「なんでかなぴーも居るの?」
「拓哉先輩に言われたので、守ってあげるって」
「そういう意味で言った訳じゃない…」
オーディションを終えた翌日、迫りくるテストの勉強会をしていたのだが、奏ちゃんが僕の隣に座り、目の前にはさつきと梨々花ちゃんが居る構図である。
「私も思うんです…」
「えっ?何?」
「かなぴー?」
「先輩って良い人だなぁって」
何を言われるかと身構えていたが、身構える必要は無かった。
「そう言ってくれるのは嬉しいよ」
「なので…先輩の彼女に立候補でもしようかなぁって」
「はいは〜い、彼女なら梨々花が良いですよね〜?」
奏ちゃんの言葉に、梨々花ちゃんも続く。
「えっと…二人の気持ちはありがたいけど…今は、彼女を作る気持ちはないというか…」
「お兄ちゃん、先輩達だけじゃなくて、かなぴー達にも手を出したの?」
「言い方…」
さっきの言葉に棘を感じるというか…言い方に語弊があるよ全く…
「そういう訳なので、拓哉先輩宜しくお願いしますね」
「勉強の事の話だよね?」
「それはどうでしょう」
奏ちゃん…恐るべし…
そして、気づけばテストがやってきて、吹部でも明らかに、成績が悪い子は落ち込み、良かった子は周りに自慢したり、テンションが高かったりと様々だった。そしてテスト期間を乗り越えてやってくるのは、オーディション結果。
松本先生によってAメンバー55人が発表された、その日の放課後。
「お兄ちゃんと一緒に吹きたかったあああ…」
「先輩と一緒に吹きたかったですぅ~」
Aメンバー55人から落ちてしまったさつきと梨々花ちゃん。
僕だって梨々花ちゃん、さつきと吹きたかったのはある。
だけど、この結果は受け止めないといけない。
そんな二人を慰める会とやってきたのはファミレス。
「先輩…大変そうですね…」
「今に始まった話じゃないから大丈夫」
さっきあげた二人に加えて、何故か夏紀と奏ちゃんまでやってきた。
誘ったわけではない。なんか付いて来た。夏紀の策略だとは思うが
「今日は拓哉の奢りだから、どうせなら1番高い物頼もうっと」
「待て待て」
どさくさに紛れて、夏紀が恐ろしい事を発したので止める。
「何?これぐらい大丈夫でしょ」
「いやいや…さつきと梨々花ちゃんを慰める会なのにさ、夏紀が一番高い物を頼むって…どうなの?」
「別にいいよね?二人とも」
夏紀が二人に聞くと、二人とも頷いた。
「という事なのでごちになります!」
「…もういいや…」
こうなってしまった夏紀を止めるのは、それはそれは大変なので諦める事にした。
これ以上何を言っても意味がないからね。
「それじゃあ、私もいいですか?」
夏紀に便乗して、奏ちゃんがそう言う。
断る理由もないのでいいよと許可を出した。
「それじゃあ_」
その後、なんだかんだでみんな喜んでいたのでさっきまでの気持ちは気づけばどこかにいいっていた。
ファミレスを出てすぐ
「私はあっちなので~」
「うん、また学校で」
「はいです~」
「梨々花またね」
西中出身の奏ちゃん、南中出身の僕達と違う梨々花ちゃんは、僕達に手を振って宇治橋を渡っていく。
三人でJRに乗って一駅。小倉駅まで乗って
「では、私はあっちですのでー」
「かなぴーまた明日」
「またね」
「はい!」
奏ちゃんはそう言って、僕達の前から走っていった。
「じゃあ、帰ろっか」
「うん!」
そう言って、さつきは僕の腕にくっ付いてきた。
「お兄ちゃん」
「何?」
「お兄ちゃんは彼女作る気ないの?」
「さっきも言ったと思うんだけど?」
「そうは言ってもさ、かなぴー達の前だからあー言ったんじゃないかなって」
「なるほどね。でも、彼女を作る気がないのは本当だよ」
僕はさつきにそう話ながら、僕達は自分の家まで歩いていくのだった。
ツインテール計画の話でもしようかと思いましたが辞めました。