神のお告げですよ皆さん! 〜我が青春は神と共に〜   作:ウズベ

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オラトリオ読めてないなぁ…

ワイルドハントもドンドン生徒が増えてますし、どんどん賑やかになっていってるなぁ


お告げ5 敗北の日

(あれはなんだ?)

 

 退院したニキは一度学校に戻っていた。ひとまず、退院した彼女の頭の片隅にはかつてのホシノの姿と謎の声の存在があった。

 

(今とは別人に近いホシノ先輩に、あの声。ホシノ先輩のものとは違ったアレは何なんだ?)

 

 教室で窓の外を見ながら、ホシノのことを考えていたニキ、不意に彼女にある場所のことがよぎった。

 

「そうだ、そういえば……」

 

 アビドスの校舎の中も一部は砂に埋もれてしまった場所があった。そこには当然空き教室もあった。

 

「ここだ……」

 

 空き教室を発見したニキは扉に手を伸ばすが……

 

「なーにしてるのかな? ニキちゃん」

 

 ホシノの声に驚いて身構える。

 

「ホシノ先輩……」

 

「その教室で何しようとしたのかな? なにか占いで見たのかな? おじさんが話を聞くよ?」

 

「…… 占いでホシノ先輩のことを見たんです」

 

「えぇ!? そうなの〜?」

 

「しかも、昔のホシノ先輩をね」

 

「そ、そっか〜」

 

 あははと笑っていたがニキの表情は曇っていた。

 

「それから、もう1人」 

 

 それを聞いたホシノが目を大きく開く。肩にかけた鞄を握る手が震えていた。

 

「声だけでしたが…… あなたの先輩らしき方を確認しました」

 

「……」

 

「あの方は、誰なんですか?」

 

 ホシノが黙り込む。

 

「あなたとあの人に何かが起こったのはもはや明確。

 

 神のお告げで過去が見えたと言うことはきっと未来、いえこの瞬間にも何か影響があるはず。お願いです、私たちに話してくれませんか? 何があったのか」

 

「うへぇ〜 そこまで知っちゃったんだ。だけど、おじさんとしてはまだ話せないかな。いずれその時が来たら話すからさ」

 

「そんなぁ……!」

 

 ホシノの返答にがっくりと項垂れるニキ、ホシノはあははと笑みをこぼしてニコリと笑みを浮かべる。

 

「大丈夫、おじさんは約束を守るからさ!」

 

 ホシノが背を向けるとシロコが、立っていた。

 

「ホシノ先輩、ニキだけじゃなく私とも話すべき」

 

「え? なになに? シロコちゃん」

 

 シロコはまっすぐ見つめていた。

 

「ホシノ先輩、何か隠してない?」

 

 シロコからの質問にホシノがドキッとしていた。それから2人が揉み合いになる。

 

「し、シロコ先輩!」

 

 止めようとしたニキだったがホシノの鞄から飛び出たものを見て2人が目を丸くする。

 

「退学、届!?」

 

「あぁ、ここにいたんですね! 大変なんです!!」

 

 動揺する2人だったが、ノノミが現れた。

 

 

 

「これを見てください」

 

 会議室で広げられたのは一枚の地図だった。それもアビドス自治区の。

 

「柴関ラーメンの大将からいただいた情報をもとに私たち3人が調べました」

 

 セリカは横で唇をかみしめていた。

 

「この青いエリアは"現在残っているアビドス自治区"です」

 

 3人と先生が、言葉を詰まらせていた。

 

「赤いエリアはカイザーコーポレーションのものなんです」

 

 地図上では青いエリアは確かにあった。だがそれも僅かであり、アビドス自治区の土地だと思われていた大半は既にカイザーの手に落ちていたのだ。その事実は皆を震え上がらせた。

 

「そんな…… 神の地が、カイザーの?」

 

 会議は進んで行く。考えられたことはかつてのアビドス生徒会が借金返済のアテとして土地をカイザーに売ったことだった。しかし、結局どうにもならずついに校舎以外の土地を残して大半を売ってしまったという結論に辿り着くのだった。

 

「何をやってるのよ生徒会は!!」

 

 セリカが怒りを隠せない。そんな中先生が以前ゲヘナの空崎ヒナから提供された情報を皆に話す。

 

 "カイザーPMCがアビドス砂漠で何かをしている"

 

 その情報を確かめるためにアヤネを除く対策委員会の面々がアビドス砂漠へ向かうことを計画する。

 

「今すぐやりましょう! 神が言っています! くたばれカイザー! 神のお告げですよ、今すぐにカチコミです!!」

 

 鼻息を荒くしたニキだったが……

 

「いきなりは無理だよ。だってニキちゃんはまだ怪我してるでしょ?」

 

 ホシノの提案で探索は翌日になった。

 

 

 

 その日の夜、ニキは占いに入る。

 

「ホシノ先輩は当然として、もう1人はどうしましょう……」

 

 悩みながら占いを始めると辺りは灼熱に太陽が照りつける砂漠に映った。

 

「あれは!」

 

 以前見たかつてのホシノの姿を見かけ、追いかけたニキは彼女から伺える焦燥の感情になぜか心が動いていた。

 

「はぁ…… はぁ……!」

 

 そしてホシノが膝から崩れ落ちた。彼女の目の前に留まった"ソレ"にニキの表情が青ざめていく。

 

ここにいたんですね、ユメ先輩……

 

「おぇええ……」

 

 キヴォトスで絶対的に避けられているもの、それは殺人だ。ニキにも見えたのは自然という広大な存在により奪われた命の成れの果てだった。

 

「はぁっ……! はあっ……!」

 

