ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ 作:ボルメテウスさん
あれから、俺は教祖の事についてを考えていた。
実際に敵対をしているし、これから倒さなければならない敵だという事は理解している。
けれど、それと同時に気になってしまうのもまた事実だ。
『あいつはいったい何者なのか』
そんな疑問が頭から離れず悶々とした日々を過ごしているうちに時間が過ぎていき・・・気が付いたら昼休みになっていたようだ。
(それにしても今日は一段と暑い日だなぁ・・)
窓際の席に座りながらぼんやりと外の景色を眺めていた俺はそんな事を考えていた矢先のことである。
突如として後ろから声を掛けられる事となったのだった。
「クク‥‥君はいつも退屈そうな顔をしてるねぇ」
耳慣れない声質が響くとともに振り返るとそこに立っていたのは一人の男であった。
一見すると軍服のような服装に身を包んだその男はマスクによって口元こそ隠されていたものの目元だけでも分かるほど整った顔立ちをしている事が伺えた。しかしそれ以上に特徴的だったのがその風貌そのものだったのだ。まるで忍者が被るような黒い布製の覆面を付けているという点に加えてさらには長い黒髪が腰までのびておりそれらが組み合わさった結果なんとも怪しげな雰囲気を漂わせている男であったのだ。
(これはヤバい奴かもしれんぞ……)
その得体の知れなさに思わず固唾を飲み込みながら次の言葉を待っているとそんな俺の心中などお構いなしといった様子で口を開いたのである。
「クク……やぁ万津クン」
名乗りもせずにいきなりフランクに話しかけてきた男に対して内心呆気にとられながらもとりあえず挨拶くらいしておくべきだろうと思い口を開くことにしたのだ。
「…………はい?」
しかし返ってきた言葉に対してうまく反応できないまま黙りこくってしまう俺に対し男は何やら楽しそうに微笑んでみせたのである。
「失礼、こうして話すのは、あんまりなかったからね。君とはいつか話してみたいと思っていたんだ」
「俺に用って、何かな真宮寺君」
俺は困惑を隠しながらも冷静に尋ね返す。だが内心では激しく動揺していた。こいつは間違いなく要注意人物だ。なんといっても胡散臭さが半端じゃないからな。とはいえここで怯んだりすれば却って弱みを見せて相手に付け入られる可能性もあるため表面上は平静を装いつつ向き合うことに決めたのである。すると案の定すぐに反応が返ってくることになるのだった。
「クク・・・興味深いね」
ニタリと笑みを浮かべながらこちらの表情を覗き込んでくるあたり相当油断ならない印象を受けたものだった。
「はぁ?どうして?」
その態度に違和感を覚えつつ尋ねるとさらに不可解な答えが返ってくることになるのだった。
「キミのその虚ろな目が何を意味するのか実に興味があるんだヨ」
(やばいヤツだこりゃ……)
率直にそう思う一方で同時に嫌な予感も抱いたりしたものだった。なぜならばこのようなタイプの相手というのは得てして厄介ごとを持ち込むことが多いという前例があったためである。それにしても随分と奇妙なことを言うものであると思う他なかったのだ。そんなわけでいよいよ不信感を募らせているところであいつはなおも饒舌に語りかけてくることになるのだった。
「クク……君は面白いね」
男はゆっくりとマスクの下で唇の端を持ち上げた。その笑みは獲物を見つけた蛇のように邪悪だった。
「君の瞳の奥には迷路がある。感情と理性の入り組んだ道を辿れば辿るほど出口が見えなくなるタイプだね」
「……何が言いたい?」
俺は喉の奥から低く掠れた声を出した。こいつは危険だ。本能が警鐘を鳴らしている。
「単刀直入に言おう、君は何かに興味があるようだね」
そう、俺に問いかけられた。
同時に、真宮寺は、超高校級の民俗学者である。
だから、丁度良いかもしれない。
「なぁ、聞きたい事があるんだけど?」
「何かな?」
「終末宗教、どう思う?」