ゲマトリア所属生徒『西条レイナ』   作:ガガミラノ

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頭空っぽにして読むべし!
メリークリスマース!


クリスマスなんてクソ喰らえだもんネッ!

 

 

 

 しんしんと雪が降る、窓の外を見れば人が大賑わいしており暖簾には『クリスマスセール』なんて言葉が羅列されていた。

 

 

 ''そういえば今日はクリスマスだね''

 

 

 休憩中、ユウカにそう語りかけるとユウカはニコニコと笑う。

 

 

「そうですね、チキンでも注文しますか?」

 

 

 本来、チキンを注文してパーティーの支度をするべきなのだろう。

 だが、今年は別だ。

 

 

 ''そうしたいのは山々なんだけどね……''

 

 

 ふと、レイナの方へ目を向ける。

 

 

「うん、大丈夫」

 

 

 …………窓の裏にサイレン装置を設置するレイナ。

 

 

「何が大丈夫なんですか!?」

 

 

 と、ユウカの困惑と怒りが混じったような声がオフィスを響かせる。

 

 

「対サンタ用トラップ装置よ、今宵はサンタを生け捕りにして明日の晩餐にするわ」

 

「晩餐って」

 

 ''何故かレイナが今朝からこの調子で少し困ってるんだ''

 

「いつもは普通ですよね、どうして今日はこんなに……」

 

 

 普段のレイナはこんな変な行動はしない。

 いつもならさりげなく仕事を手伝ってくれたりするか、一人でスイーツを頬張っていたりするが今日はなんだか殺気立っている。

 

 

「私はクリスマスが大嫌いだからよ、クリスマスがクリスマスたる所以を知ってる?」

 

「サンタの存在……ですか?」

 

「そう、サンタがいるからクリスマスがある、つまりサンタを捕まえて二度とプレゼントを配れない体にすれば、クリスマスはクリスマスでは無くなるの」

 

 

 さりげなくレイナはこの世にサンタが存在するかのような発言をしているが、残念ながらこの世界にサンタは存在しない。

 

 まさかレイナがサンタの存在を信じているとは思わなかった、以前から思っていたが彼女はどうも子供っぽいところがあるような……

 

 

「えっと……レイナさん、サンタは━━━」

 

 

 と、ユウカが諭すように話しかけるがレイナはそれに被せる形で語った。

 

 

「忘れもしない幼少期、私はサンタの存在を絵本から知ったわ、良い子にしていればサンタがやって来てプレゼントを渡してくれる」

 

「私はその年人生で最も良い子になったわ、欲しかったプレゼントは美味しいケーキ……それだけあれば満足だった」

 

「でもサンタは私の元にやって来なかった!!靴下を吊るして!手紙に願い事も書いて眠ったというのに!」

 

「だから私はサンタが、クリスマスが嫌いなのよ!!良い子にしたってプレゼントをくれやしない!!まだ私のクリスマスはあの夜から終わってないのよ!!」

 

「え、えぇ……」

 

 ''そんな過去が……''

 

 

 何気無くレイナの過去を知ってしまったが、それどころでは無いだろう。

 

 

「私はチキンもプレゼントもいらない、欲しいものはただ一つ!サンタの薄汚れた血肉、それさえあれば私の『クリスマス』は終わるのよ!」

 

 

 まるでラ○ボーだ。

 

 

「…………どうします?先生……」

 

 ''これは重症だね……''

 

 

 困った。

 彼女の傷は思っていたより深いらしい、どうしたものか……

 

 

「対空砲、ロケットランチャー、火炎放射器……今まで私はサンタを仕留める事に失敗してきたけど、今年こそは捕まえてみせるわ」

 

 ''…………レイナ……''

 

 ''サンタさんは、サンタさんは……!''

 

 

 と、彼女に真実を告げようとした時━━━ユウカが神妙な顔で彼女を見つめた。

 

 

「レイナさん」

 

「……早瀬さん、止めないで」

 

 

 どうやらこんな事をするのは間違っているという自覚はあるようで、自分の肩を掴むユウカにレイナは苦々しい顔をしていた。

 

 しかし、ユウカはそんなレイナに微笑んだ。

 

 

「いいえ、止めません」

 

「ミレニアムでもサンタを捕まえようとあらゆる部活動が躍起になっています」

 

「でもサンタは未だに捕まえられていません、それどころか姿すら捉えられていない……」

 

「……サンタは超人なんです、ミレニアムの技術力を以てしても捕まえられないんです」

 

 

 つまるところ『ミレニアムですら捕まえられないのだから諦めよう』という語りかけだ。

 

 そんなユウカの語りかけに、レイナは険しい顔をした。

 

 

「……ええ、理由は分かっているわ」

 

「えっ」

 

「それはミレニアムの生徒が一年中研究や論文作成をしているからよ、ミレニアムのもやしっ子の身体能力じゃ捉えられないかもしれないけど、私なら捉えられる!」

 

 

 意気揚々に燃え上がるレイナ。

 そんな彼女に、私達は大きなため息を吐いた……

 

 

「ダメみたいですね……」

 

 ''……私の方で今夜、何とかしてみるよ……''

 

 

 

 ━━━━━

 

 

 

 夜中の三時……

 私は音を立てず、レイナの部屋に入った。

 

 レイナは屋上でサンタが来るか見張っている、私やエンジェル24にいるソラに迷惑がかからないように、ドアの方にはトラップを仕掛けていないという事実は事前に聞いていた。

 

 静かに、ゆっくりと机の上に……プレゼントを置く。

 

 

 その時だった。

 

 

「引っかかったなッ!サンタ!オマエがこの部屋に正面から侵入する事は想定済みだ!!」

 

 

 背後から叫び声が聞こえて思わず転げる。

 電気がつき、床に這い蹲っていると私はその叫び声の正体に気づいた。

 

 

 ''あっ''

 

「えっ……先生?」

 

 ''れ、レイナ……''

 

「先生がサンタさんだったの!?」

 

 ''違うよ??????''

 

 

 

 

 この後、一緒にプレゼントのケーキを食べて私達のクリスマスは終わった……




レイナ「クリスマスなんて、嫌いよっ!!」


Tips 本当はレイナがクリスマスイブの夜に街を暴れ回るという回を書いてました




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