 異常とも取れる光景にニキは震え上がった。無意識のうちに彼女は、誰かを占っていた。

 

「いらっしゃいませー」

 

 目の前に映ったのはセリカの姿だった。

 

「せ、セリカちゃん……?」

 

(なるほど、無意識で……)

 

 セリカが柴関のバイトに戻り働いてる姿はニキを落ち着かせるのには十分だった。

 

「間違いない…… 」

 

 部屋のカーテンを開けて夜空を眺める。

 

「あれは、いやあの人は私たちの大先輩だったんだ。だけど、声しか聞いてなかったけど、何だかとぼけた感じの人だったけれどおそらくホシノ先輩にとって……」

 

「大先輩、神と共に見守っていてください」

 

 

 アビドス砂漠は当然ながら、砂に覆われていた。その中には民家や鉄道のホームを思わせるものが埋もれていたのだ。

 

 アヤネと先生を置いて対策委員会のメンバーが探索を始めた。

 

「懐かしいですね。ここではよく儀式をやっていました」

 

「儀式?」

 

 シロコが尋ねる。

 

「キヴォトス中に神の声が届くようになる儀式ですよ。とはいえ、効果が出なかったので10日でやめました」

 

「逆に10日も続くものなのね」

 

横にいたセリカがため息をつく。

 

 そんな過去が埋れた地を抜けた先に見えてきたのは、社会の黒き部分の一端を担う企業の根城だった。

 

「うそでしょ?」

 

「ほんとにカイザーがアビドス砂漠に」

 

 セリカとノノミが絶句していると施設からカイザーPMCの兵士たちが現れ、小競り合いとなった。

 

「気をつけて、奴らは民間軍事会社の人間だ!」

 

 ホシノが皆に呼びかける。

 

「くっ!」

 

(まだ怪我が完治していない分少々厳しいですか……!)

 

「ニキちゃん!」

 

 すかさずノノミがフォローに入り、兵士たちが倒された。

 

「いやはや、君たちがアビドス高校の生徒さんたちだね」

 

 しばらくすると施設から大柄の男が現れた。彼こそがこの施設を預かるカイザーPMCの理事だった。

 

「我々はここである宝を探しているんだよ」

 

「宝……? まさか、神の遺産ですか!? なんたる非道、神が怒ってますよ! 天罰です、天罰!!」

 

「ニキちゃん落ち着いて。みんな、ここは一旦引くよ。アヤネちゃんの元に起こったことも気がかりだ」

 

 狼狽えていた対策委員会に対して理事は終始余裕の表情だった。そんな中彼はニキを諌めたホシノに視線を移す。

 

「ふむ、ゲマトリアが狙ってた副会長か。いやはや思い出したよ、あの全くもってバカな生徒会長をね」

 

(ゲマトリア?)

 

「ッ!」

 

 ホシノが怒り混じりに武器を構えると隣にいたニキが武器を構える。

 

「この罰当たりめ! 思い知りなさい!!」

 

 理事目掛けてはなったロケット弾は理事に命中した。

 

「ぐわああ!」

 

「理事!?」 「大丈夫ですか?」 「早く手当を!」

 

「な、何やってんのよあんた!」

 

 セリカが青ざめる。

 

「神のお告げです。ついでに腹も立ったので吹っ飛ばしてやりましたよ、ははは」

 

「ははは、じゃあ無いわよ! 行くわよ!!」

 

 セリカに耳を引っ張られながら一同は退却した。だがニキには一つだけ気がかりなことがあった。

 

(あの理事、何か気になることを言っていましたね)

 

 

 カイザーに完全に舐められた対策委員会は利率を大幅に引き上げられた。つまり、毎月の返済額も到底対応できる額でなくなったしまったのだ。

 

 そんな中対策委員会も、雰囲気が荒れていた。

 

「もうまともな方法じゃ返済なんて……」

 

「ダメだよセリカちゃん!!」

 

「どうすれば…… 何か、何かありませんか神よ!」

 

 アヤネとセリカが言い争う横でニキも必死に祈り始めていた。

 

 打つ手が全くと言っていいほど無くなってしまった状況下でホシノは一旦皆を解散させた。

 

 

 帰宅したニキはすぐにベットに飛び込んだ。

 

「どうすれば……」

 

 結局その日は一睡もできずにいた。そんな中小鳥遊ホシノが姿を消した。真っ先に登校したアヤネがその手紙を発見した。

 

「そんな…… どうして!?」

 

 残された手紙を手に取った。

 

「ごめんね。

 

実は私、ある奴からスカウトをされていたんだ。奴ら__カイザーの傭兵になれば、借金返済の額を受け持ってくれるんだって。

 

残された手段はこれしか無いんだ。シロコちゃんたちに偉そうなことを言っておいてこんな事をしてごめんね。

 

 先生、私ね。実は大人が嫌いだったんだ。だから先生のことを最初は頼りないなぁって信じてなかった。

 

だけど、みんなが信じられる大人だから、私が初めて信じられた大人だからいうね。

 

お願い、アビドスを守って。

 

この土地は、この場所は私にとって"唯一意味のある場所"なんだ。

 

最後に、もし私がみんなの敵として立ちはだかるんならその時は……

 

私のヘイローを壊して」

 

 To Be Continued...




次回予告

 ついにアビドス自治区を制圧するべくカイザーPMCが動き出した。

 PMC理事「アビドス高校は今日をもって廃校だ!」

 ニキ「先生! 私たちを…… 助けてください!」

 ニキたちの叫びを受けついに……!? 

 ニキ「第二の神だ……」

 次回、守るものと第二の神の降臨

 ニキ「神よ…… あなたは美しい……!」
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