まあ当然のことだが、いくらなんでもコレクレー1体に負ける要素なんて無く。
逆に適度に弱らせてボールを投げるとあっさりとコレクレーをゲットした。
「ていうかボクのパーティ『ゴースト』と『あく』が重いね?」
シャンデラ、アローラライチュウ、ピィ、ニャスパー、ミュウ、コレクレーとピィを除けば全員『ゴースト』と『あく』が弱点で統一されてしまっているのはどうにかすべきだろうか。
まあそれは追々考えるとしてコレクレーが居なくなり早速残った宝箱を開けてみる。
「あらま」
箱の中には大量のコインが詰まっていた。
先ほど拾った1枚を手に取り比べてみるが同じものっぽい……つまりコレクレーのコインなのだろう。
最初からあったわけではないだろうし、恐らく先ほどゲットしたばかりのコレクレーが集めて来たものだろう。ありがたく使わせてもらうことにする。
「にしてもすごい数だね」
コレクレーが隠れることのできる程度には大きな宝箱にぎっしりと詰まったコイン。
さすがにこれを1枚ずつカウントするのは骨が折れるのでスマホをかざして全て収納してしまう。
すう、とスマホの中にコインが吸い込まれていき、全て吸いきってスマホを確認してみれば778枚という大量のコインが収納されていた。
「まあ問題はパルデアでないこのカントーで残りをどうやって集めるか、だけど……」
それに関してはちょっとだけアイデアがあるので良いとして。
ふと画面を見ているとスマホに収納された物一覧の中に見慣れないものがあることに気づく。
どうやらコインと一緒に収納されたものらしいけど……。
「これが報酬、かあ……太っ腹だなあ」
『がくしゅうそうち』
スマホにはそう表示されていた。
* * *
「というわけでそろそろヤマブキシティに行かない?」
地下から戻って来てみるとすでにアカリはいなかったのでポケモンセンターにまで戻りアカリと合流し早速次の予定を提案する。
アカリの最終的な成果は技マシン3つほど。ボクが普通にやったらいくらかかるか分かったものではないほどの大成果であり、交換したらしい技マシンはどれもこれも有用なものだばかりだった。
これでまだ育成が捗るなあ……と思いつつスマホでマップを開いてアカリに見せる。
「タマムシを東に抜けたらバス乗り場があるから、タマムシ・ヤマブキ間はそれに乗って1時間くらいで到着するみたい。そこからヤマブキの中央まで行ってポケモンセンターで部屋を取ってそのまま街を歩くって感じでどうかな?」
「ん、良いと思う」
カントー最大の商業都市だけあってタマムシシティで見て回りたい場所なんてまだまだいくらでもあるのだが、リーグ出場のためのバッジ集めだけは先に終わておきたいというのはアカリとも話あって決めているので今回は涙を飲んでタマムシを出発することにする。
「それからヤマブキもやっぱり大都会だけあって一部治安の悪い場所もあるみたいだから、ヤマブキに着いたらピカチュウは必ず傍に置いておいてね。こっちもシャンデラを潜ませておくから」
「ん……」
先日のような事件にまた巻き込まれないとも限らないが故に用心は必要だろう。
まあボクの場合攫われたらミュウが勝手に出てくるような気もするが。
アカリのほうは……ピカチュウがいれば大丈夫だろうと思う。
「あと今回ボクの都合だけど真っ先にジムに行きたいんだ。ジム戦もそうなんだけど、この子のことも見て欲しいしね」
呟きながら腰に下げたボールの一つに触れる。
そこに入っているのはクチバでゲットしたニャスパーだ。
「……まだ?」
「うん、そうだね」
ニャスパーはあの日から一度も目を覚まさない。
ゲットした日にオーキド博士へと送って見てもらってはいる。
徐々に薬の影響は抜けていくだろうという所見ももらっている。
ただ念のため『エスパー』タイプの専門家に一度見せておきたいとは思っていたのだ。
そしてヤマブキジムはちょうど『エスパー』タイプを専門とするジムだ。
