ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ 作:ボルメテウスさん
かつて、世界を崩壊させた人類史上最大最悪の絶望的事件。
超高校級の絶望によって行われた同時多発テロにより、世界に絶望は振りまかれた。
だが、超高校級の絶望に立ち向かうべく立ち上がった未来機関。
そんな悪夢のような出来事は、事件の黒幕の死によって、一つの区切りを迎えた。
その後、超高校級の希望と呼ばれた苗木誠によって、新たな希望ヶ峰学園が建設された。
「まぁ、まさかそんな学園に選ばれるとは思わなかったけど」
俺、万津莫はそんな希望ヶ峰学園の79期生として入学する事になった。
この、希望ヶ峰学園は、様々な分野に秀でた才能を持つ少年少女を迎え入れ、更なる高みへ導いていく事を旨としており『現役の高校生である事』『その分野において「超高校級」である事』を条件に全国から生徒を集めている。
そして、俺が選ばれたのは。
「まさか、この枠で選ばれるなんて」
そうしながら、俺は自分が選ばれた理由を見て、改めてため息を吐く。
『超高校級の幸運』
抽選で選ばれる枠の幸運だが、なぜ選ばれたのか疑問に思える枠でもあった。
というのも、俺自身は、これが幸運と呼べるかどうか疑問である。
「俺、どう考えても不運なのにな」
もしも、俺の才能を呼ぶとしたら、幸運ではなく『不運』。
それが一番しっくりと来る。
それは、過去に落雷を受ける、サメに襲われる、隕石直撃、無人の車に轢かれる。
人に言えるのは、これだけだが、年中奇病や怪奇事件など、あらゆる災難に見舞われ死の淵を彷徨ってしまう。
だが、そんな事が起きても、死ぬ事はなかった。
おそらくは、それが俺が選ばれた『幸運』かもしれない。
「・・・それでも、ここだったらもしかしたら」
これまで不運ばかりが俺に襲っていた。
それでも、この希望ヶ峰学園ならば、変わる事が出来るかもしれない。
「とにかく、ここから俺は変わるんだ!」
そう、俺は意気揚々としていた時だった。
目の前で何かが落ちた音がした。
「あれ、これって、スマホ?」
俺は地面に落ちていたのがスマホだと気づく。
目の前にいる白衣を着ている人のだろう。
手にはスーツケースを持っており、もしかしたら俺と同じように希望ヶ峰学園の生徒。
もしかして、先輩かもしれない。
「落としましたよ」
「おっと!マジっすか!ありがとうございますっす!」
目の前にいる人はそれに気づいたように、すぐに俺の元に近づく。
「いいえ、良かったっと」
その時、俺は思わず身構える。
それは、目の前にいる人に対する事ではない。
俺の不運だ。
俺の不運、それはいつも、人を助けた時に起きる。
人を助け、まるで助けた相手の災難を俺が引き受けるように。
けれど、それで後悔はない。
身体がボロボロになっても、誰かを助ける事が出来るのならば。
「どうしたっすか?」
「いや、なんでもっ」
そう考えていた時、女性のスマホの画面が何か映った。
それが、一体何か。
「なっ、見ちゃ駄目ッス!」
「えっ」
その声に俺が見た画面。
それが何か分からない。
けれど、それを聞く前に。
「っ」
映されたのは、何かのアニメ映像。
同時に、俺の意識は瞬く間に途切れてしまう。
「マズイっすっ!まさか、ビデオがっ!とにかく、早く施設の方に!」
その声を最後に、俺は、完全に意識が途絶えてしまう。