ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ 作:ボルメテウスさん
第二サイクロプス事件。
その事件は、かなり複雑な内容であった。
しかし、その事件を通して起きた数々の出来事を聞いて、正直に言えば。
「現実味がないような」
「お前の不幸具合に言われたくない。けれど、その事を考えれば、そいつの正体も察する事が出来た」
「正体って」
それに対して、俺は疑問に思い、思わず問いかける。
「俺の脳の中に残っていたあいつの残留思念だろう」
「どういう事なんですか?」
俺は思わず疑問に思う。
「・・・俺は、あいつの身体で何年も活動していた。その時、奴の影響を受けた可能性はある」
「それは」
「脳は未だに未知の領域だ。本人ですら知らない事が起きても可笑しくない世界だ」
それを言われたら、俺は何も言えなかった。
だとしたら。
「終天教団は、一体何を企んでいるんだ」
「・・・分からないが」
そう、俺達が話していると、スマホに連絡が来た。
スマホが震えた。液晶画面に表示された名前を見て思わず眉を寄せる。「最原」だ。
「もしもし」
「万津君……大変なんだっ!」
普段冷静な最原の声が今日は裏返っている。背景には何かが軋むような不穏な音。
「落ち着け、何があった」
「百田君が……!」
息を呑む音が伝わってくる。
「百田がどうした」
「絶望のビデオを見たんだっ!」
それは、どれだけマズイ事態か理解した。
「分かったっ、とにかくどこにいる!」
「早く来て!」
通話が切れる。
「行きましょう伊達さん!」
シリコンマスクを握り潰しそうな表情で伊達さんが立ち上がった。
「世島のナイトメアといい終天教団といい」
「……!」
スピーカー越しに届いた最原の叫び声は明らかに尋常ではなかった。鼓膜を直接突き刺すような響きに思わずスマホを耳から離してしまう。
「すぐに来いって……こいつは相当ヤバい状況みてぇだな」
隣にいた伊達さんが舌打ちしつつも腰を上げる。顔には珍しく焦燥の色が濃い。
「ああ……何とかしないと!」
俺たち二人が廊下に出て、階段を駆け降りる。息が上がる中、頭の中では不安定なピースがパズルのように入り乱れていた。
「ここだ!」
「万津君! 伊達さん!」
最原が縋るような目を向ける。
「百田君が……!」
唇を噛みしめて室内を指さした。
百田は、これまでの明るい表情とは違い、かなり苦しい状態で寝ている。
それを見るだけでも、かなり危機的状態なのが分かる。
「・・・任せろ」
それと共に、俺はすぐにゼッツドライバーを装着すると共に、その手にカプセムをそのまま装填する。
見つめる先には、これまで何度も救ってくれた彼を助ける為に構える。