聖園ミカにTS転生した 作:魔女じゃんね☆
「今日からゲヘナの風紀委員長に代わって風紀委員長に就任した聖園ミカじゃんね★ いつもはゲヘナなら誰でも狩ってたけど今日からは暴れたやつと不快に思ったやつだけを折るじゃんね★」
「あの、聖園ミカさん。それ何も変わっていないと思うのですが……?」
「ゲヘナ生なんてどいつもこいつも無法者しかいないから問題ないよ」
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"。どうしてこんな事に……」
ゲヘナの風紀委員会に所属する火宮チナツは近くにいるだけで押しつぶさんばかりの質量を持った覇気を放つ聖園ミカの様子を見て頭を抱え、キリキリと痛む胃を押さえた。ゲヘナという普段から胃が痛くなるような騒動が起こる学園に入学して最大級の胃の痛みを感じながらこのように至った経緯を思い出していた。
きっかけは単純だった。いつも通りの日課と化していた聖園ミカのゲヘナ狩りで今回初めて風紀委員会と聖園ミカが対峙したのである。普段はミカの方から避けていたが比較的に近い距離にいたことでついに遭遇するに至ったのだ。
『聖園ミカ。ようやく捉えたわ』
『あの時のゲヘナちゃんかな? 強くなったんだね』
『そうよ。だから今日で決着をつけるわ』
いつも以上にやる気を出した空崎ヒナ率いる風紀委員会と聖園ミカは激戦を繰り広げた。と言ってもその内容はやや一方的なものであった。
「喰らえ! トリニティの規則違反者め!」
「そんなのに当たるわけないじゃん」
最初に仕掛けたのは風紀委員会では空崎ヒナに次ぐ実力を持った銀鏡イオリだった。直情的で一部からは扱いやすい、罠に嵌めやすい奴と認識されている彼女も聖園ミカ相手なら十二分な実力を発揮できた。無論、それでミカに勝てるわけではなかった。
ミカは次々と放たれるイオリの銃弾を躱すと彼女を目にもとまらぬ速さで通り過ぎた。そして、通り過ぎる瞬間にラリアットの形で彼女の首元に腕を持っていく事でイオリの意識を一瞬で刈り取り、そのまま彼女を近くの風紀委員たちに吹き飛ばしたのである。
「きゃあぁぁっ!?」
「一人で相手してはだめです! 固まって……!」
「アハハ★ その程度でどうにかなるわけないじゃんね」
「ひっ!?」
アコが慌てて指揮を執ろうとしたがその瞬間にはミカが隣におり、思わず小さな悲鳴を上げるがその瞬間にはアコの視線は上下逆転していた。それと同時に足首を誰かに掴まれている感覚。
「ヘンテコな服じゃんね。やっぱりゲヘナは下品だね」
「は、離しなさい……!」
両足を掴まれているがそれでも抵抗を続けるアコだがミカはアコの事など気にしていないと言わんばかりに彼女をおもいっきり振り回し始めた。そして、まるでこん棒のように彼女を風紀委員にぶつけ始めたのである。
「聖棍棒ならぬ悪棍棒じゃんね★」
「ぶっ!? いったいぐっ!? 何をうっ!? 言ってるぅっ!? んですか……!」
まさにど根性バットの如く振り回されていく彼女によって風紀委員のメンバーは次々と吹き飛ばされていく。そして武器として振り回されていくアコも次第に喋る気力さえなくなり、大半のメンバーが戦闘不能になったころにはアコは青あざだらけで気絶していた。
「これで残すはゲヘナちゃんだけじゃんね」
「ここで倒すわ」
アコを無造作に投げ捨てたミカと空崎ヒナによる激闘は数時間にも渡り行われた。ヒナの武器であるデストロイヤーを何度も浴びても意に介さずにヒナに一撃一撃が意識を刈り取りかねない連撃を叩きこむ。拳と銃弾が入り混じる激戦は周辺を更地に変え、周囲の人をゲヘナ外にまで逃走させ、ついでにカスミを地面に埋める程の激闘になった。
そして、激闘の末に勝利を掴んだのは聖園ミカだった。多少の疲労とダメージだけで目立った傷さえ負っていない彼女はボロボロで地面に倒れ伏している空崎ヒナを見下ろした。
「流石は噂に聞くゲヘナちゃんじゃんね★ ここまでダメージを受けたのは雷帝を叩き潰した時以来だよ」
「そう。でも倒せなかったわ……」
その後、事態を聞いた桐藤ナギサによって聖園ミカは回収され、羽沼マコトの胃は過去に類を得ない程ダメージを受けて入院することとなり、議長代理をイロハが嫌々ながら務める事となった。
