ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ   作:ボルメテウスさん

37 / 250
奇抜 Part1

窓の外に広がるのは雨。連日の降雨が俺たちの心をさらに重くしているようだ。

 

あの日──ボムナイトメアを倒してからちょうど一ヶ月。

 

その間にも、数多くのナイトメアと遭遇し続けてきた。

 

ある時は巨大な蜘蛛型のナイトメア、ある時は数百羽の鳥型ナイトメアの大群。さらには透明人間タイプの厄介な敵とも対峙した。

 

「……結構な数、倒したよな」

 

独り言が出てしまうくらいには疲弊している。ゼッツの力は確かだが、その消耗も激しい。連戦に次ぐ連戦で体は悲鳴を上げていた。

 

しかし肝心の手掛かりは何一つつかめていない。終天教団──彼らの目的も所在も依然として不明のままだ。

 

「やっぱり……アイツらは常に二歩先を行ってるってことか」

 

拳を握りしめる。悔しさが滲み出る。

 

雨音がベンチの屋根を叩きつける音だけが響く公園で、俺は濡れた袖を拭っていた。戦闘後の疲労で指先が痺れている。

 

「……すぴー……」

 

隣から微かに聞こえる寝息。夢野秘密子だ。

 

雨上がりのベンチで肩を寄せ合い座っていたら、いつの間にか彼女が眠り込んでいた。雨雲の合間から漏れる陽光が、三角帽子の赤いリボンを透かす。その無防備な寝顔はマジシャンというより幼い少女のようで――。

 

(まさか本当に寝ちゃうとは……)

 

彼女の細い指先が、膝上の帽子のふちをぎゅっと握っている。無意識の仕草に胸が締め付けられる。

 

「ん……っ」

 

夢野が小さく身じろぎする。瞼がゆっくりと開いていく。宝石のような碧眼が覗く。

 

「そなたは何者なんじゃ?」

 

突然質問されて戸惑う一方で冷静さを取り戻す。

 

「僕の名前は万津莫。君と同じ希望ヶ峰学園77期生の1人です」

 

自己紹介すると彼女は「ふむ」と考え込む素振りを見せた後こう言った。

 

「・・・そうじゃったか?」

 

「おっ覚えていないのか」

 

それは、それで少しショックだ。

 

「・・・なんじゃか、最近では眠れなくてのぅ」

 

「眠れないって?」

 

俺は、思わず質問する。

 

「ふむ、少し前に変な映像を見てから悪夢を見るようになって、困ってのぅ。しかも、変な金髪の男も見るようになってのぅ」

 

「っ」

 

その話を聞いて、俺は眼を見開く。

 

それが意味するのは、手掛かり。

 

「夢野さんっ」

 

「うわぁ、なんじゃ?」

 

俺の声に驚いた声を出す夢野さん。

 

「少し付き合って欲しい場所があるんだ」

 

「ふにゃぁ、付き合って欲しいだと!?」

 

その言葉に対して夢野は驚きを隠せない表情をしていた。

 

けれど、その頬はなぜか赤くなっているが、今はそれよりも夢野さんの悪夢をなんとかしなければ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。