神のお告げですよ皆さん! 〜我が青春は神と共に〜   作:ウズベ

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お告げ18 ゲヘナでの1日

 ニキはその日、ゲヘナについて占っていたところパンちゃんが暴れ回る光景が見えた。

 

「パンちゃんがまた!? 何が起こるんだ?」

 

 ニキの中にはどこか不安があった。

 

(まさか… アリウスの奴らが!?)

 

 疑念を抱いたニキは皆に内緒でゲヘナに向かった。表向きにはゲヘナの友達と遊びに行く約束があることを伝えて。

 

「さてゲヘナに来たわけですが、やはり騒がしいのは変わらない、か…」

 

 街中を歩いていると突然2人のゲヘナ生に話しかけられた。

 

「ねえねえ、君見ない制服だけどどこの学校の人!?」

 

 腰まで届きそうなくらいに長い桃色の髪をした生徒が話している。

 

「ええっと… 知り合いに招待されて遊びに来ました」

 

 突然の会話に狼狽えるニキだったが相手に敵意がないとわかるとすぐに打ち解けたのだった。

 

「私はエリカ。こっちはキララだよ」

 

 銀色で短めの髪の生徒が多い自己紹介をする中…

 

「ねえねえ、知り合いって誰!?」

 

「そちらの給食部のフウカさんなんですが、どちらにいらっしゃるかわかりますか? あまりゲヘナに来たことはないので…」

 

 しかしこれはニキの嘘だった。

 

(念のため、警戒しなくてはいけませんからね。みんなに内緒で動いてましたし)

 

「よーし! それじゃあ私たち2人が案内してあげるね〜」

 

 ニキの思惑に反してキララとエリカは怪しいそぶりを全く見せずに案内を始めた。

 

(あ、あれぇ〜? 

 

 どうやらこのお2人、本当にただのゲヘナの方のようですね。少し気を張りすぎたのかもしれません)

 

 2人の優しさで警戒が薄れたニキは2人と道中駄弁りながら給食部のいる食堂を目指す。しかし…

 

「あーっははっは!!」

 

「あちゃ〜工事中だねえ」

 

「な、何なんですかあれ!?」

 

「温泉開発部だよ。時々ゲヘナや他校でもああいう感じで温泉開発を始めちゃうの」

 

 キララが笑い飛ばし、エリカが解説する中ニキは道端で屯している温泉開発部に戸惑いを抱いていた。

 

(この間あったおかしな4人組以上に危ないですね… しかし、温泉ですか)

 

 気になって占ってみたところ、今掘ってる場所には一才源泉の類など存在していないことがわかった。

 

「って、ここに温泉なんてないじゃないですか!!」

 

「え、そうなの!?」

 

「神のお告げですよ! この地には温泉など一滴たりとも出てきませんよ!」

 

「それ、どういう表現?」

 

 エリカが首を傾げる。

 

「困りましたねえ… 責任者に声をかけてみますか」

 

「えぇ〜? 行っちゃうの?」

 

「あの〜! 責任者いらっしゃいますか!?」

 

 ニキが呼びかけると体格のいい生徒数名がニキの目の前に現れた。

 

「なんだ〜?」

 

「この道を通りたいのです。今すぐ工事を中止していただけますか?」

 

「はぁ〜?」

 

「この工事は無意味です。今すぐ撤収を」

 

「部長〜」

 

 ニキと話していた部員がはぁ? と呆れた声を上げながらリーダーらしき生徒を呼ぶ。

 

「おやおやどうした?」

 

「変な奴が工事をやめろと言ってます」

 

「おやおや聞き捨てならないなぁ…」

 

 小柄な生徒と赤髪で露出の激しい格好をした生徒が現れた。

 

「神のお告げです。この地での工事は無意味です。水脈の類や源泉となるものはこの地にはありません。あちらにでしたらありますよ」

 

 工事している場所とは反対側を指差したニキ、しかしその態度は温泉開発部を怒らせてしまった。

 

「私たちを馬鹿にしているのか?」

 

「しかも神頼みかよ」 「話にならねえな!」

 

「ふふ、そうだねえ。全くもって話にならないねえ。だがまあいい、今日は風紀委員会もいないんだ」

 

 突然ニキを数十人の部員が取り囲む。

 

「少し痛い目にあってもらうよ」

 

「…神を悪く言いましたね? バチが当たりますよ」

 

 ニキがMGとRLを構える。

 

「やってしまえ!」

 

「神に代わって、天罰を下しましょう」

 

 全方位に襲いかかる温泉開発部、それに対してニキはまず真下にロケットランチャーで攻撃し、爆風で舞い上がる。

 

(MGの知識を今こそ使う時だ!)

 

 ノノミとのアドバイスや図書館の本を用いてうまく温泉開発部の背後に立った。

 

「こっちですよ。神を悪く言った罰です。悪く思わないでください」

 

 MGの攻撃が放たれる。

 

「くっ!」

 

 咄嗟に障害物に隠れようとしたリーダー格のカスミと参謀格のメグだったが…

 

「な、なんだ!? 妙に眩しいな…?」

 

 突如としてニキの全身が強く発光していく。その光に魅入られた部員たちは避けることできずに攻撃を受けた。

 

「な、なんだこれ!?」

 

「はぁあああ!!」

 

 強烈な光は風を呼び、弾幕を作って温泉開発部を薙ぎ払う。

 

「うわああああああ!!」

 

 吹っ飛ばされた温泉開発部はそのまま地面に落下していく。

 

「へっ、なーんだ全然痛く…!?」

 

