ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ   作:ボルメテウスさん

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衝撃 PART6

 ロードファイブが腕を振り上げた瞬間、周囲の建物は崩壊というより“使用不能化”した。壁は割れる前に色を失い、鉄骨は曲がる前に強度を奪われる。ジャンクの力が、構造という概念そのものを腐食させていく。

 

 キャタピラ装甲が瓦礫の山に噛み込み、巨大な破片の束が掬い上げられた。次の瞬間、それらは投擲というより発射に近い勢いで解き放たれる。空気が連続して破裂し、大小の塊が弾丸の雨となって降り注いだ。

 

「来る!」

 

 回避経路が塞がれる、その寸前。

 

 黒い影が地面を滑った。

 

 ノクス――最原が一歩踏み出す。同時に足元から広がった影が盛り上がり、槍のように何本も空へ突き上がる。

 

「軌道は読めてる!」

 

 ブレイカムゼッツァーが銃撃形態へ。引き金を引くたび、圧縮光弾が直線ではなく、計算された反射角で撃ち出された。先頭の瓦礫を貫通し、後方の塊へ跳弾し、連鎖的に破砕する。

 

 影の帯が巨大なコンクリート塊に巻き付き、締め上げ、空中で圧壊させた。砕けた破片が霧のように散る。

 

 射撃と影の拘束が、誤差なく連動している。

 

「万津君! 右側、密度が薄い! そこ通れる!」

 

「了解!」

 

 俺は瓦礫の隙間へ踏み込む。背後で続く爆砕音と、影が叩き割る鈍い衝撃が連続する。ノクスが開いた“生存ルート”を全力で駆け抜ける。

 

 ロードファイブが次の投擲動作に入る。時間がない。

 

 ゼッツドライバーにカプセムを叩き込んだ。

 

『グッドモーニング! イ・ナ・ズ・マ! ライダー!ゼッツ・ゼッツ・ゼッツ!プラズマ!』

 

 雷光が落ちた。

 

 その瞬間、身体は電撃となり走る。脚に力を込めると同時に視界が伸び、世界の距離が縮む。踏み出した一歩が直線の軌跡になり、ロードファイブの目前まで一瞬で滑り込んでいた。

 

 空気が遅れて裂ける。

 

 装甲の継ぎ目を雷が走り、神経と駆動が完全に同期する。

 腕を上げる動作に迷いがない。

 意識と出力が一直線に繋がる。

 

 手の中に稲妻が収束し、武装へと固定された。

 

 イナズマブラスターを手にして、弦を引く動きに合わせて、雷光の軌道が描かれる。

 

「撃ち抜く!」

 

 放たれた電撃弾が、落下してくる巨大瓦礫の中心を穿った。内部に流れ込んだ電流が暴れ、亀裂が瞬時に全域へ走る。次の瞬間、塊は内側から弾け飛び、連鎖的に周囲の残骸まで粉砕した。

 

 着地と同時に、地面が焼ける。

 

 横で、ノクスの影刃が最後の鉄骨を断ち切った。銃撃と斬撃が交差し、残った破片を完全に消し飛ばす。

 

 破壊の雨が止む。

 

 崩壊の中心に、ロードファイブだけが立っている。

 ジャンク装甲を軋ませながら、次の手順を測っている。

 

 俺と最原は並び、同時に構えた。

 

 雷と影が、同じ標的を捉える。

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