ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ 作:ボルメテウスさん
モニターの向こうで、まんじが高らかに宣言した。
「行くぞ、お前ら。NAIXの連中に、終天教団を舐めるとどうなるか教えてやれ」
五人の幹部が、一斉にロードインヴォーカーを取り出す。それは、ゼッツドライバーとは異なる形状の変身ベルトだった。より無骨で、より威圧的なデザイン。中央のスロットには、灰色のカプセムが装填されている。
まんじがカプセムを押し込む。
『エンフォース ロードシステム!』
重厚な電子音が基地のスピーカーから響いた。灰色のカプセム――ブレイクコードダウンカプセムが、不気味に脈打っている。
「これが、あたし達の新しい力だ」
まんじが獰猛に笑う。
「教祖様を守るためなら、手段は選ばねぇ。たとえ、この力が偽りの模造品でもな」
「偽りも、使い方次第で真実を超えるんだよ」
テコが眼鏡を押し上げながら、淡々と続ける。
「僕が設計したブレイクコードダウン。オリジナルのゼッツシステムを解析し、再構築したものだ。性能は本物に及ばない。だが――」
「だが、俺達五人が揃えば、その差は埋まる」
丑寅が巨体を揺らして笑う。
「数は力だ。一人で足りねぇなら、五人で補えばいい。単純な話だろ」
「言の葉の魔術による解析も完了しています」
黒四館の片目が、モニター越しに光る。
「ブレイクコードダウンは、変身者の特性を最大限に増幅する。私達の能力を、戦闘に最適化した形で出力できるはずです」
「法務省としても、これ以上の破壊行為は看過できませんので」
犬神がステッキをくるりと回し、優雅に微笑む。
「ここは一つ、派手にいきましょうか」
五人が、同時にカプセムのボタンを押し込む。
『ブレイク』
灰色の光が、モニター越しにも眩しく輝いた。
『オンユアマーク オンユアマーク』
リズミカルな電子音が響く。まんじが叫ぶ。
「擬装!」
『エンフォース ロードシステム』
『ブレイク』
灰色の装甲が、それぞれの幹部の身体を包み込んでいく。
灰色の光が、モニター越しにも眩しく輝いた。俺は基地の窓から身を乗り出し、学園の正門前に展開する五人の幹部を見下ろす。
まず目に飛び込んできたのは、まんじの姿だった。
ロードインヴォーカーが彼女の胸で低く唸り、灰色のカプセムが不気味に脈打っている。彼女はそれを乱暴に掴み、一気に回転させた。
「擬装!」
『エンフォース ロードシステム』
『ブレイク』
彼女の周囲に、試験管のような巨大な透明の筒が出現する。それは彼女の全身をすっぽりと包み込み、内部に特殊なゲルが一気に満たされていった。ゲルは彼女の身体に密着し、瞬く間にミッションスーツを生成していく。暗闇の中で、無数のドローンが放つレーザーめいた光が彼女の全身を走査し、装甲のラインを精密に描き出していく。試験管のエフェクトが砕け散ると、そこには一人の戦士が立っていた。
ロードツー。
ロードシックスと似ているが、頭部には蝶のような模様が浮かび上がっている。装甲の色合いも微妙に異なり、より攻撃的なシルエットを形作っていた。両腕には鋭い刃が装備され、彼女の戦闘スタイルを反映している。背中には蝶の翅を思わせるマントが広がり、それ自体が武器にも盾にもなり得ることを示していた。
「これが、あたしの新しい力だ」
まんじが両腕の刃を打ち鳴らす。金属音が、夕闇に吸い込まれていった。
続いてテコが前に出る。彼のロードインヴォーカーは、他の四人とは異なり、胸部に装着されていた。
「擬装」
彼が淡々と呟き、カプセムを回転させる。試験管が彼の小さな身体を包み込み、ゲルがミッションスーツを生成する。ドローンのレーザーが全身のラインを描き、試験管が砕け散る。
ロードゼロ。
ロード系戦士の素体の上から、コードゼロイダーをアーマーとして装着している。胸部のアーマーがあまりに大きすぎて、胸に装着されているロードインヴォーカーがほとんど隠れてしまっていた。腕には銃が仕込まれており、遠距離からの精密射撃を可能にしている。彼の小さな体格を補うように、装甲そのものが武器庫としての機能を果たしていた。
「これで計算通りだ」
テコが腕の銃を確認するように、軽く構えてみせる。
丑寅が豪快に笑いながら、巨体を揺らして前に出る。
「待たせたな!」
「擬装!」
彼のカプセムが回転し、巨大な試験管が出現する。ゲルが彼の筋骨隆々の身体を包み込み、ミッションスーツを生成。ドローンのレーザーが装甲のラインを描き出す。
ロードファイブ。
姿形はベルトと色、左肩の装甲以外はノクスナイトと共通。メインカラーは赤で、彼の情熱的な性格を反映している。ノクスナイトやロードスリーに比べると複眼の横幅が狹いのが特徴で、より焦点を絞った視野を提供する。両手にはグローブ型の武装が装着され、その拳はそれ自体が必殺の武器だった。
「よし、これでいつでも殴り合えるぜ!」
丑寅が両拳を打ち合わせる。鈍い衝撃音が、地面を震わせた。
犬神が優雅にステッキを回し、一歩前に出る。
「では、私も」
「擬装」
彼の試験管が出現し、ゲルがスーツを生成する。身体のラインがグレー、金、黒の三色に彩られ、左肩には紫色のマントが流れた。
ロードスリー。
エスプリム系の特性を反映し、優雅でありながらも実戦的なデザイン。マントには法務省の紋章が刻まれ、彼の立場を示している。両腕には細身の剣が装備され、調停者としての戦い方を体現していた。
「派手にいきましょうか」
犬神が薄く笑う。
最後に、黒四館が静かに前に出た。
「擬装」
彼女の声はいつも通り小さく、けれど確かな意志を宿している。試験管が彼女の細身の身体を包み、ゲルがスーツを生成する。水色をメインカラーとした装甲は、他の四人よりも女性的な身体的特徴を強調していた。
ロードシックス。
メインカラーが水色になっている。身体のラインもグレー、金、黒の三色で構成され、女性的なシルエットが際立つ。両腕には言霊を操るためのデバイスが装備され、彼女の能力を戦闘に最適化していた。
「言の葉の魔術、戦闘モードで起動します」
黒四館の片目が、モニター越しに静かに光る。
五人のロードが、夕闇の中に立ち並ぶ。
それぞれが異なる能力、異なる戦闘スタイル、異なる信念を持ちながら、今は一つの目的のために集結していた。
まんじが、獰猛に笑いながら一歩前に出る。
「行くぞ、お前ら。NAIXの連中に、終天教団を舐めるとどうなるか教えてやれ」