 ダメージが入らずに反撃を仕掛けようとした温泉開発部だったが突然ニキの姿を見て怯え始めた。

 

「ひ、ひええええええええ!!」

 

 余裕を見せていたカスミも涙を流して怯え始めた。

 

「ひ、ヒナが…ここにもいるうぅううううう!!」

 

 他の部員たちも次々と怯え出していった。

 

「な、何がどうなってるんだ? なんてことないMGの攻撃だぞ?」

 

 戸惑うニキを他所に温泉開発部が逃げ出していった。

 

「ふむ、どうやら何とかなったみたいですね」

 

(それにしてもあの感覚は…)

 

 新たな感覚に引っかかりを抱いたニキはそのままキララとエリカに案内され給食部のいる食堂へ。

 

 

 案内してくれた2人と別れたニキは食堂に入るが早々にあたふたしているジュリに会った。

 

「ジュリさん? どうしたんですか?」

 

「ニキさん!? この際ニキさんでも…」

 

 アタフタしていたジュリだったが、一呼吸ついてニキに告げたのはフウカが誘拐されたことだった。

 

「なんですって!?」

 

「それだけじゃありません! 給食部の車両までなくなってるんです!!」

 

「そういうことなら…」

 

 咄嗟に車両の場所を占い始めたニキはすぐに現場を把握した。

 

「ジュリさん、現場はわかりました。どうか風紀委員会に通報を頼めますか?」

 

「ニキさんはどうするんですか?」

 

「犯人を食い止めます!」

 

(何だろう… 今の私にはいつもよりも自信に満ちている!)

 

 

 程なく現場についたニキ、見えてきたのは先日捕えられたばかりの美食研究会だった。

 

「ふん、性懲りも無くですか。神が嘆いていますよ」

 

「おやおや、また貴方ですか」

 

 ハルナが余裕の笑みを浮かべる横で縄で縛られたフウカの姿が見えた。

 

「今度はそう上手く行かせませんよ」

 

「そうは行きません。風紀委員会がすでにここに向かっています。それまで私が相手だ」

 

「何よ、こないだはマグレだったけどそう何度もやられはしないんだからね!」

 

 ジュンコが武器を構える。

 

「良いでしょう… はあああああ!!」

 

 ニキが力を込めたことでまたしても全身が発光した。

 

「ま、眩しいよ〜」

 

「隙あり!」

 

 ニキから発せられた光で油断したイズミとアカリが順番にプライム・フォーチュンの砲撃で倒れた。

 

 しかしハルナの狙撃がニキを狙う。

 

「ふふ、撃ち抜いて差し上げますわ」

 

 しかもハルナは障害物に隠れていた。

 

「ええ!? 私が相手するの!?」

 

 残ったジュンコが攻撃しようとしたが…

 

(ひょっとしたら…)

 

 プライム・フォーチュンから放たれた1発はジュンコを狙わず彼女の足元に命中した。すると魔法陣が展開されていった。

 

「一体何を…んっほおおおおおおおおおお!!!」

 

 魔法陣の効果で、ジュンコは踊り狂っていた。

 

「ジュンコさん!?」

 

「そこですか」

 

「しまっ…!」

 

 離脱しようとしたハルナに追い討ちの一発が放たれた。

 

 

「ふぅ… これで終わりです」

 

 戦いが終わってすぐに風紀委員会が駆けつけた。

 

「アコさん!?」

 

「あなたは… またですか?」

 

(こないだ美食研究会を他校の生徒が倒していたと聞いた時は誰かと思いましたが、まさかこの方が? さっき温泉開発部といい何故これだけ?)

 

 アコが思慮を巡らせている間に美食研究会を逮捕し、フウカも無事助けられたのだった。

 

「それで? 何のようですか?」

 

「実は貴方にお話ししたいことがあるんです。この話は是非他の風紀委員会や生徒会の方々にもお話を」

 

 ニキはアコにエデン条約に忍び寄る影の存在を話した。

 

「信じていただくのは難しいかも知れませんがね。私は以前トリニティに出かけていた時に、その一団と偶然目撃したんです」

 

「それが事実だとして、狙いはなんなんです? 条約を邪魔してなんの得が?」

 

 アコが表情を変えずに理知的な質問をする。

 

「私たちや先生もその狙いは分かりかねています。

 

 ですが、このままでは大変なことになってしまうのは確実! 以前助けていただいた借りを返す形にはなりますが、どうかこの言葉を風紀委員長もしくは生徒会に伝えていただきたいのです!」

 

「…お断りします。私たちにはどうにかしかねます。それに万魔殿とは犬猿の仲。現トップがまともに取り合いませんので」

 

「そうですか… ですがこれだけは伝えておきますね。エデン条約調印式当日、襲撃犯たちによって、ゲヘナの飛行船が墜落します。それをきっかけに地獄のような未来が始まります。何としても当日飛行船を飛ばさないでくださいね」

 

「…お気遣い感謝します」

 

 そういうとアコは風紀委員会の生徒と共に本部に戻る。

 

 

 翌日、協力が得られなかったことを皆に報告しつつニキはいつも通りの日々を送っていた。

 

(あの力は一体…)

 

 僅かに残った気がかりな出来事について思案しているがアリウスの影はゆっくりと迫っていた。

 

 To Be Continued.

 

 




次回予告

ついにニキに雷が!

ニキ「お、お許しくださいぃい!!」

アヤネ「許しません!罰として予告は私がやります! 次回はニキちゃんがお仕置きされます。以上!!」

次回、お仕置きされるニキ

ニキ「か、神…「言わせませんよ!?」」
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