ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ   作:ボルメテウスさん

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メンタルロック Part7

青い空が眩しすぎる。俺は缶コーヒーのプルトップを引きながら屋上のフェンスにもたれかかった。

 

「おっと危ない」

 

危うく缶が滑り落ちそうになった。最近こういう凡ミスが多いんだよな。

 

「おはよう万津君」

 

背後から聞こえた声に振り返ると、最原がいつもの自信なさげな顔で立っていた。片手にはルーズリーフ。

 

「まだ事件の分析してるのか?」

 

「いや……今回は“解決”というべきかな」

 

彼が珍しく笑う。その笑顔を見て少しだけ肩の力が抜けた。

 

「万津君!最原君!」

 

明るい声が近づいてくる。赤松楓だ。太陽みたいな笑顔が眩しい。

 

「見て!」

 

彼女がスマホの画面をこちらに差し出す。映っているのはクラシック音楽配信サイトのライブ中継画面。ピアノを弾く若い女性が映っている。

 

「妹と話せたの! ちゃんと謝れて……」

 

彼女の声が震える。瞳に涙が溜まっているのが見て取れた。

 

「よかったな」

 

俺は短く答えた。本当はもっと何か言うべきなんだろうが、こういう時に気の利いた台詞なんか思いつかない。

 

「あんなこと言ってごめんって泣いてたらね、向こうも“私も”って……」

 

彼女が嗚咽を堪える。

 

「今までずっと怖かったの。絶望ビデオのせいだって分かってるけど……」

 

「でも今は違うよな?」

 

俺が言うと彼女は勢いよく顔を上げた。

 

「うん!」

 

その瞬間の笑顔が凄まじく美しかった。なんだか照れ臭くなって缶コーヒーを一口啜る。

 

「それにしても、二人はなんでここに」

 

最原の質問に俺は鼻を鳴らした。

 

「…教室で皆と一緒にいるのが、少し怖くて」

 

「僕も、まだちょっと馴染めなくて」

 

「二人共」

 

そう、俺達の言葉に対して、赤松さんは苦笑いをしていた。

 

「君がいなければ絶望ビデオに勝てなかったよ」

 

「いやいや」

 

俺は首を振った。

 

「あいつを倒せたのは君たち二人が諦めなかったからだろ」

 

その言葉に最原は目を伏せた。

 

「僕はただ……推理するのが好きだっただけさ」

 

沈黙が流れる。

 

「……ところでさ」

 

赤松が唐突に口を開いた。

 

「私たち、これからも仲良くしていいかな?」

 

あまりにも真剣な顔だったので思わず吹き出してしまった。

 

「当たり前だろ」

 

「よかったぁ」

 

彼女が胸を撫で下ろす仕草が可愛らしくてまた笑ってしまう。

 

「それにしても」

 

「どうかしたんだ?最原?」

 

「…絶望ビデオを配る超高校級の絶望は、どうやって僕達に絶望ビデオを配ったのか」

 

「えっ、どうして?」

 

「だって、こういう対策はしっかりとしているはずなのに。ここまでセキュリティを突破出来る程の人物は一体」

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