ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ   作:ボルメテウスさん

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衝撃 PART5

 瓦礫とデータ粒子が静かに落ち着き、世界の“壊れる音”が一瞬だけ遠のいた。

 ロードファイブは数歩先で止まり、赤い左肩の装甲をわずかに傾けて、こちらを観察している。――待っている。次の工程に進む前の、無駄のない間。

 

おそらくは、今後の事を考えれば、実現するかどうかも怪しいゼッツとノクスによる共闘。

それは奴にとっても未知であり、下手な攻撃を行えば危険だと分かっているのだろう。

 

 その隙に、俺は肩で息をしながら、最原の方を見た。

 

「……最原。お前、またノクスに変身したのか。無茶してないか」

 

 ノクスの装甲は無傷に見える。でも、分かる。あいつの背中から滲む緊張は、俺が何度も見てきた“限界の一歩手前”のそれだ。

 

「大丈夫、とは言えないけど」

 

 

 最原は、影を足元に静かに広げたまま、視線を外さずに答えた。

 あくまでも、これは夢の中の為に見た目だけでは判断は出来ない

 けれど、ノクスドライバーによる負荷があまりにも高すぎる。

 

「でも、友達を助けるなら……これくらいは、やる」

 

 短い言葉。けれど、軽くはない。

 胸の奥で、何かが静かに締まる。

 

「……精神、削られるぞ。ノクスは特に」

 

「分かってる」

 

 最原は、ほんの一瞬だけこちらを見た。複眼の奥に、揺るぎのない決意がある。

 

「それでも、見捨てるよりはいい。君が前で耐えてくれたから、僕はここに立てた」

 

 俺は苦笑した。

 

「……相変わらず、真面目だな」

 

「君に言われたくないよ」

 

 その一言で、空気が少しだけ和らぐ。

 背中越しに、同じ場所を守る感覚。何度も死線を越えて、ようやく掴んだ距離感。

 

 俺はブレイカムゼッツァーを握り直した。装甲の内側が熱い。痛みはある。けれど、もう一歩、踏み出せる。

 

「……最原、一緒に戦ってくれるか?」

 

 俺の言葉に対して、最原は頷きながらも、その手にあるブレイカムゼッツァーを一緒に構えながら、眼前にいるロードファイブに眼を向ける。

 最原は影を収束させ、刃の形に整える。

 

「僕が影で“動きを縫う”。破壊の一撃は、君が受け止める必要はない」

 

「了解。俺は、衝撃で道を作る」

 

 互いに短く頷く。言葉はそれだけで十分だ。

 

 ロードファイブが、ゆっくりと構え直した。

 ジャンクの装甲が軋み、空間に鉄の匂いが満ちる。

 

「……結論は出たか」

 

 低い声。処理開始の合図。

 

 俺は一歩前へ。

 最原は半歩後ろ、影を広げる。

 

 ――守るものは同じ。

 ――立つ場所も、同じ。

 

「行くぞ」

 

「うん。終わらせよう」

 

 二人が同時に、構えた。

 

 次の瞬間、世界が再び、軋み始めた。

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