ダブルリードの苦労人   作:桜紅月音

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本当は告白回にするつもりだったんですけど…この後の展開を考えて辞めました。





24.合宿と苦労人

2日間の休みを経て、合宿が始まった。

1日はプール、もう1日は家で高校野球を見ていた。

 

「…大きい…」

 

「だね~」

 

合宿を行う施設は思ったより大きくてびっくりした。

それはみぞれも同じだったようで

 

それはさておき、今はメインホールに集まっているという状況である。

 

「では まず練習を始める前に 皆さんに紹介したい方がいます どうぞ」

 

「今日から木管楽器を指導してくださる 新山聡美先生です」

 

「新山聡美といいます よろしく ウフッ」

 

滝先生に紹介されて出てきたのはとても綺麗な女性だった。

って…腕をつねるのは辞めてくれませんかね…みぞれさん…

 

「木管!?」

 

「やった!」

 

「超美人じゃん」

 

「さすが 滝先生」

 

「えっ そうなの?」

 

そう話す部員もいるけど実際そう思うよね。

でも付き合ってはなさそうな感じはするんだよね…なんとなくだけど

 

「午後は木管は第2ホール パーカッションと金管はこちらで練習します 新山先生は若いですが優秀です 指示には きちんと従うように」

 

「優秀だなんて 褒めても何も出ませんよ」

 

「いえいえ 本当のことを 言ってるだけです」

 

「まあ 滝先生にそう言っていただけると うれしいです」

 

「何 何?」

 

「マジなやつ? マジなやつ?」

 

「…先輩方…そんな事は無いと思いますよ…」

 

「鈴木、夢が無い事は言わない」

 

「えぇ…」

 

来南先輩にそう言われ、困惑するしかなかった。

 

 

 

 

 

*****

 

「疲れた…流石、滝先生が呼んだだけの事はある…」

 

「私も疲れた…」

 

場所は移って食堂。

ダブルリードの先輩方がどこかに行ってしまった為。ヒロネ先輩と島さんがやってきて一緒に食べているという状況だった。

 

「鈴木ってあそこまで凄いとは思ってなかった…流石去年ソロをやっただけあるね」

 

「島さんもコンクールメンバーなんだから誇っていいから」

 

島りえ。ヒロネ先輩と同じクラリネットを担当にしている二年生。

ヒロネ先輩繋がりで話す事は多い方だと思う。

 

「で、今年は鎧塚さんなんだね」

 

「今年の曲は、みぞれと相性良かったからね…そこは仕方ないかなぁって」

 

「あー相性ってあるよね」

 

島は分かってくれたようだけど。この空気をどうにかしたい。

みぞれ早く来てくれないかなって思って。みぞれの方を見るけど。まだ準備中だった。

なんなら完全に死んだ魚の目をした高坂さんが目に入った。

 

「私もソロだけど。拓哉君には勝てない気がする!色々と」

 

「そんな事ないですよヒロネ先輩。クラは先輩の方が上手ですから」

 

「それはそうですよ、クラ出来ないし」

 

「なら、今度教えてあげるよ。拓哉君ならすぐに出来ると思う!」

 

「本当ですかねぇ…」

 

「オーボエ以外にもピアノ、キーボード、トランペットが出来るのに何言ってるんだよ」

 

「えっ!?鈴木ってトランペット出来るの?

 

「まぁ…初心者よりは出来るくらいには…」

 

「何言ってるのこないだ聞かせて貰ったけど、滝野君より上手だったじゃん」

 

滝野…ヒロネ先輩が失礼な事を言ってるけど…許してあげてね

 

「それが本当ならトランペット入ってますよ…」

 

「トランペットに入ってたら香織が喜んでいたと思う」

 

もうだめだこの人…なんとかしないと

 

「…鳥塚先輩…拓哉君は大事なオーボエ友達だから…」

 

「分かってるよ。拓哉君もオーボエで元気そうにやってるの知ってるし」

 

いつの間にか準備を終えたみぞれがやってきて、隣に座った。

 

「カレーに色々と入れてきた」

 

「…そうか…」

 

と言うみぞれのカレーは茶色ではなく、もはや何色か分からないカレーだった。

 

「…うん…美味しい…」

 

今年で二年目の関係になるけど、二年じゃまだ理解できない事が多い

 

「…拓哉君。今日の夜時間ある?」

 

「えっ?寝るだけだしあるけど」

 

「…なら…外のベンチで待ってるから来て欲しい」

 

と言われて約束をする事になった。

 

 

 

 

 

 

 

******

 

みぞれとの約束の時間になったので、約束の場所へとやってきた。

そこには、音を出さすに音ゲーをやっているみぞれが居た。

 

「みぞれって天性の才能っていうか…よくできるねそれ」

 

「もう慣れた」

 

「…そうか…」

 

最初に見た時には、ビックリし過ぎて何も言えなかった記憶が脳内に浮かび上がってくる。

 

「…ここ座って」

 

みぞれはベンチを叩いてそういう。

彼女の言うまま、ベンチに座った。

みぞれは身体を僕に預け、その体制で音無し音ゲーを再び始めた。

どんどんとミスなしでやっていくのを見ると、天性の物があると思ってしまう。

 

そんな中、黄前さんがやってきたのが見えた。

みぞれも黄前さんもお互いの事を認識していなかった。

 

「はぁ…」

 

彼女のため息と共に流れてくる曲…確か『ダッタン人の踊り』だったはず。

 

「あっ」

 

その曲が聞こえてきた事によってみぞれがミスをした。

その腹いせなのか。みぞれは黄前さんの足をちょんと触った。

 

「ひっ!? 鎧塚先輩!?と鈴木先輩」

 

おばけを見たかのような反応は辞めて欲しい

 

「その曲やめて 嫌い」

 

「あっ すみません 先輩 どうしてここに?」

 

「リズムゲーム 眠れないから どうぞ」

 

「はあ…」

 

「リズムゲーム 音無しでもできるんですか?」

 

「やっぱりそう思うよね…」

 

良かった黄前さんの感覚が一緒で。

しかし、みぞれはそんなのお構いなしに

 

「ねぇ コンクールって好き?」

 

「え?」

 

「私は嫌い 結局 審査員の好みで 結果決まるでしょ」

 

「でも そういうのって 何となく 仕方ないかなって 思っちゃってます」

 

「仕方ない? たくさんの人が悲しむのに」

 

「すみません」

 

「私は苦しい コンクールなんて なければいいのに」

 

「え? じゃあ その… 鎧塚先輩はどうして続けてるんですか?」

 

「分からない」

 

「えっ 先輩?」

 

「もう何も…分からない」

 

「みぞれ…」

 

 

ヒロインは?

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