ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ 作:ボルメテウスさん
赤松さんの事件を無事に解決してから、数日。
俺達は、今、教室にいた。
だが、教室にいる状態でふと、周囲の教室の情況を見ていた。
「なんというか、クラスメイトって、こんなに少なかったのかな?」
「いや、さすがに少ないというか、私達、3人しかいないよ」
俺の言葉に対して、赤松さんは思わず呟いてしまう。
「まぁ、希望ヶ峰学園って、基本的に超高校級の才能を重視しているからね。だから、それに関連する仕事でいない事が多いからね」
「まぁ、それは確かに知っているけど、サボっている人も多くない」
最原の説明は分かりやすいが、明らかにクラスメイトの行方は知らない。
だが、超高校級の探偵という位だし、そんな事もあると思う。
「はぁ、、俺、ちょっとトイレに行ってくる」
「行ってらっしゃい」
そう言って、俺は席を立つ。
その時であった。
「ふぅー!やっぱり、この学校で一番かわいいのはオレ様だよなぁ?」
なにやら聞き覚えのない声が聞こえてくる。
(こ、こいつ)
(もしかしなくても)
「ん?なんだ、万津かよ。貧乏臭いな」
そうしてトイレに入ろうとした時、そこに居たのは入間美兎だった。
「……えっと、入間……だっけか」
「ああん?オレ様を知らねえとか、マジでモブ以下の存在だなテメー。オレ様は超高校級の発明家!入間美兎様だ!覚えとけよ!」
ブロンドの髪をファサッと払う仕草すら計算され尽くしたようで腹が立つ。だがそれ以上に「モブ以下」って評価が心臓を抉る。確かに才能はないけどさ……
「ああ、そうだよな。悪いけど、俺にはそういうセンスも発明もねぇからよ」
「ケッ!つまんねーヤツ!お前みたいなやつは黙って便器眺めてろっての。あ~あ、オレ様の時間の無駄だったぜ。じゃあな貧乏人」
彼女は心底嫌そうな顔をして去っていく。トイレに入る俺を睨みつけながら。
(入間美兎……名前は知ってたけど、喋ったら喋ったで想像通りの嫌味さだな)
俺はため息をつきながら個室のドアを閉めた。壁のタイルがやけに冷たく感じる。
(あの自信……発明家っていう才能があってこそなんだろうな……)
才能。まただ。この学校に来てから何度もぶつかってきた言葉。
最原の探偵スキル。赤松さんのピアニストとしての才能。そしてさっきの入間の発明家としての才能。
(俺には何もない)
改めて実感させられると、胸の奥がじくりと痛む。
才能があれば。そう思う日は少なくない。
便座に腰掛けながら、俺は窓の外を見た。昼休みのグラウンドからはボールを追いかける声や、笑い声が聞こえてくる。みんな楽しそうだ。
(羨ましいな)
才能があるということは、きっと世界が違って見えるんだろう。
才能があれば、認められて、必要とされて、あんな風に笑えるんだろうか。
俺はいつも蚊帳の外。陰キャ代表。この学校の「お荷物」みたいな存在。
(……考えすぎか)
頭を振って思考を断ち切る。トイレから出て廊下に戻ると、まだ入間の香水の匂いがかすかに残っているような気がして眉をひそめた。
「はぁ、どうし」
そう考えていると、廊下に思いっきり倒れている入間さんがいた。
「どういう情況!?」