ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ   作:ボルメテウスさん

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罠 Part2

「なるほどな……」

 

俺は息を整えながらソムニウム世界に降り立った。眼前に広がるのは平凡な一軒家。玄関には伊達さんの名札が掛かっている。あまりにも普通すぎて逆に不気味だ。

 

「まさかこれが伊達さんの記憶の中の家庭か?」

 

靴を脱いで慎重に上がっていく。廊下の突き当たりから微かにテレビの音が聞こえる。リビングに向かうとそこには……

 

「……!?」

 

青白いシルエットの死体がいくつも倒れている。まるで水彩画のように輪郭がぼやけているが間違いなく人体だ。老若男女入り混じって十体以上はある。

 

「これは……いったい」

 

近づいてみると全員の左目から青い液体―おそらく血が流れている。

 

「左目……?」

 

咄嗟に自分の左目を触る。違う違う俺じゃない。でもどうして左目ばかり?

 

「ん? これは……」

 

床に落ちている新聞。

 

「サイクロプス事件?」

 

まるで聞いた事のない名前の事件に疑問に思う。

 

「第一次……サイクロプス事件?」

 

新聞を拾い上げる指が震える。

 

記事には秋川渓谷で起きた若い女性たちの連続猟奇殺人の詳細が載っている。

 

〈犠牲者たちは一様に右目が消失した状態で発見〉〈犯人は自らを“サイクロプス”と名乗る〉〈最終的には一名のみ確保も共犯者は逃走〉

 

「それで終わりじゃない……」

 

ページをめくる手が止まる。別の記事が目に飛び込んでくる。

 

〈第二次サイクロプス事件発生〉〈今回は被害者が無差別的〉〈消えた眼球は左目〉〈現場は東京都内各地に分散〉

 

「何だよこれ……」

 

伊達さんの左目。

 

彼がなぜ隻眼なのか、今まで気に留めなかった自分に腹が立つ。あの強い男にも隠したい過去があったんだ。

 

「待てよ……」

 

冷や汗が背中を伝う。

 

もし伊達さんがこの事件の関係者だとしたら? いや違う。そんな軽い問題じゃない。

 

もっと根本的な何かだ。

 

「ABISが国家機密として隠蔽してる事実って……まさか」

 

その瞬間だった。家の扉が勢いよく開いた。

 

俺は、同時に構えると、そこには1人の子供が立っていた。

 

「・・・なるほど、まさかとは思っていたけど、既に介入していたのか」

 

そこに立つのは1人の少年。

 

年齢に合わない白衣を身に纏うが、見た目に決して騙されていけない事を、俺は知っている。

 

故に、俺はゆっくりと構える。

 

「お前、終天教団か」

 

「まぁ、そうなるね。僕は伊音テコ。まぁ、君も知る終天教団の1人だ」

 

「そうか、だったら、お前がこれを作った本人という訳か」

 

「あぁ、そうだね。けれどまぁ、こちらとしても予想外な事が置きてね」

 

「予想外な事だと?」

 

そうして、俺が確かめるよりも先に、窓の外を見る。

 

見つめた先に、疑問があった。

 

「ナイトメアが二体だと」

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