神のお告げですよ皆さん! 〜我が青春は神と共に〜   作:ウズベ

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ニキに何があったのかと言うことで先生と別れた後に起こった出来事が分かります。

ここら辺のダイスの出目の悪さはリアルに頭を抱えるレベルでした。勝っても困るんですが。




お告げ15 蘇るニキ

 

 ニキがミレニアムで発見された。動揺する対策委員会はひとまず急いでミレニアムに向かうのだった。先生に関しても連絡が入ってたが、補習授業部の予定により動けずにいた。

 

「お待ちしていました」

 

 病院の入り口で対策委員会を出迎えたのはセミナーの早瀬ユウカと生塩ノアの2人だった。

 

「アビドス高校の奥空アヤネと申します。早速ですが、事情の説明を求めます」

 

 軽い挨拶を済ませるアヤネだったがホシノとシロコは警戒心を強めているのか2人を睨んでいた。

 

 

 病院の受付で皆が集まっていた。

 

「今朝のことです」

 

 ノアが手帳を広げる。

 

「セミナー所属の見回りロボットが川で意識を失っていたところを発見しました。それで担当していたユウカちゃんの指示で病院に運んで処置を施してたんですが……」

 

 ノアが目を背ける。

 

「記憶が無いんです…… 今に彼女には」

 

 ユウカが俯きながら答える。

 

「そんな……!」

 

 ノノミ達が青ざめる。

 

「運ばれた時に彼女の身分を証明するものはどういうわけかほとんどがボロボロになっていました。ですが辛うじて破損・水没していた携帯電話に残っていたメモリーから個人情報を特定して連絡しました」

 

「なんでよ…… 一体どうしてこんなことに!?」

 

 セリカが尋ねるが2人には全く分からなかった。ノノミが諌める中、病室の扉が開く。

 

「あのぉ〜」

 

 病院の奥からギプスをつけたニキが現れた。その光景に皆が息を呑む。

 

「この方達が私と同じ学校の方達なのですか?」

 

「……そうだよニキちゃん。一緒に帰ろう」

 

 ホシノに手を引かれて一同はアビドスに戻った。

 

 

 翌日、ノノミと共に記憶を失ったニキが登校する。ノノミ以外皆の表情が暗い中、何も知らないニキが何かを発見した。

 

「あ、あの…… ノノミ……さん?」

 

「ええっと、どうしました?」

 

「アレはなんです?」

 

 校庭に描かれた魔法陣を指差す。それは海に行く前アヤネと一緒に描いたはずのものだった。

 

「ニキちゃんが描いたものですよ。まだ、残ってたんですね……」

 

「へぇ……」

 

 興味津々で魔法陣を踏んだニキ、その時彼女にだけ声が届いた。

 

 目を覚ますのです__

 

「うっ……」

 

「?」

 

「うっ、うわあああああああ!!」

 

 ニキが頭を抱える。割れるような痛みと共にニキが感じたのはこれまでの自分の姿だった。

 

「神のお告げです」「神のお告げですよ!」「神のお告げだ!」

 

 

「神、神神神神神神神神神神神神神神神神神神神神神神!!」

 

 ひたすら頭に木霊する言葉と見えてきたのは2人の神の姿だった。

 

「私は…… 私はアビドス高校の久城、ニキ!」

 

「ニキちゃん?」

 

「そして2人の……神、神! カミィイイイイイイイイイイイイイ!!」

 

 眩い光が身体中から発せられ、共にニキのダメージが全て完治した。

 

「な、なに!?」

 

「一体何が?」

 

 教室にいたホシノたちも突然の出来事に目を丸くするばかりだった。

 

 さらに……

 

「うっひょおおおおおおおおおおお!!」

 

 突然、素っ頓狂な声を上げながら踊り狂い始めた。

 

「どうしたの!?」

 

 校舎にいたホシノ達が飛び出してきた。

 

「ニキちゃんが、魔法陣を踏んでいきなり変な声を挙げておかしな踊りを……!」

 

「ああもう! 何がどうなってるのよ!!」

 

 セリカが頭を抱える中アヤネが魔法陣を見つめる。それからすぐに思い出したかのようにハッと驚く。

 

「あれ!?」

 

「どうしたの?」

 

「あの魔法陣って確か海に行く時にヘリに描いたものです!」

 

