ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ   作:ボルメテウスさん

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先輩 Part3

「なんで、エロ本がパワーアップに繋がるんですか」

 

先程まで真剣な表情で話していたとは思えない伊達さんに向けて、俺は思わず叫んでしまう。

けれど、伊達さんの表情は変わらない。

 

「あれは小3の頃の体験に起因するものだ。その時、俺は小学校の裏手にある深い森の中を1人で歩いていた」

「えっと」

「それが学校から家へと帰る為の近道だったからだ」

「それが、エロ本とどういう関係が」

「まぁ、最期まで聞け」

 

俺の疑問を余所に伊達さんはまるで懐かしい想い出に浸るように呟く。

 

「すると、茂みの奥の開けた敷地に一冊の雑誌が落ちていたのを見つけた。表紙もページもカピカピになった誰かが使ったエロ本だった。俺はその場にしゃがみ混むと、ドキドキしながらページをめくっていった」

「・・・なんだろう、凄くどうでも良い話になってきた気がする」

『実際には、どうでも良い話だからな』

「シャラップ!話は最期まで聞け!だが、そんな時、右脚の踝の辺りにチクりと刺すような痛みを覚えた。驚いて飛び退くと、そこには1匹の白い蛇がいた」

「あぁ、蛇と言えば、俺、何度も蛇に噛まれて死にかけたなぁ」

「そう、それだ!」

 

俺がそう言うと、伊達さんはこちらを見つめる。

 

「そいつを見てから三秒後、俺はその蛇の毒によって倒れてしまった。倒れた俺の姿が発見されたのは翌朝の事。それから三日三晩、生死の境を彷徨い、どうにか無事に生還を果たした。そう、それがこのエロ本パワーだ」

 

それに対して、俺は思わず首を傾げる。

 

「エロ本パワー?」

「俺はエロ本を眼にした直後に臨死体験をした。その結果、俺の中でエロスとタナトスが、リピドーとデストルドーが渾然一体となって溶け合う事になったんだ」

「・・・ますます分からない」

「ようするに、俺は性的な興奮を覚えると同時に強く死を意識するようになったって事だ。もっと簡単に言うと、俺はエロ本を見ると、死にそうなるんだ」

「いや、それって危なくないか?」

「いいや、人間って奴は死に瀕した時にとんでもない力を発揮するだろ?いわゆる火事場の馬鹿力って奴だ」

 

その言葉を聞いて、俺は。

 

「確かに」

『いや、それは納得するのか?』

「いや、その、俺はそれこそ死にかけた事が何度も体験したので」

『まっまぁ、それは確かに同意するが』

 

伊達さんの話に関しては、途中までは疑問に思ったが最期の火事場の馬鹿力という部分には納得した。

 

「俺が考えるに、お前のゼッツの強さはそういう部分にあると思う。何度も死にかけた体験をしたおかげで、脳の処理速度が他の人間よりも優れていると考えている」

『それに関しては同意だな。実際に万津の脳の処理速度は睡眠時にはかなり上がっている。それがゼッツの適合率を上げているからな』

「つまり、俺もそれを身につけば、ゼッツはさらに強くなる」

「そう!だからこそ!お前もエロ本を読むんだ」

「『いや、それには繋がらないだろ』」」

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