あすか先輩の事件の話は瞬く間に広まり 吹奏楽部にも動揺が広がっていた。
「あすか先輩のお母さん見たんでしょ?」
「うん」
「どうだった?」
「…正直言って難しい話だと思う。家庭間の問題もそうだけど…」
「そっか…」
帰り道、優子と一緒に帰っていた際、そんな話をしていた。
しかし翌日 そんな みんなの心配をあざ笑うかのように あすか先輩は…
「おっ やってるねー!」
あっさりと現れたのである。
「あすか先輩ー!」
「先輩!」
「先輩…」
「うわっ どったのー? みんなー?」
「だって 今日 学校休んだって晴香先輩が…」
「っていうか 来て大丈夫なんですか?」
「辞めないですよね? 続けるんですよね?」
「って そんな一度に聞かれても答えられませーん!」
「先輩…」
「え… 何で泣いてんの?」
「だって…」
長瀬は心配だったのだろう、泣いてしまった。
あすか先輩はめんどくさそうに
「あーん もう 後藤! あんたの彼女 何とかしなさいっ」
「そっか そんなウワサになっちゃってたかー 心配かけてごめんね 黄前ちゃんもごめん びっくりしたでしょ」
「いえっ それで あすか先輩…」
「大丈夫 みんなに迷惑かけるようなことはしないから」
「よかった」
「だからミドリ言ったじゃないですか 大丈夫だって」
「はいはい! そういうわけだから この話は おしまい 練習するよ!」
『はい!』
「はー 一時は どうなるかと」
「ミドリは信じてましたから あすか先輩のこと」
「夏紀、あとで ちょっと話があるんだけど」
「はい」
あすか先輩のこの感じを見ていると大丈夫そうに見えた。
しかし、その翌日からあすか先輩は部活に現れなくなった。
-数日後-
友恵と2人きりで教室に居た。
「ねぇ〜私に宿題を見せてよ〜」
「友恵…宿題というのはな…」
「そういうのは良いから」
放課後、教室で準備をしていると加部から宿題を見せろと言ってきた。
上手い事交わせたと思ったんだけどな…友恵。侮れない
「拓哉!大変よ!」
「おっ、優子、どうしたの?そんなに急いで…」
「今、教頭先生が代理で あすか先輩の退部届受け取ったって…」
「はっ?」
*****
その日の練習は皆気持ちが入って居なかった。
滝先生はもちろんではあるが見抜いて、演奏を止めた。
「何ですか? これ 皆さん ちゃんと集中してます?」
「あの」
「何ですか?」
「あすか先輩の退部届 教頭先生が代理で受け取ったっていう話は本当なんですか?」
「そのような事実はありません 皆さんはこれからも そんなウワサ話が1つ出るたびに 集中力を切らして こんな気の抜けた演奏をするつもりですか?」
「今日は終わりにして 残りはパート練にしましょう」
「先生!」
晴香先輩が先生を引き止めようとするが先生は行ってしまう。
「みんな 少しだけ時間くれる?」
「晴香…」
「あすかがいなくて みんな不安になるのは当然だと思う でも このまま あすかに頼ってたらダメだと思うの」
「あすかが いないだけで 不安になって 演奏もダメになって… 部活ってそうじゃない」
「そんなのわかってるよ」
「でもさ…」
「私は 自分より あすかのほうが優秀だと思ってる だから あすかが部長をやればいいってずっと思ってた 私だけじゃない みんなも あすかが 何でもできるから頼ってた あすかは特別だからそれでいいんだって… でもあすかは 特別なんかじゃなかった 私たちが勝手にあの子を特別にしていた 副部長にパートリーダーにドラムメジャーとか 仕事を完璧にこなすのが当たり前で あの子が弱みを見せないから平気なんだろうって思ってた 今度は私たちがあすかを支える番だと思う あの子がいつ戻ってきてもいいように もちろん 去年のこともあるからムカついてる人もいると思う あすか以外 頼りない先輩ばっかって感じてる子もいるかもしれない でも それでもついてきてほしい お願い… します」
晴香先輩がそう言うと、優子が立ち上がって言った。
「あんまナメないでください そんなこと言われなくても みんな ついていくつもりです 本気なんですよ みんな」
「まっ あんたの場合 好きな先輩に対して私情を持ち込みすぎだけどね」
「うっさい! だいたい あんたね こういう時は…」
「あー はいはい これだから いい子ちゃんは」
「何ーっ」
暗くなっていた部活もこの2人のやりとりでいつものように戻ったように感じた。
「晴香先輩!僕達は先輩に付いて行きますよ!」
「拓哉君…」
ヒロインは?
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小笠原晴香
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中世古香織
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鳥塚ヒロネ
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喜多村来南
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傘木希美
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加部友恵
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井上順菜
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剣崎梨々花