神のお告げですよ皆さん! 〜我が青春は神と共に〜   作:ウズベ

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プロフィール

久城ニキ
 所属:アビドス高校1年生
 誕生日:10/26
 武器:ロケットランチャー「プライム・フォーチュン」
 趣味:占い、神のお告げ、魔法陣制作


お告げ1 運命の出会いですよ、皆さん!

 

 

 学園都市キヴォトスのとある自治区に緑の長髪を靡かせる少女がいた。彼女は太陽に向けて空高く両手を掲げる。

 

「神のお告げですよ、皆さん!!」

 

 

 久城(くじょう)ニキ__砂漠化が進む学校アビドス高等学校に在籍する1年生だ。

 

借金を返済してしまえと出ました! あとついでにくたばれカイザーとも!」

 

「いや、どういうお告げよ」

 

 彼女の同級生__黒見セリカが鋭いツッコミを入れる。

 

「まあ、借金返済は当たり前だけどさぁ… 本当にこんな土地に神様なんているのかねえ?」

 

 彼女の先輩__小鳥遊ホシノが机に突っ伏していた。

 

「なっ… ホシノ先輩! それじゃあ、神が可哀想ですよ。信じてあげましょう? 神はきっといます。私たちが神の恵みに感謝し、祈ればきっと神が頭上に降りてきてくださるはずです!」

 

「それより、今日の会議はどうしよう?」

 

「アヤネちゃん、そう心配しなくっても、大丈夫ですよ」

 

 同級生の1人__奥空アヤネの不安を1つ上の先輩__十六夜ノノミがおっとりしながら彼女を和らげる。しかしアヤネは頭を抱えていた。その理由は会議の場になると、かなりの確率で先輩たちの突拍子もない意見に振り回されているからだ。

 

 その時、教室の扉が開いた。

 

「シロコ先輩、おはようございます!」

 

「ん、おはよう」

 

 ニキの先輩の1人__砂狼シロコが来たことで話題はお休みの日の過ごし方になった。

 

 セリカは図書館で勉強していたそうなのだが、どうにも忙しない雰囲気だった。一方、シロコは自転車で50kmほど移動していたのだ。

 

「ニキはまぁ… 想像つくかな」

 

「よくぞ言ってくれました。先日、神の声が聞こえてくる魔法陣を開発したのです! これを使えば、金運だけでなく皆さんにも神の加護も…「あーはいはい」」

 

 セリカに遮られ、ニキは頬を膨らませる。

 

「セリカちゃんは神を信じてくれません… 在野の神もどきを信じることに満足して、アビドスに住まう神を疎かにしています! そんなことではアビドスの神__太陽神が泣いてますよ?」

 

 ニキが必死にセリカに説得を試みるがセリカは呆れてため息をついていた。

 

「ったく… あんたは神、神ってそればっかじゃないの。大体、入学したての時だって…」

 

 

 

 数ヶ月前___

 

 桜舞う校舎に3人の新入生がやってきたその日からニキはやらかしていた。

 

「神のお告げですよ!」

 

「「はい?」」

 

 ニキが自信満々に入学した動機を話す中で、皆はポカンとしていた。

 

「全ては神のお告げ。偉大なる太陽神の神秘がこの地に眠っているのです。

 

 私にはその声が聞こえるのですよ。偉大なる太陽の神の声が!」

 

「何それ?」

 

 セリカが目を細めると、ニキがニヤリと笑みを浮かべ、彼女の手を取る。

 

「よくぞ聞いてくださいました。神はこの地を富ませよと私に告げたのです。神託の名の下に、この学校にて指名を全うしましょう!!」

 

「なんだか変わった子ですね、ホシノ先輩」

 

 ノノミが笑う中でホシノは無表情で思案していた。

 

「うーん… ニキちゃんはさぁ、何か得意なことってあるの?」

 

「神の声を聞いた私の特技は"占い"です。皆さんの運勢を占って差し上げましょう」

 

「まぁ! 楽しそうですね〜」

 

 十六夜ノノミが両手を合わせて笑みを浮かべる。

 

「この神秘こそ永遠のパワー!」

 

 

 そして時間は今に戻る。

 

「ん、あんまり変わってない」

 

 シロコの一言にニキがガックリと崩れる。

 

「しかも、この間だって!」

 

 アヤネが思い出したのは今から数日前の出来事だった。

 

「神を信じてもらえるように手頃な方々のお宅を訪問するのです! 

 

 自治区や老若男女問わず、熱心にお話しをして太陽神の言葉を届けましょう。そして、ゆくゆくは太陽神の信仰でアビドスが復興する流れを…」

 

 彼女たちアビドス高校廃校対策委員会は膨大な借金を抱えていた。

 

 とてつもない利子を返済すべく日夜、会議として返済のための意見交換を行なっていたのだが、ニキを含めなかなか良い案が出ずにいたのだ。

 

「却下です! そんな怪しい宗教みたいな方法はいけません!!」

 

 当然アヤネに却下されその案は無くなってしまった。

 

「ニキちゃんはまっすぐですからね〜 偉いですよ」

 

 ノノミが慰めるかのような言葉をかける。

 

「むむ… であれば!」

 

 その場で怪しげな詠唱を始め、ニキは空に向かって両手を広げた。

 

「見えた…!」

 

 1人の男性がニキを含めた、アビドス生たちと会議室で話し合う場面が映ったのだった。

 

「神のお告げです、神のお告げですよ皆さん! 

