スレ娘転生ダービー   作:ファイン好き

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なんか気付いたらすごい評価されてたので慌てて書き上げました

一話しか投稿してないのに色付くとか始めてだぞ……


第2話

───そしてついにレースの日がやってきた。

 

 

「蹄鉄ヨシ!!」

 

「ジャージヨシ!!」

 

「水筒ヨシ!!」

 

気合いを入れて指差し持ち物確認。指差しは大事だって現場猫も言ってた。

忘れ物は無く、気合いも十分に入っている。

現在時刻は午後0時半。予定よりだいぶ早いが、遅れるよりかは早い方が良いだろう。付近で買い物もしたいしなヌッ

……あれ、財布は……あるわ。良かった。

 

念のため財布の中身を確認していると「何かあったらすぐ電話するのよ~」と家の奥のキッチンから声が聞こえる。母さんだ。

 

「わかってるよー!!」

 

もう俺は高校生なのだから、そんなに心配しなくてもいいのにと思う。だけど、それが煩わしいなんてことも無い。反抗期は前世でとっくに過ぎ去った。どうやら反抗期は生物的なものではなく魂によるものだったらしい。

 

では、そんな親の愛を背に受けて、昭和記念公園へイクゾー!!デッデッデデデ

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

さて、付近で買い物をすると言ったが、具体的に何を思い浮かべただろうか。コスメ?日用品?それともレース用の何か?

……ノンノン、正解はカードショップだ。

立川駅にてBOOK・○FFやら専門店やらを巡ってデッキのパーツを購入していたのがこの俺……!意識低い系ウマ娘のシータバーンメアよ。

 

別に、トレセン学園の生徒でもないウマ娘なんてそんなもんだ。ウマ娘は走る為に生まれてきたとは言うけれど、それは種族としての方向性であって一個人の在り方にまで影響はしない。

 

ちなウマ娘のカードゲーマーは珍しいらしくて、結構ちやほやされる。正直気持ちいいのでこれからも続けていくつもりだ。不思議なことにエロい目で見られた事はない。これでもjkなのに……ウマ娘世界って民度高いんやなぁ(すっとぼけ)

それにそういう目で見られないのは機能美を追求した我が肉体のせいでもあるか。でも最近ちょっと太ってきた希ガス……

 

……気のせい!!気のせいだな!!うん!!

 

心なしかふくよかになってきた腹周りから目を逸らしつつ、バスで公園に向かう。

俺の家から昭和記念公園まではそれなりに距離がある。前世よりかは近いが、それでも気軽に行ける距離ではない。

そんな場所を指定したのは、理由がある。

 

前世でも十分広かった昭和記念公園だが、ウマ娘世界においてはさらにでかくなっている。市民ウマ娘が使えるレーンが敷地内に敷かれているからだ。元の世界には勿論こんな物は無かったが、やはりその違いはウマ娘補助金制度によるものだろう。

なんでも地域に在籍しているウマ娘の人口に応じて国から補助金が降りる制度があり、ここ立川のウマ娘人口は都内でもかなり上の方らしいのでかなり貰っているとのこと。

 

(オグリとスペを思い出して)基本的には良い制度なんじゃないか?食事やら靴やらウマ娘の生活は基本的にヒトミミより金が掛かるからねしょうがないね。

 

まあ田舎の過疎地域だとそもそも母数が少ないから補助金がそんなに貰えず、それによって地域格差が激しくなっているから一概には良いとは言えんがな。

 

「さてさて、スレの方はどうなってるかな」

 

スマホ……ならぬウマホから転生者レース当日スレの様子を覗く。というかウマホってなんだよ(唐突)

 

 

◇◇◇

 

12:閃光のロリウェイ

じゃあワイはもう行くわ

遅れんなよイキりバカ二人wお前らから誘ったんだからなw

 

13:アバレウマ

>>12

遅れるわけねーだろガキ

ぶっ飛ばしてやるよ

 

14:旅程じゃないよ旅路だよ

>>12

お前こそ余裕ぶっこいて遅れんなよ

 

15:名無しの転生者

バカトリオ出発キタ━(゚∀゚)━!

 

16:名無しの転生者

おっ、そろそろか

 

17:名無しの転生者

ズッコケ三人組ってやつ?

 

18:名無しの転生者

なっつ

 

19:劣化アルダン

前世で小学生の時滅茶苦茶読んでたわ

ラーメン屋経営の話とかバカおもろかった

 

20:名無しの転生者

それな

小学校の図書室で借りまくった思い出が甦る甦る

 

21:Hニキ

ははーん、さてはお前ら前世オッサンだな?

