生活は変わった、星外企業によって。
自分は元カイザーグループの社員の一人で、今はハウンズで用務員のバイトをしている者だ。
元々はデッドコピーを作った設計主任の一人であったが、星外企業によるカイザーに対する復讐襲撃により戸籍も職業もなくなった者の数多くのうちの一人。
それが自分だ、名前もなくなった俺はジョンドゥという仮名で活動している。
俺の仕事は単純だ、各部室の部屋を見回り、ゴミが溜まっていたら捨てる、会議の準備や銃器の手入れ……はめったにないがよく弾薬作りなどに用務員が回されることもある。
洗濯も俺の仕事だ、オートマタだから獣人、人間、男女関係なく服を洗濯することも多い、それは車やACやMTも含めてだ。
うら若き乙女の下着なんて洗濯するのがうらやましいだとか言われるかもしれないが、オートマタに性欲なんてない。
俺は特に感情の起伏が薄いブラック企業勤めの設計タイプだからだろう。
最近頭がおかしくなったからなのか変な声も聞こえるしどうなってんだ俺は、発狂してAIでもおかしくなったのか。
まぁまじめに勤めれば給金が出る、俺はこの仕事に満足している。
ふとある日設計部室のゴミを回収しに来た俺は一つの紙切れを見つける。
それは数多くの計算式が書かれた紙屑だった、俺は暇つぶしにその計算式を解いてみることにした。
これはカイザーグループの時にもやっていた暇つぶしだった。
この趣味があればミレニアムのRADでもやっていけると元カイザーの部下にも言われたが、俺はもうドデカいとこの企業勤めになるつもりはなかった。
俺はキヴォトスにAIコアを埋めたいのだ。
そして俺は計算式を解いて部屋のごみ箱に捨てた、なかないい暇つぶしになったと思う。
そして俺は気づいたらハウンズの設計部長になっていた。
どうやら俺の解いた計算式はここ、ハウンズの建物の弱点をなくすための計算式だったらしい。
だがどうしても出てしまう弱点にうがーぁとなった少女がたまたまゴミ集積場に立ち寄った際に運命のいたずらか計算式を見つけてしまったようだ。
癖で名前を書いたのもダメだったのだろうが、どうせハウンズのことだからイトナに文字の癖で見分けられてしまうだろうが。
さてどうするか、と前職で座っていたよりもフカフカではない椅子に座って考える。
俺の運命目的はキヴォトスにAIコアを埋めるまで活動することだ、それは戦死ではなく寿命が好ましい。
だがハウンズに来た時点でそれはもうだめだったのだろう。
『君の趣味を講じさせて設計部長まで上り詰めさせたんだからお礼を言ってもいいんじゃないかな?』
「うるさい、ロニーさんを騙る毒電波の偽物め」
『私たちだって621なんだがなぁ』
はぁ、と溜息を吐く、どうしたもんかと柔軟体操をしながら考える。
「金田、これ新しいMT用設計部品の図形ね」
「イトナさん、これ相手の建物の図式、イレギュラー的油断ないように」
「茨木、これヘリの修理工具、スタンダードな物にしたから使いやすいと思う」
仕事はまじめに、それが俺の持論である。
そのせいで給金も増えるのでありがたい、ブラック企業タイプなので睡眠も必要ない。
そうして俺は何故かウォルター社長に呼び出されていた。
「ジョン……お前は働きすぎだ」
「オートマタに働きすぎなんてないです」
「いや、ある、お前を見習った部下につけたオートマタが部品摩耗して修理に出された、まじめなのは良いことだがお前の丈夫さは異常だ、ミレニアムのRADに連絡をつけておいた。」
「はぁ……まぁご命令であれば」
そんな訳で俺はミレニアムに出向となった、仕事の続きを手持ちに入れて。
ジョンドゥ
ジョン・ドゥではなくジョンドゥ。
たまに常道さんと間違えられる。
元カイザー社員でデッドコピーを作っていた人、このオートマタが作る部署のデッドコピーはデッドコピーにあらずと言われるほど完成度が高かった。
各企業もこのオートマタを狙っていたがカイザーが崩壊した際に戸籍事証拠消しのためにデータを削除されたので後を誰も追えなかった。
気づいたときにはハウンズに働いていたので誰も手を出せなかった。
ブラック企業タイプオートマタの一体。
実はロトゥワさんとタメであるのでかなりの年齢だが部品の摩耗が一切ないのはブラック企業タイプとしてメンテナンスなしでぶっ壊れるまで働けるように設計されたためである。
あとは本人は一切戦いという行為をしていないからだろうか、銃社会というか銃世界であるキヴォトスにおいて異彩を放つ歴史を持つ。
エアと同類となった621たちの声が聞こえる