ダンガンロンパZ 希望のライダーと悪夢のビデオ   作:ボルメテウスさん

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クラスメイト Part1

絶望こと悪夢からから人々を救うエージェント、ゼッツ。

 

それに選ばれた俺は、まさしく危機的状況に陥っていた。

 

どのようなピンチか?

 

決まっている。

 

「・・・どうしよう、友達が出来ない」

 

絶賛、ぼっち飯を堪能している俺は思わず呟く。

 

希望ヶ峰学園に入学した初日、事件に巻き込まれてしまった。

 

結果的には、俺は人々の夢を守るエージェントに選ばれた。

 

それ自体には不満はなかった。

 

けれど、入学初日からいなかった俺は、クラスでもかなり浮いてしまった。

 

特に、俺の持つ『超高校級の幸運』という名の『超高校級の不運』はクラスでもかなり浮いてしまった。

 

俺は虚しく箸を動かしていた。-

 

「……うまいな。やっぱり卵焼きは甘い方が好きだよな」

 

無意識に独り言が漏れる。隣の席の男子生徒がちらっとこちらを見て、すぐに視線を逸らした。気まずそうな顔だ。

 

そりゃそうだろう。入学して一週間。俺はまだ誰ともまともに会話していない。むしろ避けられてると言ってもいい。-

 

別にいじめられてるわけじゃない。ただ、話しかけてもみんな微妙に距離を取るのだ。

 

「超高校級の不運」なんて肩書きを持つ奴と関わったら、自分まで災難に巻き込まれそうで恐いのかもしれない。

 

実際、今日も朝からツイてなかった。

 

アラームが鳴らない。慌てて家を出て自転車に乗り込んだら前輪がパンク。バス停に着いたところでバスが目の前で発車。徒歩で登校しようとすると財布を忘れたことに気づき一旦帰宅。再び玄関を開けたら水道管が破裂し家中が水浸し。消防車まで出動する騒ぎになった挙句、結局遅刻確定だった。

 

この一連の不幸を一時間以内に凝縮できる俺は才能の塊だと思う。

 

職員室で担任に事情を説明した際、「わかったわかった、もう帰っていいよ」と同情混じりに苦笑されたのがせめてもの救いだ。

 

昼休みになり、ようやく教室に戻った俺を待っていたのは沈黙だった。席の周囲だけ異様に空席が目立つ。まるで見えないバリアが張られているみたいだ。

 

教室の隅の席で弁当箱を広げていた俺のところへ、ふと影が落ちた。見上げるとそこに立っていたのは同級生の最原終一だった。

 

「……隣、いいかな」

 

最原は控えめに訊いた。超高校級の探偵にしては目立たない存在だと思っていたが、わざわざ話しかけてきたのは意外だった。

 

というのも、そもそも教頭である霧切先生の探偵としての地位があまりにも高すぎるのが原因と言えるが。

 

「ああ、どうぞ」

 

「ありがとう」

 

最原は椅子を引くと、ちらりと俺の弁当を見た。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

互いに無言の時間が続く。最原は視線を泳がせながら弁当を開けている。

 

(これはあれか?俺の不幸体質を警戒してるのか?)

 

居心地の悪さが募ってきた時だった。

 

「昨日のホームルームからいなかったけど何かあったの?」

 

「うわっびっくりした!急に話しかけないでくれよ!」

 

「ご、ごめん……」

 

「いやこっちこそ悪い。昨日はちょっとトラブルがあってさ」

 

我ながら歯切れが悪い。まさか絶望ビデオを見てしまってソムニウム世界で仮面ライダーになってましたとは言えない。

 

さらには、実はその後に最原の夢の中に入った事も。

 

「トラブル?」

 

最原の視線が鋭くなる。超高校級の探偵は好奇心旺盛らしい。

 

「ああ。俺の日課みたいなもんだよ。毎朝必ず何か起きる」

 

「毎朝?」

 

「今日も朝から災難続きだったよ。自転車パンクしてバス逃して財布忘れて家帰ったら水道管破裂して消防車呼んで遅刻して……」

 

早口で喋る途中で最原がぽかんとしているのに気づいた。

 

「……冗談に聞こえるかもしれないけど本当なんだ」

 

「信じるよ」

 

予想外の返事に思わず顔を上げる。

 

「万津君が嘘をつく理由が見当たらないし」

 

「探偵が言うと説得力あるな」

 

「どうも……」

 

最原は照れたように目を逸らした。

 

「それで、聞きたい事があるのか?」

 

「えっ?」

 

「ぼっちな俺に話しかけるんだ。何か理由があるんだろ?」

 

「うっ、うん、ちょっと気になった事があって」

 

そう、最原が聞いてくる。

 

「その、万津君は何か知っているの?僕の夢の中に出てきた怪物の事を」

 

「・・・」

 

その問いかけに対して、俺は少し驚いた。

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