さてはオリ主だなオメー???   作:水代

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魔境! タマムシダンジョン②

・ふざけすぎだろ転生者パイセン

 

 

 扉を開けると石壁の通路が続いていた。

 そこを進むとまた扉があり開くと今度は広間に出る。

 中は研究所といった風であり、机の上には書類やファイルが雑多に開かれていたり、壁際には本棚が並べられていたり、試験管がずらりと並べられていたり、とあちこちに『いかにも』な配置がされていた。

 ただしあくまで見た目だけの話であり、書類には良く分からない文字が書かれていたり、本棚に並べられているのは背表紙だけ立派で中身は真っ白な本だったりとにかく『研究所風』なだけのものだ。

 

 部屋の半ばあたりまで進むとがこん、と音がして天井の一部がスライドしてベトベターが、壁の一部がスライドしてドガースが現れる。

 さほどレベルは高くなかったのか、1対2でもライチュウがあっさりと返り討ちにし、同時に部屋の奥からロックが外れる音がしたのでそちらへ向かうと壁の一部が開いて階段へと続いており、降りた先の扉を開けるとまた石壁の通路が続いていた。

 

 この繰り返しが何度か続き、少しずつ出てくるポケモンの数や質も上がってはいたのだが、出てくるのが基本ロケット団意識なのか『どく』タイプばかりなのでピィ以外は相性の問題で良いレベリングにしかなっていなかった。

 

 そうして地下5階の広間を攻略し終わると同時にパンパカパーンとファンファーレが鳴り響き天井からくす玉が転がって来る。

 

「……引けばいいのかな?」

 

 怪しみながらもさらに奥の通路への道が開く等の変化はなく、他にやれることも無いので仕方なくくす玉から伸びる紐を引っ張ってみると―――。

 

 『続きはウェブで』

 

「いや、なっつかし」

 

 転生前の記憶を遡ってもいつだったか思い出せないくらい懐かしいキャッチフレーズと共に何等かのサイトのURLらしきものが書かれた垂れ幕が落ちてきた。

 しかし続きはウェブでってどういうこと?

 などと思いながら垂れ幕に書かれたURLをスマホに入力し、検索する……と。

 

「転生者スレッド……?」

 

 そんなタイトルのチャットルームが開かれる。

 チャットルームと言ってもユーザー名を入力して入室するだけの簡素な物であり、前世でいうとこのディスコとかそういう本格的な奴ではないのだが……。

 

「ユーザー名……さすがに本名は無いかな、うーん、なら……」

 

 ユーザー名を入力し、少し悩んだ後に入室ボタンを押す。

 

 『Q.ポケモンの開発元は?』

 

 押した瞬間に出て来た質問文と解答欄に気勢を削がれるが、すぐにまあそれはそうかと納得する。

 原作を知らないと中々調べようとは思わないが、何かの偶然でこの場所に来ることはできるのだ。

 ある意味運さえあれば誰でも来れるのだからその先にさらに転生者かどうかの()()()があるのは予想できたことだったかもしれない。

 

「えーっとこの場合〇天堂かゲー〇リどっち……いや、ゲーフ〇かな?」

 

 回答を入力して送信すると僅かに読み込みが発生し……。

 

 『Q.初代アニポケ主人公の名前は?』

 

 続く問題を解いていく。

 ポケモンを知ってれば誰でも回答できそうな問題が続き、5問ほど解いたところで数秒、読み込みが挟まり。

 

 

 …………。

 

 …………………………。

 

 ………………………………………………。

 

 

・マリモ:てゆーかあの委員会はいつになったら解散するんですかねぇ???

 

・ヒャッハー:もう決着ついてんのにまだスレッドの奥底で繁殖してるのカビみたいなやつらだな

 

・レトロチックスタイル:言いたいことは分かるんだが現実を見ろと……

 

・システム『転生者スレッド(チャット版)にコスモスさんが入室しました』

 

・てりやきちきん:つかあいつらって仕事とかどうしてんの? どこから金出て来てんの? って、お??

 

・マリモ:お? お???

 

・レトロチックスタイル:新規さん?! 新規さんだ!

 

・悪童(バッドボーイ):囲め囲め!

 

・とらんぷ:どこから入ってきたんだろう? ここの入口ってあんまり多くなかったはずだよね?

 

・つまようじ三太夫:見切った! キサマ! トバリシティにいるな!

 

・コスモス:よろしくお願いします、パイセン方(え、カントーですけど

 

・マリモ:草(よろ

 

・てりやきちきん:ワロ(よろー

 

・悪童(バッドボーイ):www(よろよろ

 

・システム『つまようじ三太夫さんが退室しました』

 

・ヒャッハー:草生える(よろしくな!

