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1.吹奏楽部の苦労人
四月、冬の寒い気候から、温かい気候へと変わっていく季節。
新二年生になった僕は、通っている北宇治高校へと向かっている。
そして、背後から肩を叩かれる。
「鈴木、おはよう」
「吉川かおはよう」
「何よ、その残念そうな顔は」
そこには、同級生でクラスメイトであり同じ吹奏楽部の吉川優子がムッとした顔でこちらを見ていた。
「別に残念っていうわけではないんだけど…」
「どうだが」
と言って、僕の前を歩き始めた。
そんな吉川の後を追って僕も同じく歩き始める。
「新入生どれだけ来てくれると思う?吉川は」
「少なくとも去年みたいな事にはなってほしくはないわね」
「まぁ、あの先輩達はいないし、なんとかなると思うよ」
「…そうね…」
三月に卒業していった先輩達のことを思い出しながら、吉川の隣に立って学校に向かって歩き出した。
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「鈴木君、早く来てどうしたの?」
「後輩ができるので、先輩しようと思いまして」
「鈴木君がそこまで意識もってるのに私は…」
学校に着き、音楽室に着くと部長の小笠原晴香先輩に捕まって、そんな返事を返すと、何故か晴香先輩が泣き出した。
「もう、晴香、新入生が入ってくるのにこんなことで泣かないの」
と隣で晴香先輩を慰める中世古香織先輩。
「そうですよ。晴香先輩、僕たちはいいですけどね…」
「今からでもいいから、鈴木君が部長やってくれたらいいんだけど…」
「泣きながらとんでもないことを言わないでくださいよ。まだ二年生ですよ僕は…」
と苦笑いで晴香先輩に返す。
まだ、僕は二年生になったばかり。つい最近まで一年生だった僕に部長なんて務まる訳がない。
「あ!香織先輩~」
「優子ちゃん、おはよう」
「はい!おはようございます!」
晴香先輩からの部長のお誘いを受けていていた中、さっき分かれた吉川がこの空気を壊すようにして入ってきた。
マイエンジェルと言っていることから、香織先輩のことを本当に好きなんだろう。
「晴香先輩、僕準備してきますね」
「うん、ありがとうね」
「それでは、またあとで」
新入生歓迎という名で演奏を行うのだが、その準備を行う為に早く来たのだ。
晴香先輩と話すのは好きだけど、ずっと話すわけにはいかないので僕は音楽室を後にする。
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そして、新入生歓迎用の演奏を行ったわけであるのだが…
新入生の子が『だめだこりゃ』と言っていた。
恐らく経験者だろう。晴香先輩に聞こえてなければいいのだが…
「良い演奏とは言い難いよな…」
と先ほどの新入生の言葉を考えながら歩く。
「鈴木、何ボケっとして歩いてるのよ!危ないわよ」
「吉川か、特に何もしてないけど」
「何か考えてたでしょ!」
指を指しながら言ってくる吉川。
「いや、この後の事を考えてただけ」
「本当に?」
「本当の本当」
ジッとした目で見てくる吉川
「そこのお二人さん、目立つようなところで仲良く話すなんて」
「来南先輩、そんなことないですよ」
吉川と話していると、同じく吹奏楽部で僕と同じダブルリードのパートリーダーである喜多村来南先輩が話しかけてきた。
「そういっても私から見たら話しているようにしか見えないけど」
「来南先輩…先輩が期待してるような事はないですからね」
と話すと横にいる吉川も首を振って頷く。
「そういうの期待してたんだけどなぁ」
「あすか先輩みたいなことしないでくださいよ…」
「そんなことより、鈴木を呼びに来たんだった」
「用事があるんならちょっかいをかけずに普通に声をかけてください」
「というわけで借りていくね」
と来南先輩に手を握られて、強制的に連行されていく。
「あっ!ちょっと」
と吉川がまだ声をかけてこようとしてきたが、そんな暇もなく僕が来南先輩に無理やり連れていかれるのだった。
ヒロインは?
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小笠原晴香
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中世古香織
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鳥塚ヒロネ
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喜多村来南
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傘木希美
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加部友恵
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井上順菜
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剣崎梨々花