世代トークはほどほどにしてもろて

 

22:名無しの転生者

>>21

おおおオッサンちゃうわい!!

 

23:劣化アルダン

じゃワイもそろそろ行くわ

 

24:名無しの転生者

アルダンニキは足気をつけてな

 

25:劣化アルダン

心配サンガツ

ま、程々に本気出すわ

順位とか関係ないしな

 

26:名無しの転生者

いやー、それにしてもレースオフ会とかええな

ワイもウマ娘やったら参加してたわ

 

27:名無しの転生者

レース観戦とかってできんの?

 

28:名無しの転生者

>>27

流石に今からはキツくね?

 

29:メアメアバンバン

>>27

まあ公園に行けば見れない事もないわ

見たかったら見てええで

 

30:名無しの転生者

はえーサンガツ

良いこと聴いたわ

 

30:名無しの転生者

どうせ暇やし見に行かせてもらうわ

 

32:名無しの転生者

ええやん

ステータスとかじっくり見てみたい

 

33:名無しの転生者

転生チート持ちだ!!囲め!!

 

 

 

◇◇◇

 

 

さて、スレ内のレスを見て分かる通り、今回参加するのは『閃光のロリウェイ』『劣化アルダン』『アバレウマ』『旅程じゃないよ旅路だよ』『Hニキ』と俺こと『メアメアバンバン』を入れて計六人。

 

ちなみに、スレを乗っ取られたのに快く受け入れて下さった聖人イッチと、何故か参加するつもり満々だった管理人は予定が合わず惜しくも不参加となった。

 

……なんかマトモっぽそうな人アルダンニキしか居ない……居なくない?(不安)

急に全員予定通り来るか不安になってきたのでもう一度スレに日時と場所を伝えておく。

 

数分待って反応を見たところ、アバレウマニキが一時間勘違いしていたことが分かった。直感って大事なんやなって……

 

取り敢えずアバレウマニキとちゃんと正確な情報を共有できたので一安心。

これで全員ちゃんと把握できたようなので、後は集合場所で待つだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふー……」

 

 

 

……心臓が、高鳴っている。

 

一週間前のそれのような、未知への興奮と期待だけではない。不安もある。緊張もある。

 

だけど、まぁ。

 

 

だいたいそういうのは成功フラグだし。

 

 

大丈夫だろ。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

その後、特に何事もなく無事公園の集合場所に到着できた。まだ集合場所には誰もそれらしいウマ娘はいなかったので、どうやら俺が一番乗りらしい。

 

時間を確認すると、時計の針は午後二時半を指している。三十分ほど早くきてしまったようだ。

直前までかなり緊張していた俺は、なんだか拍子抜けして付近のベンチに腰を降ろした。

 

「…………」

 

 

なんとなくあたりを見回せばたくさんの親子連れやカップルが目に入る。

日曜日だからか人は平日に比べればかなり多い。

折角ならもう少し人の少ない平日を選びたかったが、あいにくスレ民は殆ど学校に通っているので土日か祝日しか選択肢が無かった。

 

スレに到着報告を書き込んでからは、特に何もすることがない。後はひたすら待つだけ。

緊張のせいかいつもやってるソシャゲもやる気がおきず、ボーッとベンチに寄りかかっていた。

 

そうして待つこと十分。

もう一回スレを開こうと思っていた矢先、影が近づいてきた。

 

「……あの、メアメアバンバンさん、ですよね?」

 

 

 

◇◇◇

 

 

35:メアメアバンバン

【朗報】全員無事集合できた模様

 

とりま集合写真撮ったから貼るわ

 

つ【各々が掲示板でのコテハン名が書かれた紙を持った集合写真】

 

 

36:名無しの転生者

おおーよかった

 

37:名無しの転生者

ちゃんと時間通りに集まれたんやね

 

38:名無しの転生者

安心したわ

 

39:閃光のロリウェイ

まあ一人間違えかけていた奴がいたけどなw

危なかったンゴねぇw

 

40:アバレウマ

ぐうの音も出んわ

すまんかった

 

41:閃光のロリウェイ

ええんやでw

 

42:名無しの転生者

やさしいせかい

 

43:名無しの転生者

というか全体的に可愛いな

 

44:名無しの転生者

これホンマにお前らなん?嘘や可愛過ぎる

 

45:名無しの転生者

割とデカめのショック受けてるわ今

やばいかも

 

46:名無しの転生者

エッチニキおっπデカ過ぎィ!!

