ブルアカマコアスレ   作:eriza7170

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雷帝の遺産

001

 

トリニティハウンズ「621さんってどんな顔をしてるのかしら?」

 

ゲヘナハウンズ「えー?どんな顔って、あのフィンダーアイってACパーツのロボット頭の方じゃないの?」

 

トリニティハウンズ「金田さんって素顔知っているかしら?」

 

金田「ただいま参り……え、素顔です?」

 

 

ハウンズの休憩室、その一室で最近ハウンズ入りした二人の同僚が話していた。

両者は三年生である、ここ、ハウンズは企業ほどではないが将来が約束されている、と二人は思い立ち入ってきた二人だ。

本当ならゲヘナのベイラム青少年育成訓練学校か、トリニティのアーキバス再教育センターに行く予定であったが。

二人はネット友達となり、二人が同時に所属できる場所を探していた。

そして白矢の矢が立ったのがハウンズだった。

 

整備班はロボット関係の技術に詳しくなるACとMTや各兵器の整備について詳しくなれるので技術関係の仕事に就きやすい。

金田さんは厳しくも優しい、それもそのはずだ、整備班が1mm、それ以上の小ささでもミスしたら誰かのケガ、もしくは命に関わるのだ。

だが未知のものを触りながら学ぶのは楽しい、それが多大なる戦果をあげるのを手助けするのもまた楽しい。

ただ設計図とか教本を無断で取って部屋で読んでた時に、天井からすっと現れた金田さんはめっちゃ怖かった、私達ですら防御しか出来ないくらいの力でMT分解用レンチを振り回してきたんだもの。

誤解が解けたときは三人して平謝りだった、そのあとお茶会と技術談義した、楽しかった。

 

傭兵仕事と歩兵訓練は荒事が絶えないキヴォトスにおいては耐えることのない警備員需要を持っており、そこで有利に働くことができるだろう。

未だにコエさんには勝てない、トリニティとゲヘナに退学届けを出すときにだいぶ揉めた、だが二人はその全てを剣と銃でなぎ倒してきたのに、そんな私達二人のコンビでも勝てなかった。

強いなぁと思った、それには確固たる信念と信仰があるのだろうと思う、ヒナ委員長やツルギ委員長とはまた違う強さだ、なんて二人で話したのを覚えている。

 

医療部は厳しい、二人は頭は平均的だったので平均以上が求められる医療の道は厳しいかなと思っているが、道具を持っての登山訓練に参加できたりするレベルの体力はあるので助手として雇ってくれないかなと思っている。

だが本来医療にそんな異常な体力が必要なことは二人は知らない、トリニティのミネ?それは例外だ。

ジャミさんとシュラさんには『学ぶ姿勢はあるんだけど』と言われる、ちょっと胸がチクチクする言い方だがそれは正しいのだ。

ここは生傷が絶えないし、それにけっこー恨まれたりしている、突発的な襲撃も珍しくはない、平均以上が求められるのだ。

突如の毒ガス訓練やら荷物を持ったままの戦闘訓練やらもそんな感じに対応するためなのだろう。

それにそれがウォルターさんに振りかかったらと思うとこの訓練も納得だ。

 

事務仕事は二人は面白いと思っている、積みあがった書類を次々と処理していくのと次々減っていく書類に何か謎の達成感を持つことができるという才能を二人は持っていた。

まぁ終わっても次の書類やら依頼の伝達やらがあるので大変だ、だが達成感はある。

リズさんには「ほんとここ手伝ってくれる人少なくて……」とエナドリを飲みながら言われた、あくまで味が好きだからと言ってるが絶対別の理由だと思う。

 

通信部は正直言って苦手だ、私達が言えるのはあくまで現状の説明のみとその場の通信をつなぎ合わせることだ。

イトナさんとアオカちゃんはすごい、まるで未来予知のように刻々と変化し続ける戦場を空から見上げてるかの如く通信する。

二人は経験値が違うのだろうと私たちは思った、だからここもちょっと苦手だ、だがオペーレーター志望というか希望者が中くらいだからよく誘われる。

現状を知らせるだけでもすごいらしいが、私達には実感がない。

 