「え? それって確か大した効果にもならなかったあの?」

 

「まさかとは思うけど、効果は違ってたんじゃ無いかな? あの時はヘリは墜落したけど本当は別のものだった、とか……」

 

「あぁ、それなら納得ですね」

 

 ホシノの発言に皆が納得していた。

 

「お、おぉお! おおーい! 誰かこれを止めてくださーい! 踊りっぱなしで、止まりませーん!! ホシノ先輩! ノノミ先輩! シロコ先輩! セリカちゃん! アヤネちゃーん! だ、誰か〜!!」

 

「あはは……」

 

 皆のことを思い出したのか踊り狂っているニキを見て皆頭を抱えながらも、安堵していた。

 

 

「申し訳ありません!」

 

 教室で謝罪するニキ。怪我の方はすでに治っていた。

 

「何があったの?」

 

 シロコが尋ねる。

 

「ちょっと待ってくださいシロコ先輩。今先生と繋がりました」

 

「ニキ…… 無事でよかった!」

 

 アヤネの端末から先生がテレビ電話の形で参加する。

 

「先生、そっちは大丈夫なの?」

 

「うん、今はみんなはテスト勉強を頑張ってるんだ。私の仕事は今のところなさそうだから。それより、ニキ。あの後何があったの?」

 

「というかニキちゃんはどうして先生の元に?」

 

 ノノミが尋ねる。

 

「そうですね、まずみんなにはなぜ私がトリニティに行ったのかを話す必要がありますね。

 

 セリカちゃんにはすでに話したんですが、ブラックマーケットでヒフミさんと出会ったあの日から今回の一件は始まっていたんです」

 

「あの日から?」

 

「あの日私はみんなに一つ嘘をついてました。

 

 あの時、ヒフミさんを占っていたんですがなぜかヒフミさんが青空の下で拳を突き上げ、何かを宣言する光景が本当は見えていたんです」

 

「な、何それ?」

 

 話を聞いていたセリカと先生以外にはすんなり受け入れられてはいなかった。

 

「詳しいことはわかりません。ですが、その日の夜もう一度ヒフミさんを占ったら見えてきたのは"アズサ"と呼ばれた子を悲痛な声で呼んでいる姿が見えたんです」

 

「アズサ?」

 

「あの時はただの偶然かと思ったんですが海に行く数日前、私はどうやら誤解されていたのか、その"アズサ本人"に攻撃されてしまいましてね」

 

「いやいや、しれっと言ってるけどそれってとんでも無いことじゃん!!」

 

 セリカが机をバンと叩いた。

 

「そうです。恐らく私が占いで見た光景が確実に訪れているのです。海の時にも見ていました」

 

「そういえば、一度おじさんの事を教えてくれてたね」

 

 ホシノの横でアヤネも赤面していたが2人を見てニキがゆっくりうなづく

 

「そんな中私は昨日、確信を得ました。間違いなくヒフミさんにも同じことが起こると」

 

「それは良いけどそれが昨日の事とどんな関係が?」

 

 アヤネが尋ねる。

 

「私は偶然見てしまったんです。アズサと彼女の背後にいる存在をね」

 

 

 

 時間はニキが先生と別れてから帰宅する時間にまで遡る。

 

「?」

 

 見覚えのある人物を見かけたニキは方向転換してその人物を追って町外れの廃墟に来ていた。

 

「困りましたね…… 見失った」

 

 その人物を見失ったニキが占おうとしたその時……

 

「そこで何をしている!?」

 

 ガスマスクをつけた生徒が攻撃を仕掛けてきた。

 

「トリニティでは無いようだが……」

 

「スクワッドに報告を!」

 

(なんだ? ガスマスク? アズサのものと似ている?)

 

「あぁ、目撃しちゃったんですね。かわいそうですけど、始末しないといけませんね」

 

 ガスマスクの生徒に紛れて緑髪の生徒がスナイパーライフルを構える。

 

「くっ!」

 

 後方に蹴りを放ち、3人が動揺した隙をついてプライム・フォーチュンで攻撃した。

 

「なんだか分からんが逃げなくては!」

 

 

 不意をついて逃走するニキは、トリニティの中心を目指そうとしていたが……

 

「こちら、〇〇……」

 

 周囲はすでに囲まれており、容易に逃走できずにいた。

 

(せめて、先生に応援を頼むべきですね……)

 

 ケータイを取り出そうとしたがうっかり小石を蹴ってしまう。

 

「そこか! 撃てぇ!」

 

 銃撃が容赦なく襲う。慌ててその場から離脱するが敵の数は多く、夜にも関わらずニキは翻弄されていた。

 

(こうなったらやぶれかぶれで騒ぎを起こすしか無い!)