 

 

 うーん……カオスだ。

 

 

 * * *

 

 

・転生者スレッド(チャット版)

 

 

・レトロチックスタイル:カントーってことはタマムシダンジョンか! あれ挑んでくれたのか!(ハイテンション

 

・マリモ:あーレトロさんが作ったんだっけあれ

 

・コスモス:いや、あれ作ったのパイセンかい(ビシッ

 

・レトロチックスタイル:結構難易度高めだったと思うんだけど良い腕してるね!

 

・てりやきちきん:レトロさんが難易度高めってそれ結構やばいやつでは?

 

・コスモス:高かった、か……?

 

・レトロチックスタイル:初っ端から群れバトルだし、最終階とかベトベトンとマタドガスも混じってたし、それなりに難易度高めなはずだったんだがなあ

 

・ヒャッハー:いや、マジで難易度高くて草生える。いや笑ってて良いのか分からんが。

 

・コスモス:うちは『どく』タイプには結構有利な面子揃えてるので

 

・とらんぷ:てことはコスモスはガチ側か

 

・コスモス:ガチ側?

 

・マリモ:一応聞いとくけどコスモスさんは原作やった派? アニメとかしか見てない派?

 

・コスモス:三値くらいは知ってる感じです

 

・ヒャッハー:ガッチガチではないけどガチくらいではあるな

 

・とらんぷ:三値って実際対戦意識しないとあんまり覚えないしね

 

・レトロチックスタイル:コスモスさんも知ってると思うけど、リアルポケモンバトルって難しいだろ?

 

・コスモス:難しい……ですか? 実機より自由度高いから楽しいですけど。

 

・マリモ:まじかあ

 

・てりやきちきん:こいつは本物だぜ……

 

・コスモス:まあ技選択すれば勝手に攻撃してくれる実機とは違ってどちらかというとアクション寄りなのは分かりますが

 

・レトロチックスタイル:それ、ホントそれ。だからまあ転生者もみんな最初はポケモンバトルやりてーってなるんだけど、その差異についていけないやつも結構いるのよ。

 

・とらんぷ:戦況に対して思考が追いつかずにやられました(6敗

 

・悪童(バッドボーイ):俺みたいに逆に実機はやったことねえけどアクションは得意だからってのもいるにはいるんだが……

 

・コスモス:だが?

 

・てりやきちきん:バトル法式はアクションでも能力とかは割と実機の計算が通じるでしょ? 今度は知識面での不足で苦労するんだよね

 

・コスモス:あー変化技の効果とか、種族値的にどっちが勝つとか、タイプ相性とかそういうの知識本当に多岐に渡るっていうか知られてないのだってありますしね

 

・悪童(バッドボーイ):それな!

 

・マリモ:転生者用にポケモンウィキとか作ってるけどマジで書くこと多いからなあ

 

・ヒャッハー:ttp://pokemon.wiki/tensesi/923860394823958/hide.4.ptml

 

・ヒャッハー:詳しくはここを開いて確認

 

・ヒャッハー:一応転生者以外には見れないようにチャットルームと同じようなテストあるからヨロシク

 

・マリモ:あと転生者以外には見せないようにお願いね

 

・レトロチックスタイル:知識の出所とか言えないしね

 

・てりやきちきん:根拠(ソース)は? とか聞かれても前世の知識とか言えないし

 

・とらんぷ:前に原作知識で一発当てようとした転生者いたけど学会でフルボッコだドンされて逃げたしな

 

・レトロチックスタイル:あれは研究データも根拠も無しにいきなり成果だけ突きつけたからだよ。学会ってそういうとこじゃないから

 

・マリモ:まあ一応原作知識で一発当てた転生者もいるんだけどね

 

・コスモス:ていうか確実にいますよね。それも大分昔から。カントー旅してて明らかに転生者パイセンたちの痕跡あっちこっちにありますし。

 

・てりやきちきん:あーね

 

・とらんぷ:まーうん

 

・レトロチックスタイル:折角生まれ直したのに好き勝手に生きなくてどうする!!!

 

・ヒャッハー:↑こういうのがあっちこっちで好き勝手やってるからその名残みたいなのが結構あるのは分かる

 

・マリモ:そしてあの委員会がそれにキレ散らかして……

 

・コスモス:委員会ってもしかして原作再現委員会とかいう?

 

・悪童(バッドボーイ):え、何で知ってんの

 

・とらんぷ:この部屋より先にそっち知ってるの?!

 

・コスモス:友達(転生者)がネットで調べてたらそういうのがあるって教えてくれて

 

・マリモ:何者だその友達……

 

・レトロチックスタイル:ネットで調べても普通には出ないはずなんだけどね。あいつら本当にこそこそと隠れてるし

 

・悪童(バッドボーイ):過激派連中はマジで厄介だからな

 

・コスモス:過激派?

