実は二人が知り合いだという伏線を張ってたりします、見つけた人は感想で答えを送ってみてね
「おはよう」
''おはよう……って、パジャマ!?''
朝、仕事の支度をしているとパジャマ姿のレイナがオフィスに現れる。
眠たげな目を擦りながら、レイナはだるだるのウェーブキャットパジャマを着こなしていた。
「これ以外にはボロボロのドレスしかないもの」
''……今度、新しいドレス買ってあげるよ……''
「大丈夫?結構高いけど」
心配そうな顔を見る彼女。
大丈夫だ、私は大人……こういう時の為に『大人のカード』があるのだ。
自信満々に胸を叩く私はレイナに聞いた。
''いくらくらい?''
「ジャケットのスーツが四万、ドレスは七万」
''……!?''
総額十一万。
110000、数字が六つ並んだ。
冷や汗がダラダラと流れる、背筋が凍る。
「買ってくれるんでしょう?」
疑惑の目を向けるレイナ、私は懇願するように述べた。
''あの……もう少し安いのは……''
「ありえないわね」
キッパリと即答。
私は絶望しながら、苦笑いをした。
''…………明日、ユウカに相談するね……''
「くすくす」
「してやった」なんて顔をするレイナを見て私は泣き叫びそうになった。
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暫く時間が経って、仕事が始まった。
パジャマ姿で仕事をするレイナは少し新鮮だったがすぐに慣れ、レイナ自身も全く気にしている様子は無さそうだった。
''……あ、そういえばなんだけど……''
「ん」
''昨日、救護騎士団の子達を呼んでおいたよ、ここで治療してくれってお願いしたからシャーレで治療してくれると思う''
「…………なんだって?」
青ざめるレイナに私は疑念を抱きつつ、もう一度言った。
''だから、救護騎士団の子達が━━━''
その時、地が揺れる。
地震、爆発……いや、違う。
この音は………………
「救護ッッッッッッッ!!!!!」
「ぎゃあああああっっっ!!!!」
''!?''
突如、救護騎士団の制服を着た青色の髪の生徒が天井を突き破り、そのままレイナを捩じ伏せた!
「救護騎士団、蒼森ミネ、シャーレの要請に従いトリニティより参りました」
「離せえええええええっっ!!私はまだ『
「む、骨も折れているようですね」
叫ぶレイナとは対照的に冷静にレイナを診るミネ。
私はそんな光景に呆気にとられていた。
「裏切り者!!先生の裏切り者!!」
レイナの必死の叫びに、私は現実に引き戻されてレイナを捩じ伏せているミネに嘆願する。
''え、えっと……とりあえずレイナを離してあげられないかな、ミネ……''
「いえ、そういう訳にはいきません、セリナ達によるとあのミカ様と肉薄していたようなのでこうして抑えないと暴れるかと」
「抑えつけられるから暴れるんでしょうがああああああああ!!」
''わ、わァ……''
どうすればいいか分からない私はその様子をただ傍観する事しか出来なかった。
「先生、要請によるとこのシャーレで治療をすれば宜しいんでしたよね?」
''あ、うん……''
流れで肯定してしまった、雰囲気とは恐ろしいものだ。
「チェーンソー療法だけは嫌だ、チェーンソー療法だけは嫌だ……」
「チェーンソー療法……ハナエが得意とする療法ですね、分かりました、では注射による抗生物質投入をさせて頂きます」
「ぎゃああああああああ!!!!先生!助けて!やだ!離して!!」
手馴れた雰囲気で懐から注射針を取り出すミネは……プロの所業だった。
''…………ミネ、なるべく優しくしてあげてね……''
「大丈夫です、では早速注射を」
レイナのパジャマの袖を捲るミネ。
「注射やだ!!やめて!怖い!!ねえ!!」
「暴れると痛みますよ」
「やだ!助けて!!誰か、誰か━━━」
ブスッ
その時、シャーレ設立史上最も大きな叫び声が響いた。
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「…………」
「はい、包帯も巻き終わりました」
「…………あは……アハハ……こんなになっちゃった……」
その後のレイナは大人しく、包帯をぐるぐると巻かれる事を受け入れていた。
''あ、あの……ミネって確かセイアの元にいたんだよね……?''
