ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ   作:ボルメテウスさん

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メンタルロック Part5

「万津君!」

 

最原の声が雷鳴のようにソムニウム世界を切り裂いた。現実世界にいる彼が夢の核に向かって放つ言葉。

 

「最原君……」

 

震える声で呼ぶと、赤松の偽りの冷笑が歪んだ。

 

「……何を知った気になってる?」

 

私はベルトの警告音をかき消すように立ち上がった。指輪の水晶が虹色に煌めく。

 

「彼の言葉を聞け」

 

ソムニウム世界が割れ、現実の音声が流れ込んだ。

 

『確かに才能はある。けど』

 

最原の声が響く。

 

『僕は君の音色に救われたんだよ』

 

一瞬の沈黙。冷酷な赤松の仮面がひび割れる。

 

『人の眼が見れなかったな僕に、“そんなの個性だよ”と言ってくれた。才能だけで測れない価値があるって気づかせてくれた』

 

彼女の指先が震えた。

 

「……忘れてた」

 

赤松の声が漏れる。偽装の人格が剥がれ落ちていく。

 

「私、ピアノが大好きで始めたのに」

 

メンタルロックが千切れる音がした。空間に七色の裂け目ができる。

 

「赤松さん!」

 

それと共に、夢の世界にいる赤松さんと現実世界の最原が視線を合わせる。

 

『姉としての重荷も妹への罪悪感も全部抱えていい。君は君自身だから』

 

最原が叫ぶ。

 

「さあ、一緒に戦おう」

 

『万津君も信じてくれてる』

 

赤松の瞳から大粒の涙が零れた。

 

「こんな私でも……」

 

「許されるって」

 

希望の光が満ちる刹那。

 

『ガアアアッ!!!』

 

破壊音と共にナイトメアが現れた。漆黒の楽譜で編まれた怪物が赤松を飲み込もうとする。

 

けれど。

 

「悪夢はここまでだ」

 

赤松さんが、悪夢から目覚めようとしている。

 

そんな彼女を再び悪夢へと誘おうとするナイトメアが迫っていた。

 

だからこそ、俺は。

 

「貴様っ!」

 

ナイトメアの前に、俺は立ちはだかる。夢の中でも感じるこの威圧感。奴の纏う禍々しい音波が空間を歪ませている。最原の勇気ある一言で光を取り戻しかけた赤松さんを、二度と悪夢に引き摺り込む訳にはいかない。

 

「万津くん!危ないよ!」

 

赤松さんの悲鳴が聞こえる。

 

「大丈夫だ!ここは俺に任せろ!」

 

そう叫びながら、俺は右手をゼッツドライバーに添えた。金属の冷たさが指先に伝わる。ベルトの起動音が響く。

 

「悪夢なんてこの世から無くなればいい。だから――お前を倒す……!」

 

それが、宣言となる。

 

『インパクト!メツァメロ! メツァメロ!』

 

「I'm on it……変身!!」『グッドモーニング! ライダー!ゼ・ゼ・ゼッツ!インパクト!』

 

眩い閃光と共に、俺の全身が金色の装甲に包まれる。フルフェイスヘルメット越しに見える景色が鮮明になる。ナイトメアの醜悪な顔がすぐそこまで迫っていた。

 

「さあ!お前の悪夢も終わりだ!」

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