ジムのほうで一度ニャスパーの状態を見てもらう、それもまた今回の目的の一つである。
「本当ならタマムシを後回しにして行くべきだったんだけどね」
「ジムリーダーも、忙しいから」
「うん、そうだね」
実はタマムシに来てから一度ヤマブキジムに連絡したのだが忙しいので数日待って欲しいと言われていたのだ。
ポケモン研究の第一人者でもあるオーキド博士の所見で問題無いとのことだったし、数日くらいなら、と今日までタマムシで活動していたのだがそろそろ行ってみても良いだろう。
「まだ忙しそうなら先に他のとこ見て回ってもいいしね」
ヤマブキはタマムシとは別方向で多様性に溢れている。
なにせカントーの首都だ。他地方へ行くための国際空港だってあるし、ジョウトとを繋ぐリニアも敷設中らしい。
当然人の賑わいもカントー最大規模で、そんな人たちを相手にした商売もあちらこちらで行われている。
特にあそこにはカントー随一の巨大企業シルフカンパニーの本社がある。
そのためヤマブキシティではシルフ主催のポケモンバトルの大会なども多く、また主催が主催だけに商品もタマムシのそれに勝るとも劣らずの豪華な賞品が揃えられていたりする。
「ジムのほうで近日開催の大会があるか聞いてみても良いかもね」
地方都市での大会などは興行のため人を呼びこむ目的で大々的に宣伝なども行うのだが、タマムシ、ヤマブキなどの大都市での大会となるとそもそも放っておいても人が集まって来るので小規模大会などは一々宣伝を行わず都市内で情報が完結しているということも多々ある。
そういう場合、会場設備や審判などで事前に話を通す必要のあるジムなどトレーナー関連の施設でなら次の開催予定の確認ができるので、出場するならヤマブキジムを訪れた際に確認すべきだろう。
特に春の始まったばかりのこの時期ならば新人トレーナー向けの大会というのが多くあると思うのでまだ進化できていないピィや捕まえたばかりのゴンベを出すのにちょうど良かった。
先も言ったがこの旅は基本ジムバッジの獲得を最優先にすることを事前に決めているが、これはリーグ参加資格を先に取っておいて後から育成などに時間を使いたいからでもある。
だが旅を始めてまだ1か月と経たずに半分のバッジを取得している。
以前も言ったがジムバッジ5個目からはジムリーダー側も相応に本気を出して勝ちに来るため今の育成の偏ったパーティだと最大戦力でのゴリ押しにしかならない可能性がある。
ボクは基本的に頭で考えて戦況の移行を組み立てながらバトルする性質なので自力が無ければそもそも戦況を動かしようがない。
アカリだって直感的に最適解を選べてもそれを実行するだけの力がポケモン側に無ければどうにもならないということになりかねない。
「そういうわけで大会で実戦を積みながらしばらく育成期間を取らない?」
「ん……良いと思う。ピカチュウだけ、強くても、意味ないし」
新人トレーナーにたまにあるらしい自分のエースを過信して『こいつさえいれば』なんて思考にならないのはさすがアカリである。
実際、アカリはその辺かなりシビアである。旅に出る前からボクに何度も負かされたせいかもしれないが、この天才タッグは案外フラットな目線で自分たちを評価している。
強いのは自覚している、大抵の相手に負けないのも分かっている、だが絶対に勝てるなんて思い上がってもいないし、負ける時は負けることもある。
そういう意味でアカリが一番期待しているのはヒトカゲ……いや先日進化したのでリザードなのだろう。
リザードンまで進化できれば『でんき』タイプのピカチュウが苦手とする『くさ』『じめん』タイプに強く出れる。
初手をピカチュウで荒らし、ピカチュウの苦手な相手がいればリザードンを出す。
ピカチュウで押せるなら押してリザードンは最後に取っておく。
後出しでリザードンが不利になれば……メガシンカという切り札を出す。
うーん……完成したら勝てるかな?