「はい、ですが容態が非常に良い方向へ向かった事と重傷者がシャーレにいるとの事でここに参りました」
(……あんの化け狐……!生きてたのか……!)
レイナが親の仇を見るような顔をしている、怖い。
「治療は完了です、あまり動き回らないようにするのと左足は松葉杖を使って動いて下さい」
「…………はい……」
( ''叱られた猫みたいになってる……'' )
ミネからの声がかかると一変、萎びた顔でレイナは小さな声で頷く。
「では私はセイア様の所へ戻りますね、また何かあれば参上します」
「もう来ないで」
「失礼します」
足早で去っていくミネ。
壊れた天井から落ちる小さな瓦礫。
……嵐の後のような、しーんとした謎の静けさが訪れた。
「うぅっ……注射きらいなのに……怖いのやだって言ったのにぃ……」
ぼろぼろとギャン泣きするレイナは松葉杖を投げ捨てて部屋に戻る。
この後セリナ達が慌てた様子で天井の修復をしに来た。
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『怪我は大丈夫ですか?レイナちゃん』
携帯電話から心配する声が聞こえる。
声の主は阿慈谷ヒフミだ。
「ああ、うん、大丈夫……少し『救護』されちゃったけど元気よ、今はもう普通に動ける」
『そうですか……本当に良かったです……!』
心配そうな声から喜びの声に変わる。
先生といい、阿慈谷ヒフミといい、どうしてこうもお人好し……というか優しさを持った人間の声は心地良いのだろうか。
「……合格おめでとう、こうして電話で伝える事になってしまって申し訳ないわ」
『いえいえ!大丈夫ですよ!……本当にありがとうございます、レイナちゃんがいなかったらきっと合格する事は難しかったと思います』
「そうかしら、貴方達と先生だけでも合格出来そうだったような気がするけど」
私は確かに補習授業部の子達に勉学を教えたが、言ってしまえばそれだけである。
よく考えてみれば私がいなくても彼女達は無事に合格出来たのでは無いか?と思う。
先生、阿慈谷ヒフミ、浦和ハナコ……うん、やっぱり私まで教える必要無かったのではないだろうか……
まあ、楽しかったからいいか。
『そんな事ありませんよ!……あ、そうそう、今度アズサちゃんと海に行く予定なんですけど、レイナちゃんも一緒に行きませんか?』
「海……良いわね、行きましょう」
『了解です!また今度日程を連絡させて頂きますねっ!』
「分かった、それじゃあまた」
『はーい!』
ツー、ツー、ツー
ばたりとベッドに倒れ込み、無機質な天井を見上げる。
(……海、か)
この時、私は海がどういうモノかぐるぐると考えていた。
絵画では何度も見た事あるが、実物は見た事が無い。
やはり広大なのだろうか、それとも案外大した事無かったりするのだろうか。
そんな浮かれているような気分になっている私だったが……この後、海に行く前に一悶着ある事を知らない。
狂ったAIによる侵略の一端。
私はそれと
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━システム・再起動。
━メインコマンド・正常
━動力炉・正常
パスは『理解を通じた結合』
砂漠が揺れる。
白い鋼鉄が砂を裂き、その姿を表した。
鯨とも、蛇とも言える白色の鋼鉄は
自己の証明をする為に、神の再証明の為に、動き出す……
Tips レイナは死ぬほど注射が嫌いです、貴方本当にゲマトリアのメンバーなんですか……?
Tips 団長による『救護』かの方がマシか、ハナエによる『チェーンソー療法』の方がマシか、よくキヴォトスでは議論が巻き起こる、レイナは『救護』派。
幕間はこれにて終わりです、よかたら感想くださいね