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サンフェスを終え、季節は夏に向かっていく時期。
滝先生がとある発言をしたのだ。
「さて、ここからが重要な話なのですが、今年はオーディションを行う事にしたいと思います」
「え、まじ?」
「え、オーディションて?」
「はい。私がひとりひとりみなさんの演奏を聴いて、ソロパートも含め、大会に出るメンバーと編成を決める、ということです」
「ええええーーーー」
そう夏のコンクールのメンバーをオーディションで決めると言い出したのだ、
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そんな僕達は、A部門と言うカテゴリーでコンクールに出場する。この部門では課題曲と自由曲の二曲を最大55名までの編成で演奏するきまりになっていて、それ以上人数が居る場合、誰かが出場できない事になる。北宇治高校では以前から、上級生が優先的に出場してきた。つまり、ほとんどの場合初心者と一年生が外れてきたのだった。そこに突然降ってわいたオーディション。当然、反対の声は大きかった。
「難しく考えなくても大丈夫ですよ」
「三年生が一年生より上手ければよいだけのことです。もっとも皆さんの中に、一年生より下手だけど大会には出たいという上級生が居るなら別ですが」
それはそうなんだけど…だからと言って僕たちが出来る事なんてある訳もなく、
粘着だの悪魔だの酷い言われようだった。先生可哀そう。
「それで演奏する曲は先生が決めるって言ってましたよね?」
「だから、来夢が取りに行ってる」
「じゃ、もうちょっとですね」
「曲貰ってきた」
なんて会話を繰り広げていたら、来夢先輩がCDを手に持って現れた。
「課題曲が田坂直樹 プロヴァンスの風」
「自由曲が堀川奈美恵 三日月の舞」
「知ってる?」
「いや、名前は聞いたことはあるんですけど、曲は知らないですね…」
「私も知らないんだよねー」
「そうですか、じゃ、皆一からですね」
「とりあえず聞いてみようよ」
と来夢先輩がCDをかけ始めた。
それをみんなでじっくりと聞き始めるのだった。
*****
「鈴木も帰り?」
練習を終え、校門を出ようとしたタイミングで吉川が声をかけてきた。
「うん、そっちもかな?」
「うん、じゃ、一緒に帰りましょ」
吉川は僕の隣に並んで一緒に歩き始める。
「そっちはどう?高坂さん辺りが大変だとは思うけど」
「はぁ…本当に大変よ…」
「まぁ…そうだろうね、プライド凄く高そうだし、ソロパートとか狙ってると思うし」
「それよ!」
突然大きな声を出した吉川にびっくりして、思わず後ずさりしてしまう。
本当にびっくりした
「おっと…ごめん、急に大きな声を出して…」
「問題ないから気にしないで」
「それで高坂さんがどうかした?」
「香織先輩って今年が最後でしょ?」
「3年生だし、この夏の大会で最後にはなっちゃうね」
「だからよ!今まで、香織先輩ってソロやった事ないでしょ?」
「うん、上級学年が優先されてきたからね」
「だから、私には香織先輩に吹いて欲しいの!」
「あーそういう事ね…理解した」
「話は早くて助かるわ」
今までは三年生が優先されてコンクールに出ていた。
ソロパートに至っては尚更ね。
例年通りならば、香織先輩になるのだが、オーディションするときた。
するとどうなるだろうか。上級生、下級生も関係ない、上手な人が選ばれるのだ。
まだ、決まった訳ではないが、吉川がそこら辺が気になっているのだろう。
「同じパートだから、特にそう思ってると思うんだけど…気にしすぎるのも良くないよ」
「分かってるわよ。ただ、私は香織先輩に吹いて欲しいだけ」
「まだ、オーディションまで時間があるから大丈夫だよ、香織先輩も上手なんだから」
「そうね、でも、話を聞いてくれてありがとう」
「また、心配な事があったら話してくれたらいいよ。抱えるのも良くないからね」
ヒロインは?
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小笠原晴香
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中世古香織
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鳥塚ヒロネ
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喜多村来南
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傘木希美
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加部友恵
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井上順菜
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剣崎梨々花