょう、日差しも強いですし熱中症には気をつけてくださいね」

 

「はーい♡」

 

「なるほど、確かに本陣の周囲で、敵が隠れそうなポイントを取り除くのは理に適っている」

 

「とりあえず建物の周りを整えたら、一箇所ずつお掃除をしていくという順番でお願いします!」

 

「さあ、始めましょうか!」

 

 

(…………暑い……)

 

 

校舎周辺の雑草抜きをする、というのは良いがこの酷い暑さと日差しはなんとかならないものか。

 

肌寒い都市に来たかと思えば、次は灼熱のグラウンドだ。

まったく、これじゃあ風邪をひいても仕方ないだろう。

 

 

文句を言っても仕方ないので、うろうろとグラウンドや校庭の周りをうろついているとある物が草場の影に隠れていることに気づく。

 

私はそれを拾い上げ、じろじろと観察した。

 

 

 

「……ガラクタか」

 

 

酷く錆びたクワ……いや、違う。

グラウンドの砂や土を整える物、だろうか。

 

どっちみち、ここまで錆びてしまえば使えないだろう。

 

 

「ぽい」

 

 

と言って、クワをゴミ処理場に投げ捨てる。

 

 

 

━━━━━

 

 

廊下担当区域、アズサ。

 

 

「ここはほうきで掃いて、モップで掃除した方が良さそうですね」

 

「問題ない」

 

「アズサちゃんは廊下が終わったら、シャワー室とお手洗いの辺りをお願いしてもいいですか?」

 

「了解、任せて」

 

 

……

 

 

応接室担当区域、コハル。

 

 

「けほっけほっ、何ここ……すごい埃……」

 

「えっと、ではここも埃を掃いて……」

 

「や、やり方くらい知ってる!正義実現委員会でずっとやってるし!」

 

「マスク着けて埃払って、水拭きすれば良いんでしょ!バカにしないで!」

 

「ば、バカにしたつもりは無いですよ……?ではここはコハルちゃんにお任せしますね!」

 

 

……

 

 

宿泊室担当区域、ハナコ。

 

 

「えっと、ここは……」

 

「これから色々とお世話になる場所ですし、きちんと掃除しておかないとですよね、寝具類は今洗えば午後には乾くでしょうし……あとは換気を……」

 

「すごい、詳しいですね!ではお願いしますね、ハナコちゃん」

 

「うふふ、はい♡」

 

 

……

 

 

教室担当区域、レイナ。

 

 

「すごく整ってますね!窓もピカピカで綺麗です!」

 

「先生がすぐ部屋を汚すから掃除は得意よ」

 

(本当は黒服やマエストロの研究室の掃除をしていたからなんだけどね……)

 

「それじゃあレイナさんには教室をお願いしますね!」

 

「了解」

 

 

……

 

 

''こんなところかな''

 

 

大掃除が終わる時間帯の頃、中庭で一度集合する事に。

 

雑草が生い茂り、ガラクタがそこらじゅうに落ちていた中庭も今や美しい庭園と化していた。

 

そんな中庭も見て、コハルも満面の笑みで言う。

 

 

「うん、いいんじゃない?結構キレイになった気がする」

 

「……あれ?レイナは?」

 

「なんか先生の部屋も掃除するって言ってた━━━」

 

 

ドガァァァァァンッ!

 

 

コハルが話していた途中で、校舎から爆発音が響いた。

 

 

「っ!?ば、爆発音!?」

 

「先生の部屋の方だな」

 

 

 

━━━━━

 

 

 

モクモクと換気口から黒い煙が出てくる。

私も換気口から床にボトリ、と落ちる。

 

 

「ぐっ……げほっげほっ!」

 

(クソ、クレイモアだと!?換気口に盗聴器を仕掛けようとしたら地雷があるなんて……ティーパーティーの仕業か!?)

 

 

隙を伺い、先生の部屋に盗聴器を仕掛けようとしたらクレイモアに引っかかり見事失敗。

 

最近の私は失敗続きで嫌になる。

 

 

ドレスの煤を払いながら立ち上がると廊下から白洲アズサが慌てた様子で走ってくる。

 

 

「レイナ?」

 

「……白洲さん」

 

「……すまない、人が通らない所に設置したつもりだったんだが……」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

そうだ、そういえば白洲アズサはゲリラ戦で正実を追い詰めた人間だった!!

 

 

「ごめんなさい、ちょっと……ネズミが換気口に逃げるのを見ちゃって」

 

 

私は苦笑いをしながら嘘の事情を述べると、遅れて先生や阿慈谷ヒフミ達がやってくる。

 

 

「れ、レイナさん大丈夫ですか!?」

 

「大丈夫、怪我は無いわ、ただちょっとした煙と爆発音がする地雷だったみたい」

 

「本当にごめん、レイナ」

 

「大丈夫、気にしないで」

 

 

しかし、問題は汚れまみれの私だ。

身体中煤や埃まみれ、今すぐにでもお風呂に入りたい。

 

 

「しかし煤まみれですね、シャワーは確か……」

 

 

そんな汚れまみれの私を見つめて、浦和ハナコは何かを閃いた。

 

 

「……そうだ、シャワーを浴びるならついでにプール掃除をしませんか?」

 

「プール掃除?」

 

「はい、先程見かけたんですけど屋外プールがグラウンドの傍にあって、レイナさんがシャワーを浴びるならいっそ、皆でプール掃除をすれば楽しくありませんか?」

 

「水泳の科目は無いじゃん、やる必要ある?」

 

「けほっけほっ!……いいからシャワー浴びさせて……」

 

 

なんでもいいから早く水を浴びさせて欲しい。

 

 

「ほら、レイナさんもこう言っていますし♡」

 

「確かに、校舎は綺麗なのにプールだけ汚いっていうのもなんだか寂しいですしね」

 

「それに明日から勉強の毎日が始まる事ですし、今のうちに遊んでおかないと!」

 

 

自分が水着姿になりたいだけなんじゃないのか???

 

 

''な、なんだかハナコの目が怖いような……''

 

「さ!さ!早く濡れてもいい服に着替えて!」

 

 

 

(……なーんか、利用されているような……)




Q.レイナの苦手な物は?
A.トースト、牛乳、アレ

Q.レイナはアズサがアリウスな事を知っている?
A.知らない。

Q.『あれ』ってなんですか?
A.『あれ』は『あれ』ですよ、多くの人間が不快感を示す『あれ』






感想などありがとうございます!!
まじで嬉しいです、またよかったらください〜
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