分かってた事ですけど(笑)
「隣いい?」
バスに乗り込み、好きな場所に座って良いと聞いていたので適当に空いていた席に座っていたら、ヒロネ先輩が座って来た。
「なんでこっちにきたんですか」
「晴香に無理言って拓哉君の隣に座れる様にしてもらったの」
「他のクラリネットの人達大丈夫なんですか?」
「私がいなくても大丈夫!」
「えぇ…」
わざわざそんな事をするの…ヒロネ先輩だけでしょ…多分…
「拓哉君は緊張してる?」
「僕は去年も選ばれてるので言うほど緊張してないです」
「そうだった。コンコールだと拓哉君の方が先輩だった」
「そんな訳ないでしょうに…」
「でも、実はと言うと私、緊張してる」
「そんなヒロネ先輩にはこうしてあげますよ」
「ちょ、何して」
「何って手を握るだけじゃないですか…」
「鈴木〜あんた、香織先輩がいるのに、鳥塚先輩も誑かしてんのよ」
「そういう訳じゃ…」
「そうなの実は私達…」
「ヒロネ先輩も何言って…」
なんて会話をしているとあっという間に府大会の会場までやってきていた。
「はーい、各パートリーダーはもう一度全員そろっているか確認。終わったら楽器を確認してください」
『はい』
「緊張するー」
「立華だ」
「やっぱ人数多いねー」
「楽器運搬のひと、先に移動しまーす」
「拓哉、頑張ってね」
「約束したからな。みんなを全国に連れていくって」
「うん」
サポートメンバーと別れ、楽屋でチューニングしていると
「よろしいですか?」
『はい』
「ええとー実はここで何か話そうと思っていろいろ考えてきたのですが、あまり私から話すことはありません」
それでこそ滝先生だよね。
「春、あなたたちは全国大会を目指すと決めました。向上心を持ち、努力し、音楽を奏でてきたのは、全て皆さんです」
「誇ってください。私たちは北宇治高等学校吹奏楽部です。そろそろ本番です。みなさん、会場をあっと言わせる準備は出来ましたか?」
『…』
「始めに戻ってしまいましたか? 私は聞いているんですよ?会場をあっと言わせる準備は出来ましたか?」
『はいっ!!!』
「ではみなさん、行きましょう。全国に」
「ふぅ…よし、やるか」
気持ちを落ち着かせるため胸に手を当て、そっとそう声に出した。
すると横から突かれた感触がした。
「私もやる」
「鎧塚も緊張してるの?」
「ううん。やってみたかっただけ」
「そうか。一緒にやるか」
「してんのアンタ達…」
不思議な光景を目にした岡先輩からそんな言葉をかけられるが気にしない。
「先輩方もやります?」
「私は…」
「やる〜!」
結局ダブルリードのメンバーが集まった。
「北宇治のみなさん、どうぞ」
係員の言葉で僕達はステージへと向かう。
去年とは違う気持ちで
アナウンス「プログラム5番、北宇治高等学校吹奏楽部。課題曲四番に続きまして 自由曲 堀川奈美恵作曲 三日月の舞 指揮は滝昇です」
こうして僕達の戦いが始まった。
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演奏を終え、僕達は結果発表を待っていた。
「鈴木君は緊張してる?」
「それはそうだね。ここで終わる事だってある訳だし…」
「怖い事を言わないでよ鈴木」
「そうですよね。先輩方を全国まで連れて行かないとだめですもんね」
なんて会話をしていると目の前に垂れ幕が降ろされた。
「あった」
「えっ。どこ?」
「先輩あそこです」
「…金…金じゃん」
金に気づいた者が歓声をあげた。
それに釣られて後からも更に歓声が起こり、大声になった。
『えー、この中より関西大会に出場する学校は』
拓哉「来南先輩、関西大会までよろしくお願いしますね」
北宇治高校は関西大会へと駒を進めるのだった。
ヒロインは?
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小笠原晴香
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中世古香織
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鳥塚ヒロネ
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喜多村来南
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傘木希美
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加部友恵
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井上順菜
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剣崎梨々花