これもうエッチニキじゃなくてエッチそのものだろ

 

47:名無しの転生者

メア身長小さ過ぎて草

 

48:名無しの転生者

>>47

これは走りというか速度に全振りしている肉体ですわ……

 

49:名無しの転生者

閃光ロリさぁ……ツインテ金髪碧眼ロリ巨乳とか属性盛り過ぎじゃない?(歓喜)

 

 

 

◇◇◇

 

 

「おおお……やば、めっちゃちやほやされてんだけど!!すげえ!!」

 

「ま、俺たちこの世界基準でもかなり美少女だもんなw」

 

「ほんと、この荒らしカスがこんな美少女とかこの世の終わりだろ」

 

「みんなすごく可愛いけど中身男なんだよね……うーん、無理だ……」

 

「まてHニキ今何を考えた!!言え!!……やっぱ言うな!!」

 

公園前に集合してから少し時間が経過して、俺たちは大分初対面の緊張が和らいできていた。それこそ最初は全員無言で気まずい雰囲気だったが、閃光ロリの『お前らw全員無言とか集まった意味ねーじゃんwなんか話せよw』の一言で一気に解れた。

少々声が上擦っていて、瞳も揺れていたから彼女……いや彼?なりにかなり勇気を出して言ったのだろう。お陰で自己紹介も気まずい雰囲気にならずに終えられた。

 

ちなみにそれぞれ名前は

 

閃光のロリウェイニキが『カレイドスパーク』

 

アバレウマニキが『ガガガガイアール』

 

劣化アルダンニキが『クォーツメモリー』

 

Hニキが『アルカディア』

 

旅程じゃないよ旅路だよニキが『タビジジョーカー』

 

らしい。

 

ウマ娘の名前はウマソウルに刻まれているとはいうが、どう考えても馬じゃなさそうな名前が多い。いや、そういう馬が存在するor俺らが死んだ後に生まれたのかも知れないが……うーん。

 

まあええか!!(思考放棄)

 

 

 

「取り敢えずレースだレース!!今日は思い切り走るぞお前ら!!」

 

 

「……そういえば、レースの合図は誰がするのか決めてるのかい?」

 

 

「……え」

 

 

◇◇◇

 

 

結局俺がやることになりました。解せぬ

 

「言い出しっぺの法則だろw」

 

「そういうもんか……?」

 

まあいいか。別に勝ち負けにこだわるレースじゃないしな。なんとなくレースっぽい感じで全力で走れたらそれでいいんだ。

 

さて、始めるか。

 

 

 

 

 

「───位置について、よーい」

 

 

 

 

 

「ドンッ!!」

 

 

 

 

一斉に地面を蹴る音が鳴り響いた。

芝と砂利、土が大きく跳ね、付近の通行人が思わず振り返る。

 

 

 

「はっっやっ!?」

 

 

一瞬で加速する身体、刹那で解像度が下がっていく視界、それでも確かに映るあいつらの背中。

 

 

「うおおおっ!!ぶっ飛ばあぁぁぁっすっ!!!ついてこれるかお前らあぁぁぉっ!!」

 

 

先頭を疾走するガイアールの声が遠くに聞こえる。あいつの適性は大逃げなのだろうか。

 

 

「はあっ、はあっ、かなり久し振りにっ、走るからっ、ペース配分とか、覚えてないっ、や!!」

 

 

先頭のガイアールから少し離れてアルカディア。おそらく逃げか先行。多分逃げだろう。

 

 

「スリップストリームって、こうやるんだったか」

 

 

その後ろにピッタリ張り付くように走っているのがタビジジョーカー。スリップストリームとはなかなか高度な真似をする。

 

 

「ふうっ、大逃げが馬群広げてくれるとかっ、滅茶先行有利な展開じゃんっ!」

 

クォーツメモリーはジョーカーの右斜め後方から一馬身離れて追走。劣化アルダンを名乗る事から予想出来たが、案の定先行だ

……発言からウマ娘チャンミガチ勢の臭いがするねぇ

 

 

「バカ、だねぇっガガガっw はあっ、あんな、走り方してたら、スタミナが持たないだろっw」

 

 

そして俺に一番近いカレイドスパークは、タビジジョーカーから三馬身程度離れた後ろ正面の位置で足を溜めている。差し、だろう。どう考えても。

 

