チートハンターズ 〜このゲームのチートは全て狩り尽くす〜   作:新川翔

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新たな武器、新たな力を試遊体験!

「さて、彼の強みは三次元的な現実を認識できることだ。それは違いない。このゲームの中でもリアルタイムで魔法の弾道を引ける人材は非常に少ない。それに戦術を組み立てる力も正確で速い。これらは素晴らしい長所だ」

 

「だが……中距離で殲滅にこだわるのは違う。というより合っていない。最適なのは近中距離での制圧だ」

 

「近距離でのウィザード……というのはあまり良くないな」

 

 アサヒさんの提案にロードさんが疑問を投げかけた。

 確かに魔法をメインで近距離で戦う者など聞いたことがない。

 

「でもセンスはあるよ。うちのサム。スピードさんと近距離戦で読み勝ってるし」

 

「あーーーー。そういうことか……!」

 

 割って入った葵の意見に急にロードさんは納得してみせた。確かにスピードさんとのラウンド2にて俺は彼に読み勝っている。だがあの結果はそこに至るまでのやり取りがあったからこそだ。

 

「確かにこいつはそのセンスはある、な?どうだ。サム」

 

 突然意見を変えた彼は俺に理解させずに戦闘戦の得意を確認してくる。

 

「でもきつくないですか?近距離戦闘ってなると、俺のような考えている人間じゃあ、遅すぎる。それに防御が難しい」

 

「でも杖と魔法で私の螺旋穿牙パクってたじゃん」

 

「ああ!……そ、それは……ごめん。あれがあの時勝てるイメージそのものだったんだ」

 

「謝らないでよ。むしろ嬉しいし。私の技、そんなに気に入った?」

 

「さてさてさて、打ち合いの不安については解消されたな。そしてもう一つ。考えていると間に合わないという点だが、事前に考えておけば間に合うだろう?違うか?」

 

 突如始まった俺と葵の会話に割って入るアサヒさんは、俺に向けた近距離戦の心構えを教えてくれた。

 

「だから言った。近中距離と。今までのお前の戦い方は中遠距離でメインに戦い、いざとなれば近距離で戦う。ってもんだった。だけどそれじゃ上の奴らに勝てない。彼らの多くは近距離を使って戦う。それに対抗するチーターもな。そんな奴らと戦う時に近距離を苦手なままにしていいのか?いいはずがない。そしてお前は近接戦のセンスがる。それを放置していいのか?それもない。以上のことからお前は中近距離へと戦闘スタイルを変更すべきなんだ。安心しろ。近距離一辺倒で戦えって言ってるわけじゃない。理想は中距離で追い込んで近距離で仕留めることだ」

 

(待ってくれ……それなら出来るかも)

 

 彼の言葉に気付かされた。スピードさんにやったあの形を再現することが出来れば、近距離戦も怖がらなくていい。

 俺が近距離戦を怖がっていた理由は考えることが出来ないからだ。至近距離での反射神経の応酬では俺は勝てない。だが彼の言う通り誘い込む形で近距離戦に持ち込めれば勝ち筋が見えてくる。

 

「それじゃあ決まりだな」

 

 理論を獲得した後は実戦で試すだけ。アサヒさんは前線で戦っている二人に目を向けて、練習台を確保しようとした。

 

「一人チーターを……終わってんじゃん」

 

 しかし目の前の惨状に肩を落とすことになる。

 彼らはその連携により敵の波に穴を穿ちかけていた。

 もうすぐ第2の鍵への道が拓かれる。

 

「仕事が早いのも考え物だね……。試すのは後だ。行くぞ。みんな。……それにしてもうちのリーダー、今回はやる気満々だな」

 

 アサヒさんががっかりとした声色で俺たちを誘導した後、ぽろっと感想を漏らした。

 

「バエルさんって感情を顔に出さないタイプなんですか?」

 

 そこに引っかかった俺は疑問をそのまま口にする。

 

「ああ、アイツは、感情は一丁前にあるのにそれを表に出さない。基本的に真顔だがその内では感情がしっかりと渦巻いているから安心してくれ」

 

「渦巻くって表現は安心できませんけど……」

 

「まぁそうかもな。でもその言い方が合ってるぜ。アイツと俺はよく戦う仲でな。勿論勝ったや負けたの結果が出てくるわけだが、その結果にアイツは引っ張られる。俺に惨敗した時はどこか覇気がないし、圧勝した時はルンルンだ。顔は真顔だけど仕草で分かる」

 

「そうなんですね。いつも冷静沈着なので……」

 

「おう。そうだな。ぶっちゃけアイツのアバターだけ表情筋が実装されてない。リアルで会ったことはないが……多分同じ感じだろうな」

 

「流石に言いすぎだ……!」

 

 するとバエルさんが会話の間に割り込んできた。表情は孫そのものだが確かに態度は怒り心頭である。まさにアサヒさんの言っていることは正しいと実感できた瞬間だった。

 

「ははは!わりぃわりぃ。……なんて言ってる間に第二の鍵ゲットだ。さぁ、取って来い。サム」

 

 背中を叩かれた俺は第二の鍵を獲得。

 鍵を手にして実感する。この状況なら勝てる。決して油断ではない。

 葵とラウンズにウェポンズ。頼れる仲間がたくさんいる。チーター犇めくこのダンジョンでも攻略できる可能性は十分ある。

 そんな自信をに満ち溢れているとアサヒさんが俺たち一団の先頭に立ち、こちらに向かって押し寄せている波に対して背を向けて今後の方針を決めている。

 

「……さて、次は第三の鍵だ。どうする?マスター。肩慣らしは済んだか?」

 

「大済ですよ~。なので次ウォームアップしたい方がいれば」

 

「俺は……。そのなんだ?萎えたという奴だ。第三の鍵が手に入るまで手出しをしない」

 

 彼の問いかけについてマスターさん、バエルさんはそれぞれ戦闘に参加しない旨を応えた。

 

(緊張感ないな~)

 

 彼らのそんなくだらない会話の後ろでスピードさんが暴れることで波の進行を押しとどめている。

 

「それじゃあさ、俺がやるぜ!もうやってるけどなァ!」

 

 そんな彼は一瞬だけ俺たちの輪に入って意見を表明した後、チーターの波に攻撃していった。

 

「私もやろうか。大火力は必要でしょ?」

 

 さらに攻撃側に入ると言ったのはクイーンさん。

 

「こちらも煌塵のクールタイムはとっくに終わってる。今度はこちらが肩慣らしをする番だ」

 

 更にロードさんもやる気満々だ。

 

「俺は出ます。新しい戦い方を試したいので」

 

「それじゃ私も出るね。前線」

 

 アサヒさんに教えてもらった戦法試したくてたまらない俺は、興奮を腹の中で押し込めながら躊躇せずに前に出ると、葵が続いて参戦を表明した。

 

「我々は引き続き英気を養わせてもらおう。邪魔になったら悪いからな」

 

 するとオーバーさんがウェポンズは手出しをしないことを伝えてくれた。

 これで第三の鍵を手に入れるまでの主要メンバーは決定する。

 

「よし。よし」

 

 

 屈伸を数度、深呼吸を一度。

 戦術は確定している。中距離で殲滅し零れ出た敵を近距離で倒す。以上。

 仲間たちと協力してチーターたちを叩き潰してやる。

 希望という燃料により使命感は猛るように燃え上がっている。

 

 

「やるか」

 

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