三日間の合宿が終わった。
色々とあったけど、それもまた良い経験だったと思う。
「あーあの時香織と一緒にプール行ってアピールするんだったー!」
「ヒロネ…うるさいよ…」
「だってさ可愛い水着持ってたのに…」
ヒロネ先輩が荒ぶっていた。
合宿とか色々あって、香織先輩とプールに行った事をついさっき知ったらしい。
その為荒れているという訳だ。
「来た…!」
「うん」
「静かにしろ!」
「どうか1番じゃありませんように」
「それで 北宇治高校は 16番目の演奏になる」
松本先生の言葉を聞いて部員達から安堵する声が聞こえてきた。
「23番中16番」
「悪くないな」
「うんっ」
コンクールにおいては、何回、何十回も演奏を聴く。
その為、後ろの方が印象としてはよく残る。
なのでこの順番としては良し
「あの 他の高校は…」
「うっ…フゥ」
「主な強豪校ですが 大阪東照は前半の3番目 秀大付属は12番目 そして明静工科は 私たちの前 15番目になります」
安堵したかと思いきや、全国常連校である明静工科が北宇治の前で演奏という事が判明した。
「明静の次なんて…」
「何ー? 強豪校の次だからって ビビってんの?」
「そりゃあ… ねえ?」
「うん…」
「関係ない 関係ない 関西大会といったら どこ向いたって 強豪校ばかりなんだから」
「橋本先生の言うとおりです 気にする必要なんて ありません 私たちは ただいつもと同じように 演奏するだけです」
『はい!』
関西大会まであと10日。
されど10日。10日なんてすぐにやってくる。
******
「鎧塚さん 今いい?」
「はい」
「私 あなたにちゃんと 謝っておこうと思って 正直に言うとね あなたのソロを聴いた時 私も 物たりないと感じたの なのに高校生だからこれで十分って 私はあなたの可能性の上限を決めつけていた ごめんなさい」
「あ… あの…」
「失礼なこと してしまったなって… 」
みぞれが黄前さんの事を見た。
黄前さんは慌てて、こちらを礼をして音楽室から出て行った。
そんなに慌てなくてもいいのに…
「あなたの技術は すばらしいわ でも なぜだか聴いてると苦しくなる もっと楽しんでいいのよ 」
「はい…」
「鈴木君はとても良い演奏をするわね」
「ありがとうございます」
「鎧塚さんの事頼むわね」
「はい?」
新山先生にそんな事を言われて僕は困惑した。
「このあたり もう少したっぷりめで吹いてみたら?」
「それが 感情ってこと?」
「うーん…拓哉、あんたも何かアドバイスしてよ」
「えぇ…」
優子からそう言われ、変な声が出てしまった。
「まぁ…みぞれがどう思ってるかで変わってくるんだけど…」
「それってどういう意味よ」
「う~ん…本人がいまいち分かってないようだから僕からはなんとも…」
優子と2人で鎧塚の練習を温かく見守っていると。扉が開いていつもの2人が入ってきた。
「おはよございまーす」
「おはようございます」
「あっ おはよう」
「あんまり考えすぎるのも よくないよ 思ったまま吹いてみよ」
「それが一番かもしれないね」
「うん」
そう言った鎧塚のオーボエの音が響くそんな音楽室だった。
昼、僕は渡り廊下で1人で気分を変えて、帰ってきた時に事件は起きた。
「みぞれ!?」
と言う希美の声が響き、譜面台が倒れる音が響き渡った。
「待って みぞれ!」
「やめて」
「優子?」
「うわっ あっ 鎧塚先… 輩…」
「おい!みぞれ…」
目の前を走っていく鎧塚の事を僕と黄前さんが呼び止めようとしたがそれも虚しく彼女はそのまま走ってしまった。
「チッ 最悪」
「どういうつもりよ」
「ちょっと! 希美が何したっていうの?」
「何もしてない だから怒ってるの!」
「はあ?」
「とにかく 早く捜さなくちゃ」
「黄前さん」
「えっ」
「あの子の事情 知ってるよね? みぞれのこと捜してくれない?」
「えっ あの…」
「あの子 今 慣れてない子と会うの ヤバいから お願い」
「は… はい」
「黄前さん、僕からも頼む」
と言って黄前さんと優子はそのまま去っていった。
「どういう事…?」
「そろそろ話してもいい頃合いか…夏紀、ちょっと時間借りるよ…」
「えっ…うん」
ヒロインは?
-
小笠原晴香
-
中世古香織
-
鳥塚ヒロネ
-
喜多村来南
-
傘木希美
-
加部友恵
-
井上順菜
-
剣崎梨々花