神のお告げですよ皆さん! 〜我が青春は神と共に〜 作:ウズベ
その日の夜、ニキは占いをしていた。先日出てきたトリニティに関するお告げを受けてトリニティで行動を起こそうとして皆に止められていたニキの関心は他校の自治区にあった。
(アヤネちゃんたちには他校に対しての政治的な介入は止めるように言われてたけど、どういう場所なのかを調査するのは構わないはず……
さて、神はどこに行くよう導くのですか?)
占いの結果出て来た場所に、翌朝ニキが向かうのだった。この日は休日、電車に乗って向かった先は……
「ここがミレニアムですか。テレビなどで見てはいましたが実際この目で見ると未来の都市って感じですね」
アビドスよりも目立つ高層ビル群と動き回るロボットたちにニキの関心はあった。そんな中少し散策しているとスケバンとぶつかった。
「あぁん!? 何者だテメー!」
「すみません、お怪我はありませんでしたか?」
「ありませんでしたか、じゃあねーんだよ!!」
スケバンとの銃撃戦に入った。やむ無く自衛として武器を構える。
「おら!」
「ぐっ……」
ニキがロケットランチャーで攻撃するよりも早く、スケバンたちの攻撃を受けてしまう。負けじと反撃するが2対1の不利は厳しく、左右からの同時攻撃であっという間に追い詰められていた。
「はぁ…… はぁ……」
(来て早々に……!)
膝をついて息を切らすがスケバンたちは余裕だった。
「おい」
その時、現場に制服を着た小柄な少女が颯爽と乱入して来た。その雰囲気は幼そうな体格に反して見た目は厳つく、威圧感が漂っていた。
「何だてめえは!」
スケバンの攻撃も寄せ付けず、小柄な少女の前に全員呆気なく叩きのめされた。
「すごい……」
武器を下ろしたニキは呆然と彼女を見つめていた。スケバンが気絶する中、少女がニキの存在に気づいて歩み寄ってきた。
「見ない顔だな。大丈夫か?」
「はい。ありがとうございました」
少女がニキの制服を見つめる。
「お前…… 他校のやつか? その制服、ウチのとこじゃあねえよなぁ」
「は、はい。アビドス高校1年、久城ニキと申します。ミレニアムの方でしょうか?」
「ああ。アタシは美甘ネル。ちょいとそこで話すか」
ネルが誰かに連絡を入れ、ニキと共に近くの公園に。
「へぇ、お前占いができるのか!」
「はい、神のお告げを耳にした私であれば出来ないことではありません」
「おもしれぇ、そういうことならアタシを占え。最近少し退屈しててな」
ネルが満面の笑みを浮かべながら、要求した。
「いいですが……」
ニキが渋る。その様子を見てネルが怪訝な表情を浮かべた。
「何だよ?」
「占い料金100円、よろしいでしょうか?」
「お、おう。そうか」
ネルから100円をもらって、占いを始めた。
するとあたりの空が赤く変化し、武器を構えたネルの姿が映った。他にもニキが会ったことのない生徒たちもその場で居合わせており、程なくしてなぜかネルと目付きの悪い少女がジャンケンをしていた。
「おい、大丈夫か?」
ネルが声をかけるとニキがうなづいてネルの方を見つめる。
「じゃんけん、と出ました」
「は?」
「空が赤くなる日、あなたは誰かとじゃんけんをして何かを決めるそうです。とても大切な何かを」
占いの結果に目を丸くしたネルだったがそのまま声高らかに笑う。
「はははは! なんじゃそりゃ? だが、いいもん聞かせてもらった。あんがとよ。その日が来んのを楽しみにしとくぜ」
ネルが立ち上がった。
「暇な時は遊びに来い。アタシが歓迎するぞ」
そういうとネルはどこかに去っていった。
「ありがとうございます!」
(怖そうですけど、どこか真っ直ぐな方でしたね)
「さて、次は……」
何となくミレニアムでショッピングをしようとお店に入る。
「皆さんにお土産でも買いましょうかねぇ……」
店の中を散策していると、奇抜な格好をした生徒を見かけた。何と肌のほとんどを露出していたのだ。
「うぇ!?」
思わず奇声を上げると本人が気付いたのかニキの方を見つめて来た。