ウォルターさんは焦らないでいいと言ってくれるが私たちは三年生、留年すればいいなんて考えはない……いやちょっとだけある。

なんせここではタカハシさんというオートマタの方の料理がタカハシさんが許可を出せばいつでも食える。

それに助手のユウナさんの中華料理は最高、ソレ以外も最高、全部最高。

あのごはんが食べ続けられるならここに永久就職でもいいかもしれない。

 

諜報部は各同盟者との連絡が主だ、スパイとかそういうのは……あまり?ないかもしれない。

というか情報は私たちのような新入りにはまだ知らされないのでここで行われるのは情報の正誤と情報ソースの確かめることとかだ。

あと資料フォルダの整理とか、さすがに触ってはならない書類はすべて、ここでも局長なイトナさんがやっている。

「そのうちねー」と言ってくれているが、私たちにそのうちという時間があるかはわからない。

 

 

トリニティハウンズ「そう、素顔かしら、知っていますの?教えてくださいまし!強化人間というカテゴリの新しい人類ということしか情報が開示されてませんの!」

 

ゲヘナ「あー、そこまでがっつくことかなぁ、やっぱりあのフィンダーアイの中に脳味噌と一つの目が詰まってるんじゃない?」

 

金田「考え方がグロいです!そんなわけないじゃないですか!というかジャミさんから聞いてないんですが?」

 

二人「「だって私達突発訓練の毒ガスクリアできてないし」」

 

金田「そのジャミさんに聞けばいいんじゃないですか?今621さんの人工皮膚を貼ってるの彼女ですよ、ジャミさーん!」

 

ジャミ「うるさいねぇ、そんな叫ばなくても聞こえてるよ」

 

 

イヤホンをつけながら本というかフォルダというか、資料のようなものを持ち、休憩室の一角を占拠していた彼女は気だるげにいう。

 

 

ジャミ「やっぱ睡眠学習なんて眉唾もんだったねぇ、脳みそを休めているのに情報の摂取なんてできるわけがないが、確かめないと正誤はわからないからねぇ」

 

トリニティハウンズ「なんか目がいつも以上に虚ろだと思っておりましたが寝ておりましたの?同時に目と腕が動いておりましたのに?そんなに寝たいならコエさんとスパーリングしたら寝れますわよ?」

 

ジャミ「搦め手がなくても気絶まではしないさ」

 

ゲヘナハウンズ「おー、さっすがー」

 

ジャミ「というか私としてはもっと気になることもあるんだがねぇ」

 

 

 

ジャミ「君ら、その古風なオートマタ傭兵フルフェイスヘルメットつけたままどうやって飯を食っているんだい?」

 

ゲヘナ&トリニティ「「緊急急入口」」

 

金田「修理が面倒になるだろ!!!そんなもん!!!普段使いするなぁ!!!」

 

ゲヘナ&トリニティ「「自腹で修理するからいいじゃん」」

 

金田「なんも言えねぇ……!」

 

ジャミ「ははは、あ、そうだそうだ二人に伝えないことがあったんだ」

 

ーウォルターが二人を呼んでいるよ。

 

 

002

 

ウォルター「すまないな、二人とも、座ってくれ」

 

ゲヘナ&トリニティ「「は、はぁ」」

 

ウォルター「……やはり緊張するか?」

 

トリテニィ「失礼かもしれませんが、まぁそうかしら」

 

ゲヘナ「だって私達何もしてませんよ?特に戦果もあげてませんし」

 

トリニティ「ねー、特に何も活躍してませんよ」

 

ゲヘナ&トリニティ「「ねー」」

 

コエ「ウォルターさんには敬語って教えたでしょ!」

 

621「……」

 

 

ウォルターの後ろに仁王像のように立っているコエと621さんにたしなめられるが、変わらずヘルメットは外さない。

それに対しての言葉が放たれる。

 

 