シャンデラをメガシンカさせてその強さというものを実感した身からすれば、アカリのメガリザードンとかどれだけの怪物になるのかちょっと想像もつかない。
まあその時までにボクの手持ちももっと強くなっているだろうし、そこに期待しよう。
「よし、なら決まりだね。取り合えず今日はヤマブキで育成施設借りれるか調べてみるよ。出発は明日で良いかな?」
「ん、大丈夫」
ゲームだと育て屋というのがハナダシティの南にあったが、現実だとああいう施設というのは結構あっちこっちにある。
そして当たり前といえば当たり前だが歩いてるだけでレベル1のポケモンを100まで育ててくれるなんでことはできないし、1レベ=100円なんて投げ売りみたいな値で育成手腕を揮ってくれることも無い。
そもそもレベルというものが認識できないのだから当たり前か。
この世界の育て屋というのは大別すると2種類に分かれる。
ブリーダーかコーチか、だ。
多分本来はトレーナーという言葉が正しいのだろうがこの世界だとトレーナーとはポケモンをゲットしその力を発揮させる存在のことなので、コーチと呼ばれているが。
これの違いは簡単にいえばがっつりと育成するか、それとも軽く育成するかの関わり方の違いだ。
ブリーダーはゲームの育て屋のようにポケモンを預けて、どんな風に育てたいかを注文し、その注文に沿ったトレーニングを施してくれる。
他人に預けて育ててもらうので、バトルの際にはトレーナーとポケモンの意図の擦り合わせが必要になるがトレーナーの手間はがっつりと減る。
代わりに先も言ったが他人に育ててもらうのでトレーナーの理想100%の育成はできない。それをやりたいなら自分でやれ、ということになる。
コーチはその逆で、メインで育てるのはトレーナーだが、どんな風に育てたいのかという注文に対して、このトレーニングによってこんな効果が得られるというトレーニングの紹介、指導をしてくれる。
要するにトレーナーの育成における外付け知識となってくれる。代わりにメインで育成するのはトレーナーなのでがっつりと時間を取る。
ただしあくまでコーチはトレーナーの補助であり、育成するのはトレーナー自身なのでトレーナーの必要とする、理想とする育成ができる。
実機で例えるならブリーダーに育ててもらうというのは『レンタルバトル』のポケモンを引き取るような感じで、コーチとは要するに『すごいとっくん』のようなプレイヤーにできない育成をしてくれる存在だ。
勿論現実にあんなチート存在そうそう存在しない(いないとは言っていない)が。
因みにどちらも素人が簡単にはなれる職種ではない。
ポケモンを扱うのだからトレーナー資格は当たり前だがそこにさらにブリーダー資格というものが必要になってくる。
これがトレーナー資格とは異なり簡単に取れるようなものではなく、何せ一部とはいえポケモンドクターの資格試験の内容も出てくるのだ。
これはまあ前世もそうだがスポーツ選手の指導者にはある程度そういう知識も必要になる。
ポケモンを育てるブリーダーがポケモンのこと何も知らないとかモグリにもほどがあるので。
何度も言うがこの世界はポケモンがどこにでもいる世界で、人の社会とポケモンとの関係は切っても切れない。
故にポケモン関連の仕事は食いっぱぐれることのない安定した仕事であり、そのためブリーダー資格を持った人というのは探せばちらほらといる。
で、そういう人の中で副業として人気なのが『育成施設』の運営だ。
簡単にいえばコーチはしないけど必要な施設を揃えておくから金払うなら使って良いよ、ということだ。
ある程度の敷地や器具などへの初期投資が必要となるが、リーグから補助金も出るので開業しやすく、それでいて昨今のトレーナーの増加から需要は増え続けている。
ポケモンの技といのは強力になるほど周辺への被害が大きくなるので簡単には使えない、でも使わないと練習にならない。
他にも飛べるポケモンの飛行訓練を行いたいが、専門的に訓練しようとすると障害物なども欲しい、けど街中では迷惑になるし森などでやると周辺のポケモンのナワバリを刺激する。
などなど、ポケモンとは強くなればなるほど育成場所の確保が難しくなる。
そんな人向けに開放されるのが育成施設だ。
ブリーダーと違って短期間で仕事の終わるコーチは空いている時間が多い、或いは時間に隙間は無くともコーチできる人間が1人しかいないならその分施設は空いている。
或いはもっと割り切って本業が別にある、という場合もあってとにかく施設があっても使われていないのは勿体ないので一定時間ごとに予約を取り、料金を取って施設を開放している。
ちょっとした不労所得として人気はあったが、需要の高まりにつれてこれを本業にしてる人もいるくらいには人気施設だ。
ヤマブキシティはカントー最大の都市であり、頻繁に大会が開かれトレーナーも多い、となればそういう施設も多くなるのは必然だ。
と言っても、聞きかじりであってボクも本格的に使ったことは無いのだが……。
旅に出る前にマサラタウンに戻って来たシゲルに聞いた話だが、やはり育成施設を使うと育成が捗るのだとか。
「ここらで平均レベルはぐっと上げときたいよね」
ここから先にジムに、そしてその先……リーグに挑むためにも。
一度足を止めることも必要となるのだろう。
やっぱアニポケのタケシってすげーよ。
あの若さでジムリーダー資格持ち、しかもサトシと旅しながらポケモンドクターにもなってるんだから。
さすがこの小説でタケシ城が建つわけだわ(全然違う
手持ちポケモンの現在レベルとかあとがきに欲しい?
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いる
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いらない