 

人の考えや価値観は十人十色、千差万別。

二つとして同じものはないし、他人からこれだと推し量れるようなものではない。

 

 

だけど、今この瞬間は、アイツらの考えている事がハッキリわかる。

 

 

 

「本気で勝ちに来てるじゃねぇかよお前らぁ!!」

 

 

───ただ単に全力で走るだけだと思ってたのに。

 

───最後に全員で勝ち負けなんてかんけーねーと叫んで芝生に寝転んで笑い合って終わればそれで良かったのに。

 

 

 

やれスリップストリームだのやれペース配分だの───

 

 

───本当にお前ら最初から抜け駆けして勝ちに行く気満々じゃねぇか!!

 

 

 

「ふっ、───ざけんなぁぁぁっ!!」

 

 

 

 

 

公園の並木が視界の端を飛んでいく。

 

耳を叩く風が熱を奪い、心臓が胸を突き破りそうに鳴動する。

 

 

苦しい。

 

 

そりゃそうだ。

 

 

スタミナトレーニングなんかやったことないから。

 

 

 

 

それでも。

 

 

 

それでもっ。

 

 

 

 

「勝つのは────俺だぁぁぁぁっっっっ!!!」

 

 

 

 

 

残り500m

 

 

「なっ!?お前マジッ!?」

 

 

まずは一人

 

 

 

 

残り300m

 

 

 

 

「そんなっ!?」「訳わかんねぇ加速っドンピシャ『王手』かよっ!?」

 

 

 

そして二人、三人

 

 

 

 

 

 

残り100m

 

 

 

 

「っぐ、ああぁぁぁッッッ!!」

 

 

 

 

 

四人目

 

 

 

 

残り50m

 

 

 

「っ!?くそっ、先頭は、っ譲らないかんなぁっ!?」

 

 

 

 

残り30m

 

 

 

 

「っあ、やば、くっ、まだ、加速、すんのかよ」

 

 

 

 

五人目

 

 

 

 

全員、抜かした。

 

 

視界が、パッと拓けた。

 

 

 

 

 

俺の、勝ち。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

レースが終わった後、辺りはもう夕焼けに染まっていて人もまばらになっていた。それこそもうレースするには絶好の時間帯ではあったが、兎に角滅茶苦茶疲れた俺たちは、二回目のレースする気も起きず立川駅前でなんとなくぶらぶらしていた。

 

 

「はちみーってうめえんだな」

 

「今さら!?」

 

「お前はちみー食べたことなかったの!?」

 

「おう、なんか蜂蜜をそのまま食べるってなんか嫌じゃない?だから食べてこなかったわ」

 

マジかこいつ。アバレウマニキは今まではちみーを食べたことがなかったらしい。ウマ娘の定番だろーが!!

 

「お前マジか……」

 

「でもうめーって事がわかったからこれからは親に買ってもらうようにするわ」

 

「親ぁ!?小遣いは!?」

 

「いや、いつも大体欲しいもんは親が買ってくれんだわ。今日は友達と遊ぶから小遣いを貰えたけどな。前世と違って金持ちだし俺のことちゃんと見てくれるし、幸せだ」

 

「そ、そうか……」

 

なんか触れちゃいけない闇に触れた希ガス……

 

 

「…………」

 

なんとなく気まずい雰囲気になって、無言の時間が続く。時刻は六時半。少しずつ星達が夜の帳とともに輝き始めていた。

 

 

「……なあ、走るの、楽しかったか」

 

「……まあ、楽しかったかな。」

 

 

「二回目、とは言わず何回でもやろうぜ。もっと今度は人数増やしてさ。」

 

 

「いいね、それ。めっちゃいいと思うよ」

 

「あの掲示板には他にも本気で走りたくても走れない哀れな奴らがいるだろうからなw俺も賛成するわw」

 

 

「じゃ、帰ったら俺がそういう感じの募集スレ建てとく」

 

「ありがとうタビジ」

 

 

「俺は帰ったら寝るわ……流石に疲れた」

 

 

「俺もwそろそろ限界w……」

 

 

「僕も流石に疲れたかな……」

 

 

「おっけー、じゃそういうことで。第一回転生者レースオフ会、これにて解散!」

 

 

『乙~』

 




レース描写がむっっっっずい

もうだめかもわからんね

追記:劣化アルダンニキのレース作戦把握の描写が抜けてたので書き足しました

ここ好きがずれてしまった人には申し訳ない
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