 

・悪童(バッドボーイ):正直テロリストとなんか違う? って感じの連中

 

・てりやきちきん:コスモスさんカントーにいるんだよね、だったらロケット団の話とか聞いたことない?

 

 

 ぴくり、とスマホを打つ手が一瞬止まる。

 聞いたことある、なんてものじゃない。

 すでに2度自称ロケット団とバトルしている。

 

 だがそれを表に出すことはない。

 だってあの男……キョウチクトウも自身を転生者であると称していたのだ。

 つまりこのチャットルームのような転生者同士のコミュニティを持っていてもおかしくない。

 このチャットルームにいる面子の中にキョウチクトウと繋がっている人間がいないとは限らない以上、ここで積極性を出せば目を付けられる可能性だってある。

 

「ここは……さり気無く、かな」

 

 

・コスモス:あ、なんか聞いたことあるかもです

 

・マリモ:ああいう原作にいるような組織って現実だと結成されなかったりすること多いんだよね

 

・レトロチックスタイル:原作知識があればそもそも結成の原因となるような『不幸』を事前に取り除いたりできるしね

 

・ヒャッハー:つってそれじゃあ原作通りの展開にならない! って癇癪起こして無理矢理にでも原作通りにさせてやる! ってなってるのが過激派

 

・悪童(バッドボーイ):あいつらマジで手段選ばないからな

 

・とらんぷ:転生者の恥……いや、もう害悪かもしれない

 

・レトロチックスタイル:一応過激派を抑えるためにジュンサーさんになった転生者とかを中心に自警団的なのもあるんだけど

 

・ヒャッハー:あいつらマジでどこにでもいるからな

 

・マリモ:地方をまたぎ過ぎて追いつけてないのが実情だよね

 

・コスモス:oh……思ったより転生者事情やばかった

 

・レトロチックスタイル:あ、そうだ。コスモスさん、まだダンジョンの中にいる?

 

・コスモス:あ、はい。もうすぐ戻ろうかと思ってましたけど

 

・レトロチックスタイル:最下層に置かれた本棚の中に『テリーと宝物庫の秘密』って書かれた本があるから。背表紙を外してみて、ダンジョン攻略報酬用意してるから

 

・コスモス:え、良いんですか?

 

・レトロチックスタイル:いいよー最下層まで攻略した人に対する報酬だからね! 是非活用してくれたまえ!

 

・コスモス:ありがとうございます。じゃあ今日はこれで落ちますね^^

 

・システム『転生者スレッド(チャット版)につまようじ三太夫さんが入室しました』

 

・つまようじ三太夫:私が戻って来た! さあ、新規さん! 話をしようじゃないか!

 

・システム『コスモスが退室しました』

 

・つまようじ三太夫:え?

 

・マリモ:草

 

・ヒャッハー:草

 

・レトロチックスタイル:草

 

・悪童(バッドボーイ):草

 

・てりやきちきん:草

 

・とらんぷ:草

 

 

 スマホを閉じると早速本棚を探す。

 確か『テリーと宝物庫の秘密』だったか。探してみれば確かにあった。

 手に取りカバーを外してみると、本の表紙に地図が書かれていた。

 

「これは、この部屋……かな?」

 

 多分この部屋のものだろう地図には壁らしき場所に星マーク、その奥……壁の中だろう場所に宝箱のマークが書かれている。

 隠し扉、ということだろうか?

 取り合えず行ってみると、なるほど言われてみれば、という程度のはほんの僅かだが違和感を感じる。

 

「壁の色が少しだけ違う……ような気がする、かな」

 

 これでもボクは結構観察力には自信があるほうなのだが、それでも気がする以上にはならないあたり多分普通の人が見ても気づかないと思う。

 ペタペタと壁に触れていると一部が押し込めることに気づき、押し込んでみる。

 

 がこん、と音がして石壁がすうっと横にスライドしていく。

 そうして開いた扉の先を見やれば、あったのは宝箱だった。

 

「ベタかよ」

 

 でもこういうのちょっとテンション上がる。

 やっぱ宝箱というものは特別感があって良い。

 まあポケモン世界に合っているのかと言われると……それはそれ。

 ダンジョンの攻略報酬と言っていたが、何が入っているのかちょっとワクワクしながら宝箱に近づいた……瞬間。

 

 ぱかり、と突如宝箱の蓋が開く。

 

 そして。

 

「くれー!」

 

 ()()()()()()()()()()()()()

 

「あっ」

 

 こいつのこと忘れてた。

 

 




お、遅くなりました(震え声

手持ちポケモンの現在レベルとかあとがきに欲しい?

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