 

 出会いです、出会いがありますよ。これぞまさに、運命の出会いです!!」

 

「まぁ…! 素敵な出会いをニキちゃんがするんですね?」

 

 ノノミがニコニコしながら尋ねる。

 

「いえいえ、私たち全員にとって運命の出会いを果たすのですよ。ノノミ先輩」

 

「うへへ、そうだと良いね〜」

 

「素敵な出会いがあるんですね⭐︎」

 

「?」

 

「ほんとなのかな? ニキちゃんの占いってどうにも…」

 

「ああもう、バカなことやってないで会議を始めるわよ!!」

 

 皆のリアクションは決して良いものではなかった。その後、話し合いに入り、気がついたら帰宅の時間になっていた。

 

「それではまた明日〜」

 

「皆さん、信じるのですよ! 神のお告げです。どうか、信じてください!!」

 

 

 

 翌日___

 

「それで、私が来たんだね」

 

 アビドス高校にシャーレの先生が来た。彼はなんと尽き掛けていた物資の供給をしに、はるばる来てくれたのである。占い通りの展開にニキ共々、皆が目を丸くしていた。

 

「ニキありがとう!あなたの占いも頼りになるわね」

 

「いえいえ、やはり神は偉大…! 神は全てを見ているのです」

 

 セリカはホシノ先輩を起こしに行った。その間に先生の手でアビドスに物資の補給が受けられることとなった。

 

「初めまして、先生。私、久城ニキと申します」

 

「うん、よろしくね」

 

 ホシノ以外の皆が自己紹介を済ませた中ニキは一歩前に出た。

 

「早速ですが先生、あなたは神を信じますか?」

 

「??」

 

 先生がポカンとしていた。

 

「私は神の声を聞きました。そして、神は多くの人たちに…」

 

 その時、銃撃が響いた。

 

「カタカタヘルメット団!」

 

 シロコたちも武装を整え、早速校庭に。

 

「むむ!?」

 

「どうしたのよニキ!」

 

 出撃前に占いをしていたニキに見えたのは連携の不和だった。

 

「皆さんに不運が! 不運が取り憑いていますよ!」

 

 思わぬ結果にニキが狼狽していた。

 

「そんなこと言ってる場合!? 行くわよ!!」

 

「待って、私も一緒に行くよ」

 

「先生!?」

 

 なぜか先生が戦術を指揮をとることになった。

 

「神の気が宿りし地を汚すとはなんたる罰当たり…!」

 

「宿ってないわよニキ」

 

 セリカの鋭いツッコミにめげずにニキは後方からロケットランチャーでヘルメット団を攻撃する。

 

「神は怒っています! 神は悲しんでいます! 罰当たりな行動をすぐにおやめなさい、そして太陽の神に懺悔してひれ伏すのです!!」

 

「うるせ〜!」

 

 話し合いの通じないヘルメット団の攻撃、しかし…

 

「覚えてろ〜!」

 

 先生の戦術指揮により容易く敵が追い払われた。さらに…

 

「きゃっ!」

 

 逃げ遅れたヘルメット団員がいたので捕縛した。

 

「捕まえた。どうです? あなたも神の声を聞きませんか? じっくりとお話をして幸せになりませんか?」

 

「は、離せ…!」

 

 対策委員会の面々が武器を構える中、ニキはヘルメットを無理矢理外す。

 

「おや、かわいい」

 

「きゃ〜!」

 

 捕縛した団員から雇い主について尋ねようとしたが、明確な話が聞けずにいた。しかし、彼女たちが何者かに雇われた、と言うことだけはわかったのだった。

 

そんな中ニキは連携の不和が起こらなかったことが気がかりだった。

 

(神のお告げが外れた? いったいなぜ…)

 

 

 

 その日はすぐに終わった。日常に現れた不思議な大人はニキの胸に残っていた。そして就寝前、彼女のルーティーンが始まった。

 

「さて、日課の占いです」

 

 気を取り直したニキは対策委員会の誰かを占っていた。

 

「何が見えるかな?」

 

 薄ぼんやりした光景が変化した。

 

「これは…?」

 

 そこは夏の日差しが照りつける砂浜と海だった。その中で、見覚えのある姿が。

 

「あっつい…」

 

「ホシノ先輩!?」

 

 声を聞いて駆け寄ったニキが見たのは水着を着たホシノだった。

 

「あっつぃ… 暑くて干からびそう… 動いてないのにあついよぉ〜…」

 

 占いはここで終わった。

 

「な、なんだ今のは… 神よ、どうされたのですか!? なぜ私にこんな未来を?」

 

 戸惑うニキは、一応ホシノにメッセージを送った。すると、ホシノからは…

 

「最近暑いからね。気をつけていこうね〜」

 

 と、返信されたのだった。

 

 

 

 捕虜になった団員は翌日になってそのまま解放された。

 