ウォルター「ヘルメットを外してくれないか?」

 

ゲヘナ&トリテニィ「「嫌です、絶対に」」

 

ウォルター「……何か事情があるのか?」

 

ゲヘナ&トリテニィ「「いやー光アレルギーなんですよ」」

 

621「……」

 

コエ「……怪しまれるとは思わなかったのか?」

 

ウォルター「コエ」

 

コエ「ですが!」

 

ウォルター「いいんだ、私が言おう」

 

トリニティ&ゲヘナ「「……」」

 

 

621とコエの体が強張る、それはこのキヴォトスの生活において唯一のことだった。

 

 

ウォルター「君たち二人の経歴には隠された形跡があった」

 

ー雷帝によって

 

瞬間、二人の腕がウォルターに向けてゲヘナは振り下ろしトリニティは叩き上げるように、、トリニティは右腕を、ゲヘナは左腕を。

それはゲヘナは剣をトリニティ十字架だった、だがそれは阻まれることとなった。

 

透明な壁だ、叩き割れることもなく、貫き通されることもなく、ただ然としてそこにあったらしい。

よく見れば机は二つあり、部屋の前方半分と後方半分に分けられている。

 

割れることのない星外技術によって作られたソレは宇宙戦艦にも使われる素材だ、流石にACレベルの攻撃には耐えられないだろうが。

 

 

コエ「落ち着けトリコ!ゲヘコ!ウォルターはお前らの敵じゃない!」

 

トリゲヘ「「私達のことを知ったヤツは生かしては置けない!!!」」

 

ウォルター「理由を俺に教えてくれ、羽沼ルシア、聖園ミカル」

 

トリゲヘ「「違う!我々はミルアルだ!」」

 

 

ウォルターは落ち着いていた、この部屋を利用したことは一度は二度ではない、そのたびにこの透明な壁は役に立ってきた。

キヴォトスは暴力への理性が薄い、故に交渉担当が銃で脅すことも少なくはない。

それにキヴォトスに来る前から人専門の傭兵や暗殺者を差し向けられることは数多くあった、そのたびにこのような交渉部屋は役に立ってきた。

 

621『お前らの力じゃこの壁は崩せん、例え俺でも、幾ら連打してもな、だがウォルターだけを狙う理由はなんだ?俺たちのハウンズの戦い方なら片方が護衛を、もう片方は目標を叩く』

 

ミルアル「「皆を守るためだっ!!」」

 

ミルアル「「この秘密を知った者はっ!!」」

 

ミルアル「「私達を中心にっ!!」」

 

ミルアル「「ナノマシン型敵味方識別のっ!!」」

 

ミルアル「「超巨大型実弾超振動針計測自走砲がっ!」」

 

ミルアル「「どこからかっ!!打ち込まれることとなっている!!」」

 

ミルアル「「私たちの認識力によって作用するなら!!私たちを知ったのがウォルターだけかもしれないというっ!!事実にしてっ!!殺害すれば!!皆が!!ハウンズの皆が!!まだ助かるかもしれない!!」」

 

621『少数を消して多を生かそうと?』

 

ミリアル「「我々だってウォルターさんは大好きだっ!!だけどっ!!ウォルターさんをっ!!殺害したっ!!私をっ!!かたき討ちすればっ!!まだ!!溜飲は下がる!!かも!!しれ!!ない!!」」

 

621『自己犠牲か?それでお前らを信頼した仲間の将来に無責任になってもか』

 

ベギリ、とルシアとミカルの腕が折れる、超強化ガラスを割ろうと攻撃をし続けたのだ、彼女らの戦闘経験は短い。

ルシアとミカル側の部屋にEMPグレネードが投下され、同時に鎮圧用のガスが充満していく

 

 

ミリアル「「そうしないと……みんな……キヴォ……ス……みん……しんじゃ……う……」」

 

 

バタリ、と二人が倒れる

 

 

エア『こちらエア、超巨大型実弾超振動針計測自走砲の撃破にレイヴンが成功しました、彼女達はもう安全です』

 

