サメメイドと極悪殺し屋ちゃん 作:─────
外に出てしばらく後、捉えた反乱軍兵士たちからの情報収集は手こずるかに思われたが、ヴィルトゥオーザが
「……しっかり話してくれないなら、私も丁寧に
と溢した途端、ブルブルと震えながら彼らの知る情報の全てをスラスラと話し始めた。
そして、彼らが吐いた情報から当初の目的であるレインの居場所が判明した。
パエトーンことリンはライカンに友人のレインはハッカーであるという事実を教え、ライカンはそれでもヴィクトリア家政全体でリンをサポートすると約束した。
ついでに、ベンチに座ったリンの横にどこからかぬるりと現れたヴィルトゥオーザも同じ考えらしい。
本人曰く
「脱出を手伝ってくれたし、私もあなたのことを手伝ってあげる。これで貸し借りナシ、それでいいでしょ?」
彼女がそう言い切ると、二人の間に少しの間沈黙が流れる。
そうしてしばらくすると、彼女はため息を吐いて
「……友達なんでしょ?友達は大事だもんね……わかるよ」
予想外の言葉に、リンは目を見開いて固まる。
「あっ、意外だなって顔したでしょ〜?仕方ないでしょ、仕事とスイーツ以外のことなんて、ここ数年で初めて知ったんだから」
笑い話のように彼女は話し続ける
「そうそう、ちょっと前に初めて学校に行ってさ!まぁ依頼だったんだけど……初めて人を殺しちゃダメって知って、もうビックリしちゃってさ!あははっ……あれ、面白くない?」
戸惑うリンの目の前で彼女は腹を抱えて笑った。
仮面でその表情は隠れたままだったが、そのあまりに仕草はそれが本心からの物だと何より顕著にリンに伝えている。
そして……
「それでさ、初めて友達作ってみたんだよ!四人、初めて殺さずにいるんだけど……ちょっと相談いい?」
ナイフを研ぎながら、世間話のようにそんな話を始めた。
「最初は特別感があって楽しかったんだけど……最近、飽きてきてさ。このままなら、殺すほうが楽しい気がするんだよね。殺しがダメって知っても、やっぱり楽しいものは楽しいからさ」
「えっと……今はつまらないかもしれないけど、長く一緒にいたらきっとまた楽しくなるよ!」
「本当に?……まぁ、信じるよ」
「うん、これだけは信じて。友達って、すぐどうにか成果が出るものじゃなくて……ずっと一緒にいて、振り返った時に楽しかったなって思える相手のことだよ」
「ふ〜ん、そっか」
相変わらず感情の読みにくい彼女は、落胆とも退屈とも聞こえる声を上げると、ちょうど研ぎ終わったらしいナイフをパーカーの内側にしまい込んで立ち上がった。
「じゃあ、信じるね?プロキシ
「えっ!?ちょっ、その呼び方……」
「緑の服の子から呼ばれてたじゃん。待ってるから、後で連絡してね、先生」
リンはいつから見られていたのかとゾッとしながらも、ビデオ屋に戻り再出発の準備をした。