色々とあったお盆休みの三日間。
本当に色々とあった…
「お兄ちゃん、お疲れ?」
「そんな事ないよ、今日から合宿だから体調は整えてきたつもりだけど」
「本当~?」
「本当だって」
朝早くから、家を出た僕とさつきはそんなやり取りをしていると
「拓哉おはよう」
希美から声をかけられた。
「おはよう拓哉」
「希美、みぞれおはよう」
「おはようございます!」
「さつきちゃん、おはようー!」
希美がさつきの頭を撫でながらそう言った。
「というか夏紀は?」
「先に行っててって言われたよ」
「何よそれ」
いつの間にか来てた優子に驚きつつも、挨拶を返す。
「あっ、おはよう優子」
僕が言うと、続けて希美、みぞれ、さつきと返し、しばらくして夏紀が走ってきた。
「ごめん、遅れちゃった」
「夏紀、なんで遅れたのよ」
「ちょっとね」
「理由があやふやじゃないの…」
そんな会話が聞こえてきた。
あっちはあっちでやってもらうとするか。
合宿、去年もやってきた所にやってきた。
優子を中心に、準備をする。
「みんな~ お盆はしっかり休んだかい? はしもっちゃんですよ~ いや~ 今年は 海外での仕事が多くて なかなか来られなくてごめんね~」
「はしもっちや 英語しゃべれるんですか?」
「アイ ウィル ビー バック」
「長話はやめてくださいね」
「う~ん 滝くんの意地悪」
橋本先生は変わってなかった。
一年会ってなかったけど、一年で変わってたらどうしようと思っていたけど心配する必要は無かった。
「新山です 今年も合宿 頑張りましょう よろしくお願いします」
今年もやってきた、橋本先生、新山先生の元、合宿が始まり、一日があっという間に過ぎて行った。
夕食時、かなり遅めにやってきたので、それぞれのパートで固まっていたので、離れた席に座ると梨々花ちゃんがやってきた。
「先輩~隣いいですか~?」
「梨々花ちゃん、いいよ」
「ありがとうございます~」
梨々花ちゃんはそう言って、隣に座ったのだが
「なんか近くない?」
「気のせいですって」
「そうかなぁ…?」
梨々花ちゃんはきのせいと言っているけど、身体が触れ合っているんだけど…
「お兄ちゃん、一緒に食べようって、梨々花近くない?」
「そんな事ないよ」
「とりあえず、隣の席座るね」
「はいはい」
さつきは梨々花ちゃんとは反対側の席に座った。
「なんでそんなにお兄ちゃんにくっ付いてるの?」
「なんでだと思う?」
「う~ん…好きだからとか!」
「正解!」
「おおー!」
なんか僕を置き去りにして、二人で盛り上がってる…
「拓哉先輩、私も混ざってもいいですか?」
「お、かなぴ、いらっしゃい」
「私は拓哉先輩の隣に良かったんですけど」
「生憎…空いてないね…」
「仕方ないですね。前の席で我慢します」
奏ちゃんはそう言って、僕の前の席に座った。
一人で静かにしたかったんだけど…気づいたら周りに人が集まっていた。
とある場所からは、ここ以上に騒がしかったけど、友恵が納めてくれたのでなんともなく一日目の合宿は過ぎて行った。
-合宿二日目-
僕達、コンクールメンバーは、大ホールに集められて、先生達の元、指導を受けて、ひたすら練習、練習。休憩をして練習を繰り返した。
「わーい、美味しいそうなメンチカツ!」
隣ではしゃぐ緑ちゃん。
「また揚げ物ですか…」
緑ちゃんとは違い、求君の顔色は悪かった。
今日は、パート毎に集まって食べるって事で、僕は先に座っていたみぞれの隣に座って、みぞれと梨々花ちゃんと一緒に話しながらご飯を食べて、二日目に行うスイカ割に備えた。
*****
あれからちょっと過ぎ、中庭で右、左と支持する声が飛んでいる。
「拓哉、どう?」
「どうって何の事?」
吹部のみんなが集まっている中心から離れて、みんなの事を見守るようにしていると、希美が声をかけてきた。
「スイカ割、楽しんでるかなって」
「おかげさまで」
手に持った割られたスイカを希美に見せると、希美は『それなら良かった』と言って、僕の隣に座ってきた。
「みぞれがどうだった?」
「先に寝たよ。疲れていたみたいで、布団でぐっすり」
「そっか」
「まぁ、ソロは慣れっこだと思うけど、今年は他の先生達がみぞれに対して厳しいもんね」
「僕らの世代がみぞれの演奏技術にかかってるみたいなものだから」
「拓哉にも期待してるんだからね」
「それはどうも」
希美にお礼を伝えて、スイカを一口加える。
すると、希美が口を開いた。
「そういえば、拓哉って音大受けるんだよね?」
「まー今の所はね」
「そっかー」
「最初から音大に行くつもりだったし」
「拓哉はやっぱり凄いね」
「そんな事はないよ」
希美から進学の話が出てくるとは思ってなかったな
「それよりも、僕よりもみぞれの方が凄いから」
「私にとっては二人とも凄いと思うんだけどなぁ」
「それに関しては優子にも言われた」
優子から直接ね。僕とみぞれのオーボエにかかってるって事を_
「でさ、希美は結局進学どうするの?」
「え?」
「ほら、音大に行くとか行ってたでしょ?その辺どうなったのかなって」
「あー」
「何か理由がありそうな感じがするんだけど…」
「まぁ…その内ね」
希美はそう言いながら立った。
「音大に行かないにしても…みぞれには言っておくんだよ」
「分かってるって、みんなの所に行くね」
希美は手を振って、みんなの方へと行ってしまった。
本当に、希美は音大に行く気なんだろうか…そんな疑問を浮かべながら、二日目のあっという間に過ぎて行った。