正月早々2つ隣の県まで旅行ですわ
新入生が入って新体制となった我が北宇治吹奏楽部
今日は顔合わせと楽器紹介の日である。
だからといって、特にすることはない。
「おはようございます」
「おはよう、緊張するかもしれないけど気にしなくていいからね」
と新入生が僕を見て挨拶してくれたのでそう返す。
変なことを言うよりはいいだろう。
「拓哉君、後でね」
といつの間にか背後にいた晴香先輩からそう言われてちょっとびっくりしたけど
「了解です」
平然とした感じで返す。
そして、晴香先輩は新入生の前に立ち挨拶をする。
そのまま楽器紹介の形に入るのだが…
チューバ担当の後藤が良いところの紹介をしていなくてあすか先輩から色々言われていたけど、概ね平和に終わったと思う。
*****
「誰も来ない…」
来南先輩が隣でそう呟く。
先輩が言う通り、我がパートには誰も来ていない。
人気の所に人が流れていくのは仕方ないと割り切ってはいるのはあるが
「何してるの?」
「誰も来ないんで今日の復習でもしておこうかと」
「そういえば特進クラスだったっけ?」
「違いますよ。だからといって特に勉強する必要もないんですけどね…」
「そんな事を言ってるけど、賢いじゃん!暇な時にでも教えて貰おうかな?」
なんて会話をひたすら話し合っていた。
各パートに人が入って、足りなかった人員もどうにかなったようだ。
我がパートには結局、誰も来なかった。
「まぁ…難しい子が来るくらいなら今のままでもよかったのかな…」
「私はいいけど…来年は頑張って勧誘しないと」
恐らく、来年は自分がパートリーダーになると考えるとこの状況をどうにかしないといけないのは事実なんて思っていたら音楽室の扉が開いて、初見だとイケメンの先生が入ってきた。
「顧問の滝昇です」
と簡単な挨拶だったが、なんというか…きっちりとした第一印象だった。
「新入部員が22名ですか。これで欠けていた楽器も埋まりますね」
今年は22人の後輩が入ってきたのか。
今年は誰も辞める事がなくこのメンバーで夏を迎える事が出来れば…いいけど
「では部活を始めるに当たって、最初に私から話があります」
と滝先生はチョークを持ち黒板に何かを書き始める。
「私は生徒の自主性を重んじるというのをモットーにしています」
と言いながら全国大会出場という文字を書く。
「これが昨年度の皆さんの目標でしたよね」
「あの、先生。それは目標と言うか、スローガンみたいなもので」
と晴香先輩が先生にそう話す。
先生はその言葉を聞き、
「なるほど、ではこれは無かった事にしましょう、では決めてください」
「決めるっていうのは?」
「そのままの意味ですよ。皆さんが全国を目指したいと決めたら練習も厳しくなります。反対に楽しい思い出を作るだけで十分というなら、ハードな練習は必要ありません。私自身はどちらでもいいと考えていますので、自分達の意思で決めてください」
なるほどこの滝先生はこういう先生か。
「私たちで決めるんですか?」
「そういったつもりですが」
「分かった。私、書記やるから多数決で決めよ」
「多数決?」
「こんだけ人数が居て他に決めようないじゃない?いいですよね、先生」
「どうぞ。みなさんの納得の行くようにしていただければ」
「ほら」
あすか先輩の言葉に先生も頷き、あすか先輩は未だに困惑している晴香先輩の背中を押すようにして言う。
「それでは多数決で決めたいと思います、えーと、まず、全国大会出場を今年の目標にしたいという人」
と晴香先輩が言うと、大半の生徒が手を挙げる。
「では次に、全国まで目指さなくていいと思う人」
もちろん賛成ばかりの人だけではない。
現に斎藤先輩も手を挙げていた。
僕はどちらとも言えなかったので、どちらにも手を挙げる事は出来なかった。
そんな僕たちを見て、晴香先輩は少しばかり…かなり動揺しているようだった。
「はい。多数決の結果、全国大会を目標に活動していくことになります」
「ご苦労様。 反対の人もいましたが、今決めた目標は皆さん自身が決めたことです。私はその目標に向かって力を尽くしますが、努力するのは皆さん自身。そのことを忘れないでください。わかりましたか?」
「はい」
「何をぼーっとしているのです。返事は?」
「はい」
滝先生はその言葉を聞いて手を叩く。
「もう一度いいます。みなさんわかりましたか?」
「はい!」
僕は思った。
ここから雰囲気が変わっていくのだと
ヒロネちゃん良いよね。
裏で書いてみるか。
ヒロインは?
-
小笠原晴香
-
中世古香織
-
鳥塚ヒロネ
-
喜多村来南
-
傘木希美
-
加部友恵
-
井上順菜
-
剣崎梨々花