(ななな! 何ですか!? あんなに露出した人、初めて見ました)
「あなた、だれ?」
「え? わ、私!?」
咄嗟に尋ねられ、戸惑うニキだったが咳払いして素直に名乗った。
「ええっと…… アビドス高校、1年の久城ニキと言います。占いが趣味です」
「そっか。私はエイミ、よろしく。そういえばさっき占いって言った?」
「は、はい」
「知り合いに占い好きがいてさ。あなたも好きなんだなぁ、って」
エイミが淡々と話す中、ニキはえへんと誇らしげにしていた。
「好きどころか私には神の声が聞こえますので!」
「神の声?」
「よくぞ聞いてくれました! 私のいるアビドスには太陽の神がいて、私たちを照らしてくれるのです。今でこそ砂で覆われ、借金を抱えていますが信仰の力を持ってして……「それじゃあね〜」」
エイミが一言言ってその場を去っていった。
「ああ…… 行ってしまった。神の教えを広めたかったのですがね」
布教を施そうとしたニキの行動は失敗に終わった。
次にゲームセンターに入り、少しだけ遊んでいたがこれと言った出会いはなかった。日も暮れ、夜になり駅に向かったニキだったが……
「申し訳ありません! ただいま運行システムに不具合がありまして……」
駅員に詰め寄る乗客の列が出来ていた。電車の遅延により、近隣に移動するバス乗り場でも長蛇の列が出来ており、とても今すぐに帰れる状況ではなかった。
(一体なぜ? 誰かの仕業でしょうか?)
不審に思って占って見たところ"線路沿い"と出たためニキは一旦線路沿いに移動を開始した。
「一体何が……?」
線路沿いに移動していくと線路内に人影を発見した。
「誰かいる?」
「あははは! これで電車は遅延、アートが描けるぞ〜」
赤髪の少女がスプレーを使って何かをしていたのがわかったが街灯の光が強くあまり見通せなかった。
「そこで何をしてるんです?」
「誰!?」
赤髪の少女を尋ねて見たが、彼女は警戒していたのか武器を構えて攻撃してきた。少女の攻撃を何とか回避し、ニキも反撃しようとしたが……
(あれ? ここって確か電車が通るわけですし、反撃したらまずいんじゃ!!)
攻撃ができないニキの元に、先生とメガネをかけた生徒が現れた。
「せ、先生!?」
「ニキ? 大丈夫かい!?」
「はい、まさかここでお会いできるなんて…… あぁ、偉大なる神よ」
嬉し涙を流すニキの横目で先生は赤髪の少女を見つめる。
「ッ、マキ!!」
「見つけたよ。全くもう……!」
「ち、チヒロ先輩……?」
チヒロがため息をつく中マキは銃を構えていた。
「い、いやだ! グラフィティを完成させるんだ〜」
マキがペイント弾を乱射して来た。
「あ、あの! 彼女とはお知り合いなのですか?」
ニキは咄嗟にチヒロと共に先生を守る。
「あなたは?」
「ただのアビドス生、神のお告げを受けてここに来てたのですが…… 彼女は知り合いなんですか!?」
「まぁ…… 身内だよ。手のかかるね」
「マキ!」
先生が呼びかけるとマキが攻撃とを止めた。
「これ以上はやめられるよね?」
「で、でも……」
「マキ」
叱るのではなく優しく諭すような口ぶりでマキは攻撃をやめた。
先生の言葉で事件は終わった。マキはチヒロと共に謝罪に向かった。
「大丈夫だった?」
「はい、あのまま来なかったら危なかったかもしれません」
「災難だったね」
「いえ、今日は楽しい1日でした」
笑顔を浮かべ、ニキは復旧した電車に乗って帰宅したのだった。
「あ、皆さんへのお土産を忘れてしまいました!」
忘れ物に気づいたのは帰宅してすぐのでくぎとだった
To Be Continued.
次回予告
占いで告げた場所、そこは自由と混沌を謳うゲヘナだった。
セリカ「ニキが1人でゲヘナに行ったぁ!?」
アヤネ「何か問題を起こしてないといいんですが…」
しかし、突如として異形の生物が襲いかかる!
アヤネ「次回、混沌のゲヘナ学園
やっぱりニキちゃんには一度しっかりと言ったほうがいいのかなぁ…」
ニキ「神のお告げですよ、皆さん!」