「神のお告げです」

 

「あ?」

 

「夜の工業地帯にはご用心を」

 

 ニキが不敵に笑みを浮かべる。

 

「お、おう…」

 

 その日、先生はアビドスの借金を知り協力を宣言したが、セリカがこれに反対し、1日が終わった。放課後、彼女が柴関ラーメンでバイトをしていたことを知り先生にご馳走となったのだ。

 

 帰宅後、ニキはセリカを占っていた。

 

「うん?」

 

 見えたのは現金の入ったカバンを見て先輩たちと軽い口論に入る姿だった。

 

「お金と口論? 一体なぜ? まるで見当がつきませんねえ」

 

 結果を見てため息をつくニキ、そんな中彼女は先生を思い浮かべていた。

 

「あの方のあの雰囲気はなんだ? 得体が知れないのはそうなんですが、どこか安らぐような…」

 

 先生の顔が浮かんだ彼女はそのまま赤面し、慌てて神に祈り始めた。

 

「わ、私はあくまで神のお告げに従うだけ! あの方に従い続けるわけにはいきません。えぇ… そうですとも!」

 

 先生の笑顔が頭に残り、その日はあまり眠れなかった。

 

 

 翌日、セリカが攫われた。

 

「どうしましょう、どうしましょう!」

 

 突然の事態にニキは動揺していた。

 

「落ち着いてニキちゃん!」

 

「そ、そうだ!」

 

 アヤネの言葉を受け、震える手で占いを始めるニキ、その結果は…

 

「は、89%で助かる! 助かるのです、助かるのですよぉおおお!!」

 

 目をぐるぐる回しながら結果を叫ぶ。

 

「みんな、行こう!」

 

 先生が会議室に入ってきた。

 

「連邦生徒会のサーバーにアクセスしてセリカの場所を特定したんだ!」

 

「な、なんと…!」

 

 対策委員会の皆が救出に動く中、ニキは先生に戸惑いの表情を向けていた。

 

「あなたは一体…?」

 

 

 先生の活躍はめざましかった。セリカを救出し、あっという間に事件を解決して見せたのだ。

 

(なんなのだあの方は!?)

 

「うっ…うう…」

 

 すると近くに負傷したヘルメット団員がいた。

 

「げっ!」

 

「あなたは…!」

 

 彼女は先日捕虜になったはずのヘルメット団員その人だったのだ。

 

「そうだよ! お前らにやられた仕返しだよ!!」

 

 捕虜にされていた団員が抵抗するも、すでに切り札の装備は破壊されていた。

 

「ふむ… 神のお告げです!」

 

「はぁ?」

 

 ヘルメット団員が震え声をあげて首を傾げる。

 

「死神が迫っています」

 

 ニキがニコリと笑う。

 

「ホシノせんぱーい! ここに以前捕虜にした子がいます〜 セリカちゃんの誘拐はこの子が仕組んだことらしいですよ〜!!」

 

「はぁ!?」

 

 ヘルメット団員の声が上ずる。すぐさまホシノがその場に現れた。

 

「ふーん… 容赦しないよ」

 

 ホシノが団員を睨みつけて武器を構えた。

 

「ヒィ…!」

 

 ホシノの銃撃でカタカタヘルメット団員たちは制裁を受け、無事セリカが取り戻されたのだった。

 

「あ、ありがとう…!」

 

 セリカと先生の関係は改善されたがニキは未だ先生に警戒していた。

 

(あなたはなんなのだ? 神でもないはずなのに、心を射止めるような瞳に、耳を傾けてつい聞いてしまうような声、まるであなたは…)

 

「ニキちゃん?」

 

「ああ、いえ!」

 

(だけど私はやっぱり神のお告げを…)

 

 先生の姿と行動に戸惑いを抱いていたニキであった。

 

「こうなったら…」

 

 一か八か、先生を占ってみたニキだったが…

 

 目に映ったのは荒野だった。

 

「おーい!」

 

 声がした方を振り向くと先生の姿がいたのだが…

 

「なぜ全裸なのですかぁああああ!?」

 

 突然の光景にニキは驚くことしかできなかった。あたふたしているニキがもう一度占っても見えてきたのは同じ光景だった。

 

「な、なぜそこで全裸なのですか、神よ!!」

 

 混乱の末にニキは…

 

「もういいや〜 どうでも良いや〜 うん、神とはいえしくじりますよね。ええそうですとも。これは何かの間違いです! きっとそうですね、うん」

 

 投げやりになった。そして寝た。

 

 To Be Continued.

 

 




次回予告

 ニキ「それではアビドス高校観光スポットを紹介します!」

 セリカ「私たちアビドス高校のみんなが愛用している柴関ラーメン!」

 ノノミ「ここのラーメンは本当に美味しいんですよ〜 アビドスの外からも、食べに来る方がいらっしゃるくらい有名なんです!」

 アヤネ「大将のサービス精神には私たちもお世話になっています。次回は、どうやらゲヘナの生徒が…?」

 シロコ「次回 強襲! 便利屋68」

 ホシノ「しーばしーば、しーばせーきラ〜メン!」
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