ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ   作:ボルメテウスさん

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奇抜 Part7

「んなぁ」

 

「えっと、夢野さん」

 

昨日の夢野さんのソムニウム世界にいたナイトメアを倒した後。

 

俺は、夢野さんからその後の様子について聞く為に来ていたのだが、彼女はベンチで眠そうな様子を見せていた。

 

これまでと変わりない様子で少し心配したが、なぜか夢野さんは、そのまま俺の膝の上へと頭を乗せる。

 

「えっと、夢野さん」

 

「ふあ~~よく寝たのう」

 

「そりゃあれだけ爆睡すれば、良く寝れますよね」

 

「のう? 万津よ?」

 

「なんだよ」

 

「感謝しておるぞ」

 

「礼なんて良いよ。大切なクラスメイトだし」

 

「ふむ。そうかえ」

 

俺の言葉に少し満足気に頷きながらも、彼女は懐から一つのトランプカードを取り出す。

 

「これはわらわからの贈り物じゃ」

 

「トランプ?」

 

受け取ったカードは普通のトランプカードのようだ。ただ、背面のデザインは彼女がデザインしたものであることが分かる。

 

「これには意味があるのか?」

 

「そうじゃよ。魔力を籠めてみたんじゃ。何かあったら使えるようにしておくと良い」

 

そう言いながら彼女はまた眠りにつこうとするので慌てて止める。

 

「おい!ここで寝るな!」

 

「じゃが眠いんじゃよぉ〜」

 

駄々っ子のように足をバタバタさせて抵抗する彼女を見ていると毒気が抜かれるような感覚になる。

 

しかし俺が呆れている間に彼女は既に目を瞑ってしまっていたようで小さく寝息を立てていた。

 

「まったく……世話の焼けるクラスメイトだ」

 

俺は溜息をつきながらも彼女の頭を軽く撫でると起こさないようにそっと移動させた後ベンチを立ち上がる。

 

すると背後から声がかかった。

 

「随分楽しそうですね?」

 

その表情からは感情を読み取ることが出来なかったが少なくとも好意的には感じられなかった。

 

「万津君!何故そこで夢野さんを膝枕にしているんですか!?しかも学校内!許されませんよ!犯罪ですよコレは!!」

 

彼女は竹刀代わりの竹箒を正眼に構えている。その剣先は俺の喉元を正確に狙っていた。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれよ茶柱さん!これには深いわけが……」

 

「問答無用です!痴漢行為なら余計に罪が重くなりますよ!」

 

周囲の生徒たちがヒソヒソと噂話を始める。廊下には冷や汗が伝うほどの緊張感が走った。

 

「私は見ていました!あなたが朝からずっと夢野さんの近くをうろついていたことを!そして今!そんな卑劣な行為を平然と行っている事実!」

 

「誤解だってば!」

 

弁明の声は届かない。彼女の瞳孔は開ききっていて理性がどこかへ旅立っていた。

 

「さぁ観念してください!この茶柱転子が成敗してくれるのです!」

 

竹箒が唸りを上げて振り下ろされる――その寸前だった。

 

「ふわ……」

 

夢野さんが目を擦りながら起き上がる。そして俺の膝から滑り降りると、「ごちそうさまじゃ」の一言を添えて教室へ戻ってしまった。まるで他人事だ。

 

「……」

 

沈黙が訪れる。茶柱の顔がみるみる紅潮していくのが分かった。

 

「どっか行きやがった」と思わず漏らしそうになる。

 

「夢野さんの寝顔を独占するとは……やはり万死に値しますね!」

 

「いやいや寝かせてた側だろ!?」

 

「言い訳無用!問答無用!」

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