ダブルリードの苦労人   作:桜紅月音

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リズと青い鳥の最後の1分半ばっかり聞いてます。
あそこの部分大好きなんですよ

後、2期分の話大方出来上がりましたので報告させていただきますね。
ヒロイン迷走中です。


16.再オーディションと苦労人

 

「暑い…」

 

季節は気づけば夏になっていた。

そんな中、教室の中で僕はへばっていた。

 

「本当に拓哉は夏になるとだめだよねー」

 

「夏紀…暑いんだから仕方ないじゃん…動きたくないもん…」

 

そんな中、屋上からいつも通りにトランペットの音が聞こえてきた。

 

「いつ聞いても綺麗だよね」

 

「そうだね」

 

「この音は高坂さんかな?」

 

「分かるの?」

 

「恐らくだけどね。僕よりも吉川の方が分かると思う」

 

「優子はそうでしょ。トランペットパートにも顔を出してるんだっけ?」

 

「うん。吉川と加部と練習する事あるからね」

 

なんて会話をしていたら、廊下が騒がしくなるのが分かった。

見てみるとヒロネ先輩がやってきていた。

 

「拓哉君居る?」

 

「鳥塚先輩?どうしたんですか?」

 

「拓哉君と一緒に昼ご飯を食べようと思ってやってきたの」

 

「それはいいんですけど…なんでまた…」

 

「香織達もいるから、後、お礼したいんだって」

 

「お礼…?」

 

「そう、中川さんも一緒にどう?」

 

「私はいいです…拓哉行ってきなよ、私はいいからさ」

 

「いいの?それじゃ行ってくるね」

 

そう言って夏紀に手を振りながら教室を出る

 

「香織、拓哉君連れてきたよ」

 

「本当に連れてくるとは思ってなかったんだけど…」

 

ヒロネ先輩に連れてこられた場所には香織先輩と晴香先輩の2人がベンチに座っていた。

 

「そこ空いてるから座って座って」

 

「押さないでくださいよ鳥塚先輩」

 

「いいから」

 

差された場所は香織先輩の隣。そして反対側にさらっと座る鳥塚先輩。

 

「まず、オーディションの事ありがとう。滝先生に再オーディションの件お願いしたの拓哉君なんでしょ?」

 

「先生には黙ってと言ってたんですけど…言ってしまったんですか?」

 

「ううん、先生が再オーディションするって言った時に拓哉気づいたの」

 

「そうですか。でも。あの時に手を挙げたのは香織先輩ですよ。最終的には先輩の意思で決まった事なので」

 

「でも、もう一回チャンスをくれたのは拓哉君のおかげだから、そういう事でお礼がしたくて」

 

「いいですよ、僕はやらなくて後悔したくなかったので動いただけなので」

 

「だからさ、再オーディション終わった後、予定合わせて私とお礼も兼ねてデートしない?」

 

「香織!ちょっと!」

 

「なんでヒロネが驚いてるの?」

 

「そ、それは」

 

「いいですよ。デートしても、お礼との事なので断る訳にもいかないので」

 

「拓哉君!?」

 

「今、思ったけどヒロネ、拓哉君と何かあったでしょ?」

 

「何もないよ?」

 

「そういう反応するって何かあったじゃん、何かあったか話してみなよ」

 

 

というあまりにも内容の多い昼休みを過ごしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

******

 

「おおおお、広いね」 

 

「本番はここよりさらに大きなホールです。これで驚いていたら飲まれてしまいますよ」

 

「そ、そっかー」

 

「加藤と私は出ないでしょ?」

 

「でも今後の事もありますし」

 

「何事も経験が大事だよね」

 

僕達はホールに来ていた。

加藤さんが驚いているが滝先生の言う通り、本番となる会場はこれよりも大きな会場である。

これで驚いていては飲み込まれてしまうだろう。

 

「楽器きましたー 手の空いてる人は手伝って下さーい」

 

「はい ではみなさん、準備を始めましょう」

 

『はい』

 

「中世古さん、高坂さん」

 

『はい』

 

「二人は準備はいいのでオーディションの用意を」

 

『はい』

 

滝先生の言葉で、香織先輩と高坂さんは返事をして、それぞれ楽器を持って準備をする。

香織先輩が僕の隣を通り過ぎる際、奥は

 

「香織先輩、悔いのないように頑張ってください」

 

「うん、拓哉君がせっかく作ってくれたチャンス、無駄にならないように頑張るね」

 

「拓哉君、ここから私達に任せて、香織の所に行きなよ」

 

「いいですよ、さっき香織先輩に言いたい事は言いましたから。後は香織先輩次第です。それがどういう結果になったとしてもね」

 

 

「では、これよりトランペットソロパートのオーディションを行います。両者が吹き終わった後、全員の拍手によって決めましょう。いいですね?中世古さん」

 

「はい」

 

「高坂さん」

 

「はい」

 

「ではまず、中世古さん、お願いします」

 

「はい」

香織先輩はいつ通りの演奏だった。

練習でも聞いていた音だった。

 

「ありがとうございました」

 

香織先輩の演奏を聴き、部員みんなで拍手を送る。

 

「では次に高坂さん、お願いします」

 

「はい」

 

続けて、高坂さんの演奏が始まった。

彼女の演奏を直接聞いた事はなかったのだが…ここまで上手いとは思っていなかった。

それは部員のみんなも同じ意見だったようで皆も圧倒されていたように思えた。

 

「ありがとうございました。ではこれよりソロを決定したいと思います」

 

「中世古さんがいいと思う人」

 

 

先生がそう言うと、吉川と晴香先輩が拍手を送る。

 

 

「はい では、高坂さんがいいと思う人」

 

 

先生がそう言うと、黄前さんが立って拍手を送っていた。加藤さんも。

 

黄前さん…その度胸は凄いよ。

 

「はい。中世古さん」

 

「はい」

 

「あなたがソロを吹きますか?」

 

そう滝先生が言う。

黄前さんと川島さんは先生のことを見る。

 

「吹かないです。吹けないです」

 

「先輩…」

 

「ソロは高坂さんが吹くべきだと思います」

 

「っっっっ 先輩…」

 

「うわあああああああああんんん」

 

隣に座っていた吉川は今までの記憶が蘇ってきたのだろう、泣き出してしまった

 

「吉川…」

 

気持ちは痛いほど分かる。

僕は吉川の背中を撫でる事しか出来ない。

 

「香織先輩…香織先輩が決めた事…僕は尊重しますよ」

 

恐らく滝先生も分かっていじわるな質問をしたのだろう。

香織先輩の顔を見たら分かる。後悔してない人の顔だもん。やりきったって顔。

 

「高坂さん」

 

「はい」

 

「あなたがソロです。中世古さんではなく、あなたがソロを吹く。いいですか?」

 

「はい」

 

異様な雰囲気の中、高坂さんの返事はホールを響き渡った。

 






ヒロインは?

  • 小笠原晴香
  • 中世古香織
  • 鳥塚ヒロネ
  • 喜多村来南
  • 傘木希美
  • 加部友恵
  • 井上順菜
  • 剣崎梨々花
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