ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ 作:ボルメテウスさん
俺は基地の窓から外を見下ろしていた。希望ヶ峰学園の校舎が、夕闇に沈んでいく。正門の向こうには、見慣れない黒い人影がいくつも蠢いている。NAIXの兵士たちだ。特殊なパワードスーツを着込んだ彼らは、ゆっくりと、しかし確実に学園へと迫っていた。
「あれがNAIXの戦力か」
俺の呟きに、隣に立つ伊達がうなずく。
「TC-PERGEのウイルスを撒き散らしながら進軍してる。おまけにパワードスーツは対ライダー用にカスタマイズ済みだ。生身の警察じゃ相手にならねえ」
「迂闊に外にも出られない、か」
空気中にはまだ高濃度のナノマシンが漂っている。俺達は既に感染している可能性が高いが、これ以上の吸引は避けたい。ゼッツに変身すれば装甲で防げるが、それも長時間は保たない。
「どうするんだ、万津くん」
最原が地図を広げながら尋ねる。学園の見取り図には、赤いペンでNAIXの侵攻ルートが書き込まれていた。
俺が答えようとした瞬間、基地のモニターが一斉に点灯した。画面に映し出されたのは、見慣れた五人の顔だった。
「待たせたな、万津」
まんじが獰猛に笑う。彼女の背後には警備省の装甲車が並んでいた。
「こういう時のために、あたし達がいるんだろ」
「感染の心配がない、機械のボディってやつだな」
丑寅が巨体を揺らして笑う。
「NAIXの連中がウイルスを撒くなら、こっちはウイルスが効かない体で相手をする。単純な話だ」
「理論上は完璧だね」
テコが眼鏡を押し上げながら、淡々と続ける。
「僕達はアルターエゴ。この機械のボディには、TC-PERGEは感染しない。パワードスーツの対ライダー装備も、僕の分析で弱点は把握済みだ」
「言の葉の魔術による解析も完了しています」
黒四館の片目が、モニター越しに光る。
「NAIXの戦術パターンは極めて限定的。対応は可能です」
「法務省としても、これ以上の破壊行為は看過できませんので」
犬神がステッキをくるりと回し、優雅に微笑む。
「ここは我々、終天教団の幹部五名で対処いたしましょう」
五人の幹部が、それぞれの持ち場から俺を見つめている。
彼らが、その手に持っていたのは、ロードインヴォーカーだった。
さらには、それはまんじやテコも持っていた。
「万津」
まんじがモニター越しに俺を呼ぶ。
「お前はそこで見てな。これは、教祖様を守るための戦いでもある。あたし達の出番だ」
俺は拳を握り、うなずいた。
「頼む。俺は別のルートで動く」
「了解だ」
まんじが笑う。
「行くぞ、お前ら。NAIXの連中に、終天教団を舐めるとどうなるか教えてやれ」