ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ   作:ボルメテウスさん

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模造 Part3

「ふむ……確かに僕の研究対象としては興味深いトピックだヨ」

 

真宮寺はゆっくりと腕を組んだ。マスクの奥で瞳が妖しく光る。

 

「クク……終末思想とは人間が己の存在を問い直す時によく現れる現象さ。文明が栄えるほど人は死を恐れ、死後の世界に執着するようになる。終末はその究極形態と言えるネ」

 

「なるほど……つまり死ぬのが怖いから終末を迎えてほしいってことか」

 

俺は冷めた目で分析する。だが真宮寺は首を横に振った。

 

「いやいや。それは表面的な解釈にすぎないヨ」

 

彼は椅子の背もたれを指先でトントンと叩きながら続ける。

 

「クク……僕が見た多くの終末信仰には共通する要素がある。それは『選民思想』サ」

 

選民思想———その言葉が耳に引っかかった。

 

「選ばれし者が最後に生き残る……そういう話か?」

 

「その通り。人々は自分が特別だと信じたがる。終末はその願望を最もドラマティックに叶えるシチュエーションなのだヨ」

 

真宮寺の指摘は鋭かった。俺は教祖を思い出す。

 

「じゃあ教祖もそうなのか?」

 

「クク……それは本人に聞いてみないことにはわからないネ」

 

彼は意地悪く笑う。だがすぐに真面目な声音に戻った。

 

「でも一つだけ言えることがある。終末思想は個人の妄想じゃない。社会病理の一種サ」

 

俺は眉を寄せる。

 

「どういう意味だ?」

 

「人は恐怖を感じた時、見えない力を求める。宗教も終末論も同じだヨ。今の時代は不安材料ばかりだ。不況、環境破壊、疫病……挙げればキリがない」

 

彼の指摘は確かに的を射ていた。だが……

 

「でもそれが世界滅亡に繋がるか?」

 

俺はあえて挑発的な言い方をする。真宮寺は肩をすくめた。

 

「クク……その辺りが微妙なところサ。大衆心理というのは不合理なものだヨ。だからこそ民俗学が面白いのさ」

 

彼はにやりと笑った。

 

「で?君は何のためにこんな質問を?」

 

その問いに一瞬言葉に詰まる。だがすぐに言い直した。

 

「別に大したことじゃない。ただの好奇心だ」

 

「クク……そうかい」

 

真宮寺は含みのある笑みを浮かべる。マスクの下で唇が動いたのがわかった。

 

「いずれにせよ」

 

彼は急に真剣な声色になる。

 

「終末論者は必ず対策を考えるものだヨ。彼らは滅びを語りながらも滅びない方法を探す……皮肉なものだね」

 

俺は黙って聞いていた。

 

「教祖が終末を回避する方法か……」

 

俺は無意識にベルトに触れた。ゼッツドライバーが微かに温かい。まるで危険を察知するセンサーみたいだ。

 

「クク……それはおそらく君が一番知るべき事柄かもネ」

 

真宮寺がマスクの下で意味ありげに笑った。

 

「なぜそう思う?」

 

「終末論者が最も恐れるものは何か?それを考えるのも一つだと思ってね」

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