ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ   作:ボルメテウスさん

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始まり Part7

教頭からの言葉。

その言葉に対して、俺に迷いはなかった。

 

「勿論!引き受けます!」

「っ」

 

その言葉に教頭は驚いたように見ていた。

先程まで、俺を誘っていた人物とは思えないように。

 

「理由を聞かせて貰っても良いかしら?こちらから誘っていたとはいえ、あなたにはこれから命懸けの戦いを行う事を」

 

「分かっています。けれど、それ以上に誰かを救う事が出来る。ずっと、目の前で人が死ぬのを見つめるしかなかった俺が誰かを助けられるんだったら、俺は戦います」

 

それを聞いた教頭は少しだけ悩んだ様子を見せる。

同時にぽつりと呟く。

 

「・・・サバイバーズ・ギルト」

「えっ?」

 

一瞬だけの呟きだったので、何を言ったのかまるで聞こえなかった。

けれど、それを聞いた月夜野先輩は何やら驚いた様子。

 

「・・・・・・」

 

教頭の呟きが耳に残った。「サバイバーズ・ギルト」──その言葉が妙に引っかかる。

 

霧切は深呼吸すると、月夜野に向かって告げた。

 

「あなたに頼みたいことがあるわ」

 

「えっ?」

 

月夜野が目をぱちぱちさせる。

 

「彼をサポートしてほしいの」

 

霧切の視線が鋭く刺さる。

 

「この少年には危うさがある。過去に何度も死にかけた経験が、彼を“自己犠牲的なヒーロー”に変えている」

 

「それは・・・・・・つまり?」

 

月夜野が首を傾げる。

 

「彼は他人を助けることで、“自分が助かったこと”を正当化しようとしている」

 

霧切の言葉は容赦ない。

 

ドキッと胸が疼く。まるで心の奥底を見透かされたようだった。

 

「否定するかしら?」

 

霧切が問う。

 

「これまで何度も死線を彷徨い、いつも自分だけが生き残ってきた。その罪悪感が、あなたを駆り立てている」

 

返す言葉が見つからない。

 

「万津君」

 

霧切が一歩近づく。

 

「君は“自分は不幸だから他人を助けなくてはいけない”と思っている。違う?」

 

鋭い眼差しに射竦められる。事実だった。ずっと心の奥に抱えていた呪いのような思い。

 

「だったらどうするべきなの?」

 

月夜野が不安そうな声をあげる。

 

「簡単よ」

 

霧切が淡々と答えた。

 

「この子に“自己肯定感”を与えればいい。そのためには・・・・・・」

 

彼女の視線が月夜野に移る。

 

「日菜さん。あなたには彼のメンタルケアを任せる。彼が自己犠牲で戦わないよう導くのがあなたの任務」

 

「えぇー私に?」

 

月夜野が悲鳴のような声をあげる。

 

「あなたしかいない」

 

霧切の断言。

 

「この子は“希望の種”なのだから」

 

「希望の・・・・・・種?」

 

私は思わず繰り返す。

 

霧切は薄く微笑んだ。

 

「そう、少なくとも私は彼の中にあの時の彼に似ているから」

 

その言葉に不思議な温もりを感じた。同時に責任の重さに胸が詰まる。

 

月夜野は腕組みをして考え込んでいる。

 

「わかったわ」

 

彼女はついに頷いた。

 

「私があなたをちゃんとサポートするから。安心してね?」

 

どこかぎこちない励まし方だったけど、その不器用さが妙に心地よかった。

 

すると、懐から取り出したのは。

 

「それは?」

「いやぁ、さっき、勢いで作ったカプセムですよ」

「カプセムって?」

 

先程までの会話で出てきたアイテムだが。

 

「カプセムというのは、夢を叶える力が備わっているアイテムでもあります。言ってしまえば、希望ヶ峰学園に保存されていたこれまでの超高校級の才能をその身に宿す事が出来るんです」

「それって、現実では」

「残念ながら、現実ではあまり使えないんですよ。なんだって、超高校級の才能というのは、肉体面にも頭脳面などが関係しているので。

ただし、夢の中では、それらの制限がない。万津君も夢の中では本来ならば不可能な事が行えたでしょ」

「・・・確かに」

 

思い返してみれば、夢の中はまさしく自分の理想の動きが出来る。

それを考えたら、夢の中ならば、超高校級の才能と言える動きも出来るのは納得だ。

 

「まぁ、まだ基本的なフィジカルインパクトしかなかったんですけど、今、完成したこのフィジカルベースボールを始め、どんどん作っていきますので!」

 

そう言った月夜野の言葉を受けながら、俺は、夢の中で、これからどう活動出来るのか。

どこか楽しみになっていた。

 

そうしていると、警報が鳴っていた。

 

「これって」

「・・・どうやら、また出てきたようね

 

その言葉と共に、俺は笑みを浮かべる。

 

「ミッション・スタートだな」

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