「ミカさんの雄姿とそれより発生させるダメージを間近で見て受け止めたかったですが流石に今回はやりすぎです」
「ナギサ? 今回”は”じゃなくて今回”も”の間違いではないかい? そろそろ君も入院した方が良いんじゃないか?」
もはや隠そうともしない変わり果てたナギサにセイアは可哀そうな人を見るような目で突っ込みを入れていたが流石に今回ばかりは特大のやらかしであった為にミカは罰を受ける事になった。その罰というのがゲヘナの治安維持の協力であった。
「ヒナ委員長は最低でも1月の入院。アコ行政官は半年、イオリは首の骨折で絶対安静。貴方のせいで風紀委員会は壊滅状態ですよ」
「安心していいよ★ 私の手に掛かればゲヘナから騒乱は消え去るからね」
「……全員を病院送りにして物理的に静かにさせるのは無しですよ?」
「……ソンナコトシナイヨ? アカタイツチャン」
「誰が赤タイツちゃんですか」
奇跡的に大した怪我もなかったチナツは「一月風紀委員長」というタスキを付けたミカを見て何度目とも知れない胃の痛みを覚えていた。普段からゲヘナの様子に胃を痛める事があったが今回ばかりはその比ではなかった。ちなみに、今日が初日である。初日でこれなら一月後にはチナツは胃に穴が開いて先輩たちと入れ替わるように入院する事になっているだろう。
「(聞いた話ではヒナ委員長たちには先生が付きっ切りで看病しているらしいですね。すごく羨ましいです。なんで私だけ無傷でいられたんでしょうか……)」
今頃ヒナを甘やかし、イオリの脚を舐め、アコにペットプレイを強要されているだろう先生の事を思い浮かべてチナツは死んだ目を浮かべていたがそんなチナツにミカが何かが書かれた紙の束を出してきた。
「赤タイツちゃん。これ上げる」
「? これは?」
「今後の方針が書かれた紙だよ★ 今日から3日間私はゲヘナ全体に私が風紀委員長になった事と騒ぎを起こした者は監獄じゃなくて病院送りにする程痛めつけるという事と3日間だけ自首した人だけ情けをかけて手を出さない事を放送するんだよ。既にイロハちゃんには通達して準備させているから直ぐにでも連絡が来ると思うよ」
「……つまり3日間は何もしないと?」
「そうだよ★ 風紀委員会は壊滅状態だし少しは休みが取れるようにしないといけないからね★ 安心してよ! 連絡を聞けば温泉開発部とか美食研究会とかは自首してくると思うよ。だって3日後には真っ先に潰しに行く予定だからね★」
「……」
キヴォトス全体で見ても最悪のテロリストと言われる二つの部活が静かになるだけでも治安が大きく良くなるだろう。それならば戦力が半減した風紀委員会でも対処は出来るだろう。そもそもよく考えればゲヘナの騒乱の大半は目の前のミカが暴れた事が原因であり、それが大人しくしているのならばそれだけでゲヘナの治安は改善されるだろう。
「……わかりました。メンバーには私から伝えておきます」
「よろしく★ あ、私は一月の間風紀委員会に住むことになったから、空き部屋一つ借りるね★」
「あ、泊まり込みなんですね」
放課後や休日くらいしかゲヘナに舞い降りていなかったミカがずっといるとなればゲヘナで騒ぎを起こす人は減るだろう。チナツは胃の痛みと引き換えに何時もの激務からは解放されそうな予感に少しだけ肩の荷が下りる気持ちを感じるのだった。
その後、万魔殿からの連絡で風紀委員長に聖園ミカが一月だけ就任したこと、3日後までに規則違反者は自首する事。でないと聖園ミカが全員病院送りにすると宣言していると放送するとゲヘナは一瞬で静かになったという。
更にカスミやハルナと言った温泉開発部や美食研究会は顔を青くしながら自首してきた事でゲヘナの治安は大幅に改善されていく事になった。特にミカが泊まり込みでゲヘナにいるという話が広まった瞬間誰もが口喧嘩さえしなくなり一月の間だけゲヘナの治安はキヴォトスでもトップに君臨する程良くなることとなったのだった。
一月後に先生に甘やかされて艶々としたヒナが帰還するまでゲヘナは(悪)夢のような平和な場所となるのだった。
流石のミカも立場が付与された事でいつものゲヘナ狩りは一月だけ自重しました。その後?いつも通りに悠々とゲヘナ狩りを再開しましたよ
え?ティーパーティー?欲しくて手に入った地位じゃないので部下に押し付けていますが?