ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ 作:ボルメテウスさん
目を開けた瞬間、真っ先に思った。
(あ、これ……囲まれてるやつだ)
「……起きた?」
一番最初に視界に入ったのは最原だった。
少し前かがみで、俺の顔を覗き込んでいる。相変わらず距離が近い。
「万津、分かる? 今、何があったか」
「あー……うん。だいたいは」
そう答えた途端、最原がほっと息を吐いた。
この反応を見るたび思う。こいつ、最初に助けた相手だからか、心配の仕方が一段深い。
「よかった……。百田のナイトメア、ちゃんと倒せたみたいだよ」
「……そっか」
その一言で、胸の奥に溜まってたものが、すっと抜けた。
「ねえねえ! 本当!? じゃあ百田くん、もう大丈夫なんだよね!」
赤松が勢いよく割り込んでくる。声が明るい。
「うん。少なくとも、もう悪夢に引きずり込まれることはない」
「はぁ〜……よかったぁ……」
赤松は大げさなくらい肩を落とした。
この人は、助けた後もずっと普通に話してくれるから助かる。
「……魔法、終わったんじゃな」
ぽつりと夢野が言う。
俺の隣で、いつの間にか座っていた。
「悪い夢は、ちゃんと終わるって……前に言ったじゃろ」
「……ああ。ありがとう」
短いやり取りなのに、不思議と落ち着く。
こいつとは、こういう距離感が一番楽だ。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
茶柱が腕をぶんぶん振りながら前に出てきた。
「万津さん! 無茶しすぎです! また倒れるなんて、信頼はしてますけど心配も――」
ちらっと夢野を見る。
「……そ、その……夢野さんと一緒に寝てるとか、そういう話も後で詳しく!」
「いや、そこ関係ある!?」
「あります!!」
勢いだけは相変わらずだな……。
「はーいはーい、騒ぐな脳筋」
入間がにやにやしながら割り込んでくる。
「で? 今回の変身、完全に限界超えてたよね? 脳波ヤバかったんじゃない?」
「……見てたのかよ」
「そりゃ興味あるに決まってんだろ。
人の精神を限界まで酷使する装備とか、最高にそそるじゃん?」
こいつはこいつで、相変わらず危険だ。
「おい、あんまり詰めるな」
低い声で百田が割って入った。
「こいつ、助けた直後なんだぞ。少しは休ませろ」
「百田……」
百田は腕を組んだまま、俺を見る。
感謝を前面に出すことはしない。けど、その目は真っ直ぐだ。
「助かった。……でもよ、だからって無茶すんのは許さねぇ」
兄貴分みたいな言い方に、思わず苦笑した。
「分かってるよ」
本当は、分かってなかったかもしれない。
でも、こうして心配されてるのを見ると――
(……ああ)
俺は、ちゃんと誰かと繋がってる。
賑やかな声に囲まれながら、そう実感していた。