主人公は基本的に藤丸立香となっています。
初心者なので大目に見てください。
「この世は奇っ怪ファンタジー。」
誰が言ったか、かの名言。人理を修復せしマスターはそれはもう疲弊していた。何故か?世界を救っているからに決まっているだろう。
何せこの世界は白紙になった。地球白紙化現象___人理漂白されてしまった世界はもう大変、カルデアにいる人間以外全員いなくなってしまった。
さあ、ここから導き出される結果は...。みなまで言うまい。
そう!俺が!世界をまたもや救わなければなるまい!!
ああ悲しいかな。人類最後のマスターには残業が未だに残っているそうだ。残業は嫌いだ、いつまでたっても仕事は終わらぬ帰れはせぬ。妖精王はいつもこんな感情で動いていたのだろうか、と彼のことが逆に心配になる。
しかし最近は異聞帯以外特に目立った異変はない。逆にこれがいつも通りで良い、良いのだ。ビー、ビー......今頭上でけたたましく鳴っているサイレンなぞ、幻聴に過ぎない。
そう思いたかった時期が俺にもありました。
「今回は何だ!?」
「ああ、先輩!実は...ええとですね!」
隣には俺のファースト・サーヴァントであるマシュ・キリエライトが同じように画面を見つめていた。
目の前の巨大なモニターに映るのは、合計六個の赤点。わあすごいよく見る光景だ。
「すまないね藤丸くん。私から説明させてもらうよ。」
「ダ・ヴィンチちゃん!」
前からやってきたのはダ・ヴィンチちゃん。可愛らしい少女の姿をしているが立派なカルデアの技術部である。
「突然現れた特異点...異聞帯になりえそうな仮称神域特異点と呼ばせてもらおう。それが大量に発生している。」
「今回注目してほしいのが...」
ダ・ヴィンチちゃんが指を指したのは、ギリシャ。地図をよく見ると赤い点の他にとっても小さな青い点がいくつも点在している。目視できるだけだと10から20だろうか。
「...これが、ど、どうしたんですか?」
俺は声を震わせながらダ・ヴィンチちゃんに問う。別にビビってはいない。あぁ、そのはずだ。多分。
「それが...。」「ダ・ヴィンチちゃん、僕が言うよ。」
ダ・ヴィンチちゃんの隣からあらわれたのは救世・美少年____になる前のネモだった。
「驚かないで聞いてほしい。ギリシャ神話のサーヴァントたちが数人神域特異点に無理やり転移させられた。」
「え」
「最初に消えたのはディオスクロイ・カストロ。次にイアソン。その他ギリシャ神話の英雄たちが次々と。」
いや、驚かないで聞いてほしい、って。これを聞いて驚かないマスターが一体どこにいると言うのだろうか。ネモは俺のことを何だと思っているんだ全く。
...いや、それよりも。
「ディオスクロイ・カストロ?」
ディオスクロイは二人で一騎のサーヴァント。夜空で寄り添い続けた双子だ、離れるという選択肢はあまり無いが、その言い方だとカストロのみが転移させられたと読み取られるはずだ。
だがしかし、ネモは至極真面目な顔。ふざけている様子は全く無い。つまりは。
「カストロが、ポルクスを置いていった?」
「...その通り。」
つまり今回の特異点は
ディオスクロイ・カストロが原因、もしくは中心人物?
「そんなの。」
「先輩...。」
「そんなの絶対面白いじゃん!!」
「先輩!?!?」
驚かれるのも無理はない。だがしかし、世界を救っているマスターからすればとても楽しそうな...いわばアトラクションなのである。世界を救わねばならないのはわかってはいるが、だがしかし楽しいことはしたいのだ。
「よし、すぐ行こう。世界を救うために。」
「先輩、絶対楽しそうだから行きたいんですよね?...無視しないでください。それは建前ですよね!?」
序章です。
次回から、「第一神域特異点」に行きます。