 

 プライム・フォーチュンで攻撃を仕掛ける一方で敢えて敵のいる位置とは逆の位置を攻撃していた。

 

(騒ぎを起こせば以前みたいに……)

 

 ニキの脳裏には以前助けてもらったスズミの姿があった。攻撃しながら移動を繰り返し、いつのまにか川沿いの廃ビルに逃げこんでいた。

 

 だがその行為は思わぬ危機を招いてしまう。

 

「ネズミか。ヒヨリの言っていた通りだな」

 錠前サオリ__

 

「……」

 ??? ___

 

「紛れ込んできたみたいだけど…… どうするの?」

 戒野ミサキ___

 

「我々の計画を知るものをこのまま返すわけにはいかん。しかし、わざわざ我々のテリトリーに自ら飛び込んでくるとはな」

 

 ニキの背後から青いキャップを被った生徒、茶髪に黒いマスクを着用した生徒に仮面の生徒に先ほどニキを襲った緑髪の4人がニキを取り囲んでいた。

 

(なんてことだ……)

 

「集団リンチしないといけないですね。痛い目に遭うんでしょうね、苦しい事をされるんでしょうねえ」

 槌永ヒヨリ___

 

「アズサのお友達…… には見えなさそうですね」

 

 リーダー格の生徒が武器を構える。

 

(こうなったら……!)

 

「か、神のお告げです! よーくお聞きなさい!!」

 

 全員に聞こえるようなくらいの大声を張り上げる。

 

「あなた達はいずれ、花粉症になるでしょう! それが嫌なら、今すぐに武器を下ろすのです! 神のお告げですよぉ!?」

 

 ヤケクソの神のお告げも意に介されず、4人とガスマスクの生徒達はみるみるニキとの距離を詰める。

 

「下手な脅しは終わりか?」

 

「訳わかんない」

 

「命乞いでもしてたんでしょうかねえ?」

 

「……」

 

「ダメか…… だったらこれでもくらいなさい!」

 

 プライム・フォーチュンで無差別に連射を始める。

 

「それ! それ! それ! それ! それ! それ!!」

 

 ありったけの弾をぶつけて後退するニキだったが……

 

「え?」

 

 背後から放たれたロケット弾を受けて吹っ飛ばされた。

 

「ぐわ!」

 

 床を転がる中ニキが目にしたのは冷たい追跡者の眼だった。

 

「あの程度で逃げられると思ったか?」

 

「ば、バカな…… まるで効いていないなんて……」

 

 動揺するが諦めず攻撃を繰り返す。攻撃は黒マスクと仮面の生徒に命中したが、受け身を取られてしまう。

 

「諦めろ」

 

(このままじゃやられる……!)

 

「神のお告げを舐めるなぁ!」

 

 必死に抵抗を取るがついにリーダー格の生徒に接近を許し、彼女の素早い格闘技を正面から喰らう。さらに、後方からガスマスクの生徒達から一斉に攻撃され、ニキはその場に倒れた。

 

「はぁ…… はぁ…… はぁ……」

 

「終わりだ。最後はせめて、この爆弾のテストに使ってやろう」

 

 合図を受けてガスマスクの生徒が奇妙な形をした爆弾をサオリに手渡した。

 

「さ、最後に聞かせていただきたい…… あなた達は何者ですか?」

 

「答える必要はない」

 

「では、あなた方を占って…… 差し上げましょうか。冥土の置き土産にね」

 

 ボロボロになったニキだったが、ゆっくりとリロードをしていた。

 

「好きにしろ。お前には何もできん」

 

 ニキはリーダー格の生徒を占う。

 

 

 見えたのは曇天。火の手が町の至る所から上がり、そんな中彼女が炎上しながら墜落する飛行船が映った。

 

「飛行船の墜落…… ミサイルでも、使うのですね?」

 