ウォルター「そうか……」

 

621?『あ、あの……これもう脱いでもいいですか……?』

 

ウォルター「あぁ、すまないなクルミ」

 

フィンダーアイのヘッドパーツを脱ぐと、そこにいたのはクルミだった、恰好もロニーの恰好そのままだ、胸はギチギチにサラシで巻かれているようだ。

ちなみにロニーの恰好の精査をみんなで確かめた時、同時にサラシを撒いたときにめちゃくちゃ視線を集めたらしい。

もちろん男衆はいなかったし、監視カメラの映像も確認したあと消されている。

 

 

クルミ「い、いかくとかになればよかった……とはいってましたけど……なりませんでしたね……コエさんもいたのに……」

 

コエ「それだけ彼女たちも必死だったんでしょう、ウォルターへの忠誠よりハウンズの仲間を判断したのは……私だったらどうしたのでしょうか」

 

 

コエは力の信奉者だ、すなわちロニーとウォルターへの忠誠はバカ抜けている、だが同時にハウンズの仲間を下に見ているわけではない、みんなを家族として愛している。

その家族が、家族を殺そうとした、彼女は最初は怒髪天をついていた、だがウォルターの手前、そして鎮圧用のガスが投入されることがわかっていたので手を出せなかっただけだ。

本来なら自分で鎮圧するだろう。

だが彼女たちは確かにハウンズの仲間を愛していた、その家族が家族を殺そうとしたという事実が彼女を無限ループへ誘い込む。

 

 

???『おーい、鎮圧ガスはちゃんと聞いてるかい?』

 

 

部屋のスピーカーから声が流れる

 

 

コエ「ジャミ!効いてる……とは思うんだけど、油断しないで回収して」

 

 

ズオオオオと部屋の空気が循環し、鎮圧ガスが排出されていく、しばらくすると部屋の密封されたドアが開き、ガスマスクをつけた少女が二人入ってくる。

 

 

ジャミ「シュラ、油断するんじゃないよ、これでも医療部の訓練を突破しかけてる有望株だからねぇ、ウォルターを狙ったとしても、だ。」

 

シュラ「彼女たちに黒星をつけられたことはないので、とにかくヘルメットは邪魔ですね、外しますよ」

 

緊急着脱装置を起動し、白いフルフェイスヘルメットであるミカル、黒いフルフェイスヘルメットであるルシアの装置を外す。

 

 

ウォルター「……っ!」

 

ジャミ「これはっ……!?」

 

シュラ「なんてことを!?」

 

コエ「これは……」

 

クルミ「ひどい……!」

 

 

そこにいたのは、左半身が褐色肌に白い髪に悪魔の角と羽、右半身に病的なまでに白い肌に白い髪、頭と腰に天使の羽を生やしたルシア。

そしてそれが真逆の位置にあったミカルであった




超巨大型実弾超振動針計測自走砲


雷帝の遺産と呼ばれるものの一つ

宇宙に飛ばすことが夢であった雷帝は設計した、いつか空に飛ぶことを、だがそれは敵わなかった。

代わりに彼女の中に一つの概念が発生した。

【宇宙は海にあり、故に全てを受け入れる】

彼女はその考えそのものに取りつかれ、キヴォトス近海の一番深いところに自身の研究施設を作り

深海の生物や頭に響く声に悩まされることもなく、むしろ多いに従った。


狂った成果が山ほど作られた、これもその一つの防衛の極致である。


それはナノマシンによる個人の脳波を解析し、同時に施設の存在と守りたい技術の漏洩を防ぐための誘爆装置である。

ロマンというにはあまりに迷惑であり、おぞましい。


発射される実針ミサイル、通称は【蝗】技術的にいえばニードルミサイルだが誘導装置と自分で目標を判断するAIが搭載された超高性能品。

EL-PW-01 TRUENOとIB-C03W3: NGI 006の愛の子のような存在。


それが秒間数百という数で敵対者に襲い掛かる、それはまるで終末のイナゴのように
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