 ニキが笑みを浮かべる。ちょうどリロードを終えた。

 

「最後に…… あなたのお名前を聞かせていただきたい。神の元に行くために覚えておきたいのでね」

 

「錠前サオリ…… そして私たちがアリウススクワッドだ」

 

「そうですか…… しかし、困りましたね。

 

 あなた方から占い料を頂いていないので……

 

 死ぬのはまたの機会とさせていただきましょうか!」

 

 不意打ちを仕掛けようとしたがサオリには見抜かれていた。

 

「ぐはっ!」

 

「そんな手で私に勝てると思ったか?」

 

「や、やっぱり……」

 

「予定変更だ。貴様はこのまま私の手で葬ってやろう。人殺しの技術を持った私の手で」

 

(危ないですかね…… でも、やるしかありませんね。みんな…… せめてあと僅かに力を!)

 

 対策委員会の面々が脳裏に浮かびながら、必死の思いで最後の突撃を仕掛けるニキだったがサオリには通用せず、攻撃もできないまま勢いよく蹴り飛ばされた。

 

「……」

 

 無言でニキに対して容赦なく銃撃されていく。だんだんサオリたちと距離が縮まり、程なくして避けられないくらい近距離から銃撃されていった。

 

「あ…… あぁ……」

 

 薄れゆく意識の中ニキは無意識のうちに最後の一発を足元に放っていた。爆風と衝撃波に乗って共に彼女は吹き飛ばされ、勢いよく川に身を投げていた。

 

(ああ…… 真っ暗だなぁ……)

 

 ニキは目を閉じた。

 

 

 

「以上が私の身に起こった出来事です」

 

 皆が絶句していた。

 

「何よそれ…… アリウスって何よ!!」

 

「聞いたことありません!」

 

「…… やはり、そうだったのか」

 

 その後先生から対策委員会にアリウス分校について説明された。現在トリニティではエデン条約の完遂を目指して裏切り者になりうるもの達を追放させんと補習授業部を作り、炙り出そうとしていたのだ。

 

「そんな……」

 

「トリニティも組織的な動きがあるってのはおじさんもちょこっと聞いてたけど、まさかここまでなんてね」

 

「でも、一つ気になるのはニキが見た飛行船の爆破。アレはきっとエデン条約当日に起こる事と見てまず間違いないだろうね」

 

 話を終えた先生が改めてニキの見た未来をまとめる。

 

「偶然ついていったばかりにとんでもないことに巻き込まれてしまいました……」

 

「まぁでも奴らは案外気づいてるかもね。ニキちゃんが生きてる事に。それでまた命を狙ってくるかもしれない」

 

「そんな!」

 

 ホシノの指摘にノノミが立ち上がる。

 

「そうならないように今後ニキちゃんは誰かと一緒に登校するってルールにしましょう。1人ではまず危険です。それと夜間の外出になる場合は、必ず誰かと一緒に動きましょう」

 

 アヤネの提案で方針が決まった。

 

「おっと、すまないみんな! そろそろ行かないと」

 

「ん、気をつけてね先生」

 

 先生が電話を切った。

 

 その日の夜、トリニティでは裏切り者の正体とアリウスの魔の手が迫っていたが、ニキ達には知る由がなかった。

 

「ニキちゃん…… さてと」

 

 アヤネがニコッと笑った。

 

「お説教、しよっかな」

 

 シロコたちはこっそりと会議室を出ていた。

 

「へ?」

 

「全くもう! いきなり1人で出かけてついて行くなんて、怪我で良かったけど何かあったらどうするつもりだったの!!」

 

 アヤネと一対一になったニキは物凄い剣幕で叱られたのだった。

 

「す、すいませーん……」

 

 To Be Continued.

 




次回予告
ニキ「いかにも私が久城ニキです! ふふん、神の使者は常識になど囚われていてはいけないのです!さて、さっそく全人類神にお祈り計画を…」

アヤネ「こほん」

ニキ「え、えーっと… 次回なんですが皆さんで武器のショッピングに…い、行きますよ〜?」

アヤネ「ここでクイズです!ニキちゃんの新しい武器は何になるでしょうか!? 答えは次回になります。次回、新しい武器。 ところで、ニキちゃん?」

ニキ「ひ、ひえええええええ!!」
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